『こうすれば施設ケアが変わる――エデン・オルタナティブの挑戦』

生きのこる施設ケアはこれだ！ 施設にはびこる3つの病からの解放。
老人もスタッフも共に元気になれる方法があった。

発刊に寄せて　（ウィリアム・トーマス）

はじめに
カミソリでかまぼこを切るおばあさん
特養ホームでの実習
米国ナーシング・ホーム、そしてエデンとの出会い

1 アメリカのナーシング・ホーム
人生最後の高価な買い物
身体拘束廃止の流れをつくったナーシング・ホーム改革法
泣く子も黙る？ 州政府の査察
査察結果の公開を義務付け
ナーシング・ホームは忌み嫌われている
介護職員の大半が一年で入れ替わる？
評判のよいナーシング・ホームでボランティアをしたら…
燃え尽き症候群
おざなりな選択肢
「私の担当じゃない」という一言
日本との違い
心の支えはやっぱり家族
政府がインターネットで施設情報を公開

2 エデンは、既存施設へのアンチテーゼ
なぜ、エデンが生まれたのか
最初のエデンホーム
エデンが提唱する《十》の基本理念
楽園へようこそ――ミネソタ・ビッグフォーク
孤独を癒すペット
一人ひとりの“顔”が見える場所
数年前までは典型的なナーシング・ホーム
本音を言える組織に変える
入居者中心の介護の出発点――「拘束」をなくす
“家族”の一員として働く
組織改革や建物の改築にかかった費用

3 エデンの普及を支える仕組み
エデンのネットワーク
「エデンの木」は登録の証
州政府が普及の旗振り役を果たす――ミシガン
施設に対する見方を変える三泊四日のの研修
終の住まいの理想を思い浮かべる
ケア・バランスについて考える
「人の役に立てない」というストレス
燃え尽きやすいい環境
エデンのゴールデン・ルール
自然発生的な出来事とは？
土壌を温めて、種まきの準備をする
デザートは最後に
トラブルを防止するには…
ペットの飼育方針作成は不可欠
痴呆症のお年寄りも動物には反応
助成金でエデン流施設運営の普及が加速――ミシガン
ハイペースで増加する登録施設数

4 組織改革（自己変革）の難しさ
エデン資格者（研修修了者）の悩み
改革に抵抗するのはなぜ？
決め手は施設長のリーダーシップ
施設長のリーダー力がないと…
理想的なパターン
居場所をもつお年寄りたち
施設長のエネルギー
小鳥がもつ吸引力
「動物王国」になってしまったケース
「エデン＝動物」という思い込み
エデン推進施設の水準を維持するには
エデン推進施設という看板

5 ラナウィーから学ぶ
ラナウェー――一九九九年秋
推進グループの試練
ゆっくり進む勇気をもつ
本物のワイングラスで会食
ラナウィーへの提案
ラナウィー再訪――二〇〇一年初夏
職員全員がエデン勉強会に出席
家族会との関係も好転
改築工事が進むなか、再び訪問――二〇〇二年秋
「ケアワーカーを増員する予定はない」の意味
チーム型の組織への転換
エデン効果と予算
終わりない旅

6 エデン哲学を実践する
施設長の自宅でエデン研修を実施――フーバー
一人ひとりの個性を生かす
ツタの成長を競うお年寄りたち
段階的にチームづくり――ヘブン・ハウス
清掃担当職員を積極的に登用
お年寄りが町長、職員は秘書に
絶望の淵にいたジョーを救ったもの
手作りで家庭的な雰囲気を演出

おわりに――エデンは国境を越える

あとがき
参考文献