『反歴史論』
宇野 邦一 20030528 せりか書房,259p.
last update:20131016
■宇野 邦一 20030528 『反歴史論』,せりか書房,259p.
ISBN-10: 4796702490 ISBN-13: 978-4796702492 \2500+税
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■内容
思想と歴史の交錯点に光をあて、20世紀思想の核心をなす主題「存在・無意識・時間・主体・イメージ」を根源的に問い直し、歴史的思考の呪縛の構造を打ち破る大胆な試み。
『群像』掲載。
■著者略歴
1948年松江市生まれ。京都大学文学部卒業後、パリ第8大学で学び1980年にアルトーについての博士論文を提出。神戸市外国語大学助教授を経て、現在は立教大学教授。
現代フランス文学思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
序
第1章 反歴史との対話
1 歴史の恥辱
2 小林秀雄と「反歴史概念」
3 さまざまな歴史の歴史
4 人類学と引き裂かれた意識
5 自然と構造
6 歴史のパラドクス
7 イエスを反復する
8 強い歴史、弱い歴史
9 歴史の欠乏と過剰
第2章 無意識・映画・存在論――思考しえぬものの思考の準備
I 思考を脅かすものについて
1 思考の異物?
2 哲学の批評
3 小林秀雄と映画
4 純粋な起源との親密性
5 冥界の小林秀雄に
II 精神分析と存在論のあいだ
1 自然は対象化されない、あるいはマルクス
2 存在論とテクネー
3 無意識と対象化
III イメージ空間について
1 映画の両義性とベンヤミン
2 シュルレアリスムとファシズム
IV 幸福あるいは消尽
1 アルチュセールの異化
2 弁証法と至高性
3 終焉と「到来しないもの」
第3章 歴史のカタストロフ
1 歴史を引き裂く時間
2 歴史が「繋留」であることについて
3 歴史のカタストロフィックな経験
4 自同性は構成されなければならない
引用文献
■引用
序
この本は〈歴史を批判する〉試みである。しかし歴史の総体にも、様々な歴史書、歴史学にも、歴史小説や歴史哲学にも、歴史にかかわるあらゆる思考や行為にも、
おしなべて反対するような大それた試みをしようというのではない。
この試みは、様々な事象の境界について、他者と私の間の境界について、境界に生起する様々な事象と表現について、
境界概念としての身体について考えてきた私のこれまでの試みと、あくまで地続きである。(p.7)
■書評・紹介
■言及
*作成:北村 健太郎