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『過労死・過労自殺の心理と職場』

大野 正和 20030313 青弓社,200p.


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大野 正和  20030313 『過労死・過労自殺の心理と職場』,青弓社,200p. ISBN-10: 4787232118 ISBN-13: 978-4787232113 \1600+税 [amazon]

■内容紹介

内容(「BOOK」データベースより)
なぜ、死にいたるまで働くのか。強制によるものなのか、自発的な意志に従った結果なのか。労働の質的な変化にともなって仕事を至上とする社会的な要請が崩壊し、日本的な仕事倫理を死守することはもはや有効に作動しなくなっている。それでもなお、強制と自発とがないまぜになった心性に突き動かされ死を賭して働きつづける。旧来の日本型労務管理システム論や長時間労働説の限界性を突破して、まじめで責任感が強く他者に気を遣う「メランコリー親和型性格」が、責任境界が曖昧な「柔軟な職務構造」に組み込まれている実態こそが真の原因だと指摘する。“心理”と“職場”の相互関連を読み解き、自己と他者との能動的な関係構築を提言する。

内容(「MARC」データベースより)
なぜ、死にいたるまで働くのか。強制によるものなのか、自発的な意志に従った結果なのか。「心理」と「職場」の相互関連を読み解き、自己と他者との能動的な関係構築を提言する。

■著者紹介

大野正和[オオノマサカズ]
1959年、兵庫県生まれ。神戸大学経済学部卒業後、企業勤務などを経て、大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程単位取得退学。専攻は仕事論、仕事心理学。現在、三重短期大学、大阪経済法科大学、京都経済短期大学などで非常勤講師

■目次

第1章 過労死・過労自殺の〈研究〉
 1 総理の過労死
 2 過労死の社会問題化
 3 原因は長時間労働か?
 4 過労死から過労自殺へ
 5 過労死・過労自殺と性格
 6 過労死の“輸出”?

第2章 過労死・過労自殺の〈心理〉
 1 強制と自発のあいだ
 2 他者への配慮――頼まれると断れない
 3 逃げられない状況――自分と周囲との関係
 4 責任の背負い込み
 5 罪責感と自責の念――自分を責める
 6 過労死・過労自殺の仕事観

第3章 過労死・過労自殺の〈職場〉
 1 仕事における人的要素
 2 気配りと助け合い
 3 柔軟な職務構造
 4 コンテクストと間柄

第4章 過労死・過労自殺と〈自分〉
 1 “失われた十年”
 2 職場集団性の回復は可能か?
 3 限定的な仕事を
 4 日本のなかの〈自分〉

あとがき

■引用
「このように電通事件の最高裁判決は、過労自殺にさいして本人の性格にも責任があるといういわゆる過失相殺の論理を厳しく退けた。だからといって、個人の性格と仕事との関係を考えることを避けてはいけない。管理者は「労働者の性格」を「考慮」すべきだというのであるから、どのような性格がどんな仕事ぶりにつながるのかは、管理者にとっても重要問題である。過労自殺を未然に防ごうとするならばなおさらだろう。
 ここで論すべき点はふたつある。まず、過労自殺と個人の性格や素質との関係をどう考えるかという点。もうひとつは、けっして異常な性格の結果として事件があるのではなく、「一般の社会人にしばしば見られる」しかも「積極的に評価」されている性格の人が被災者となっている点である。」(p.32)

「誤解を恐れずにいえば、過労死・過労自殺問題で解かなければならないのは、この性格論なのである。社会科学上の重要課題で、ここまではっきりと性格論が関係している事柄を、わたしはほかに知らない。性格論を仕事と職場のあり方のなかで読み解くことが必要なのである。」(p.35)

「もともと柔軟な職務構造では、各人の職務範囲や内容に重なりの部分が生じ、誰の担当かがはっきりしない領域が多い。柔軟さ(フレキシビリティ)とは、「曖昧性」をもった領域をつないでいく「人と人との間」のコーディネーションなのである。だからこそ、型にはまったフォーマルな職務ではなく、人柄や人格といわれるような人的要素が必要になる。このメランコリー親和型の配慮や責任は、私生活や雑務などのインフォーマルな領域へも際限なく広がっていく。こうして公私の区別なく自分の仕事が山積してくるなかで、限定的な自分を見失ってしまう。」(p.152)

■書評・紹介

◇鈴木 安名「大野正和著『過労死・過労自殺の心理と職場』」『大原社会問題研究所雑誌』No.543/2004.2  http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/543/543-09.pdf


*作成:橋口 昌治
UP:20080831 REV:
労働  ◇BOOK
 
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