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『妖精のささやき――子どもの心と「打たれ強さ」』

Cyrulnik, Brois 20030125 Le Murmure Des fantomes, Odile Jacob.
=20070815 塚原 史・後藤 美和子 訳,彩流社,261p.

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last update:20150409

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Cyrulnik, Brois 20030125 Le Murmure Des fantomes, Odile Jacob. =20070815 塚原 史・後藤 美和子 訳『妖精のささやき――子どもの心と「打たれ強さ」』,彩流社,261p. ISBN-10: 4779112605 ISBN-13: 978-4779112607 2500+ [amazon][kinokuniya]

■内容

どんな逆境にあっても人生をけっしてあきらめないために――。この書物は真の「希望」のメッセージである。

■著者略歴

フランスの精神科医・神経科医、比較行動学者、作家。1937年ボルドーで、ポーランド系ロシア人移民の子として生まれる。五歳のとき、両親がナチの強制収容所に移送され、 孤児院で育てられる。少年時代にファーブル『昆虫記』を読んで感銘を受け、生物学に関心を抱いて、パリ大学医学部で学ぶ。 その後、神経医学、精神分析、心理学、比較行動学など多岐に亘る分野で研究を続けながら、逆境に負けない「打たれ強さ」を説いて多くのベストセラーを執筆している。

■著者略歴

塚原史
1949年東京生まれ。早稲田大学法学部教授。早稲田大学政治経済学部卒業。京都大学大学院文学研究科フランス文学専攻修士課程修了。 フランス政府給費留学生としてパリ第三大学博士課程を経て、早稲田大学大学院文学研究科フランス文学専攻博士課程修了。

後藤美和子
1964年生まれ。詩人。早稲田大学、昭和女子大学等非常勤講師。早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科フランス文学専攻修士課程修了。 同大学院文学研究科フランス文学専攻博士課程単位取得。「ユリイカの新人」受賞(2002年)。

■目次

序論

第一部 ちびっこたち、あるいは絆づくりの年齢
1 驚きがなければ現実からは何も生まれない
2 雑巾の落下が恐ろしくなるとき
3 魔法の棒としての子どもたちの輪舞
4 こうして人は事物に言葉を語らせる
5 喪と鬱の結びつき
6 喪失の空白は破壊的な環境世界より精神を荒廃させるか?
7 打たれ強さの熾火に息を吹きこむと再び燃え上がることがある
8 虐待された子どもはなぜ虐待をくりかえすようになるのか?
9 エステルの悲しい幸福はそれでもやはりひとつの進歩だった
10 一六世紀スイスの浮浪児の打たれ強さ
11 彼らは愛されて希望を知ったから愛らしくなった
12 子どもたちに「あたえる権利」をあたえること
13 心の苦痛があった場合にしかトラウマについて語ることはできない
14 物語化は引き裂かれた自己の破片を縫い合わせてくれる
15 現実の刻印と思い出の探求
16 イメージの思い出が明確な場合、それを語るやり方は周辺世界に依存する
17 学校は文化が子ども時代に形成されるという考えを明らかにする
18 小学校に入った最初の日に、子どもはすでに情愛のスタイルを獲得し両親の先入観を身につけている
19 要塞家族は文化面での絶望に抵抗できる
20 街頭の浮浪児が文化による虐待に抵抗するとき
21 大人は子どもたちが子ども同士で自己形成をとげる能力を無視してきた
22 無言だが意味深い出会いは、打たれ強さの効果をもつことができる
23 子どもは両親を喜ばせるかあるいは両親から逃れるために学校に過剰に熱中することがある
24 自分の夢を内面の自由として信じること
25 他者から切り離された正当防衛は有害になりうる
26 家族と文化がその力をあたえるとき、学校は打たれ強さの要因となる
27 成人的傾向の子どもの奇妙な家庭
28 自由の代価としての病的な献身性、過剰な自己犠牲
29 自立を得るため、犠牲から自由になる

第二部 青い果実、またはセックスの年齢
1 語りは過去の再生ではない
2 すべての物語は世界の再構成のための道具である
3 もがき、夢見る
4 想像上の動物とファミリー・ロマンス
5 自分を立て直すために暗闇に形をあたえる、絶望の全能さ
6 自己についての本が現実を変える
7 打たれ強さの文字は、革命以上に自由に対して働きかける
8 世界をつくるために「ふり」をする
9 嘘は現実に対する城壁であり、虚言癖はボロ隠しの上着だ
10 フィクションは説明よりも、ずっと強い信念の力を持つ
11 物語の囚われ人
12 フィクションの修復力は現実を変えることができる
13 十二歳の古参兵
14 平和が恐るべきものになるとき
15 ヒーローを必要とする人びとに災いあれ
16 ヒーローを必要とする、傷ついた子どもの幸せに
17 高飛び込みダイバーの苦悩
18 いちばん頑強な者でも飛びこむのは怖い
19 正義の世界への信頼は打たれ強さの希望をあたえる
20 犠牲者を文化的スターにすることができるだろうか
21 凍えた子どもをどうやって暖めるか
22 虐待にもめげず、愛することを学ぶ
23 裂けた傷口を縫い合わせる
24 打たれ強さの熾火に息を吹きかけるのは文化の仕事だ
25 ものを考えないために危険を冒す
26 危険を冒すことへの文化的標識、イニシエーション
27 情愛の安定と社会的責任は、打たれ強さの第一要素だ

結論

原注
訳者後記

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:北村 健太郎
UP: 20150409 REV:
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