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『眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く』

Parker, Andrew 2003 In the Blink of an Eye: The Cause of the Most Dramatic Event in the History of Life,The Free Press,352p.
= 20060303 渡辺 政隆・今西 康子 訳,草思社,382p.

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last update:20150830

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■Parker, Andrew 2003 In the Blink of an Eye: The Cause of the Most Dramatic Event in the History of Life,The Free Press,352p.  = 20060303 渡辺 政隆・今西 康子 訳 『眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く』,草思社,382p.  ISBN-10: 4794214782 ISBN-13: 978-4794214782 2200+税  [amazon][kinokuniya]

■内容

ダーウィン、グールドをも悩ませた爆発的進化の原因とは?5億4300万年前、生命最初の「眼」がすべてを変えた。 生物はなぜ、突然、爆発的に進化したのか? そのカギをにぎる「光スイッチ」とは――。生命史最大の謎に迫る、驚きの新仮説。

■著者略歴

1967年英国生まれ。オーストラリア博物館研究員を経て、1999年から英国ロイヤルソサエティ大学特別研究員としてオクスフォード大学動物学科の研究リーダーに就任。 2005年からは英国自然史博物館動物学研究部研究リーダー。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■訳者略歴

渡辺 政隆
1955年生まれ。サイエンスライター、文部科学省科学技術政策研究所上席研究官。

今西 康子
1958年、神奈川県生まれ。NTTの健康管理所に勤務ののち、現在は翻訳業。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次

はじめに

第1章 進化のビッグバン
おなじみの生きものたち
進化と多様性
カンブリア紀の爆発とは
「生命全史」ダイジェスト
  第一部から第三部――熱いスープから原始の細胞が生まれた
  第四部と第五部――細胞核の出現と細胞の合体
  第六部から第八部――真の多細胞生物の出現
  第八部続き――エディアカラ動物の謎
  第九部――カンブリア紀の爆発
バージェス化石を発掘現場で見る
バージェス動物研究の一〇〇年
古生物学の至宝
カンブリア紀の爆発はなぜ起きたのか
これまでの説と、その反証
この本のあらまし

第2章 化石に生命を吹き込む
化石――過去への入り口
マンモスが残したもの
古い骨と新しい科学
活動している地球
太古の環境を推測する
古生物学――最初の法医学
生痕化石
骨に肉づけする
見えない化石の立体画像
道具を手にしてカンブリア紀へ

第3章 光明
光る昆虫標本
光のとらえ方――ヴィクトリア朝以前
ヴィクトリア時代の新たな好奇心
色素
進化の幕間に
彩色の目的――カムフラージュと自己顕示
光は形や動きにも影響する
構造色

第4章 夜のとばりにつつまれて
太陽の光のないところ
夜の地上
深海
洞窟

第5章 光、時間、進化
海のベークトビーンズ
生きた化石
物理の実験室で生まれた「回折格子」
スライドグラスの上で光る貝虫
発光のねらい――防犯、目くらまし、求愛
虹色のサクセスストーリー
自然界にもあった回折格子
空を向くハエ、地面を向くハエ
音を捨てて光をとったカニ
異彩を放つウミウシ

第6章 カンブリア紀に色彩はあったか
ピンク色の三葉虫の先には
アンモナイトは光沢を隠していた?
五〇〇〇万年の時をこえてきらめく甲虫
よみがえったバージェス動物の輝き

第7章 眼の謎を読み解く
「完璧にして複雑きわまりない器官」
光を感じることと見えることとは別
見るための光の入り口
  単眼
  複眼
祖先の眼
  コノドントの大きなカメラ眼
  バージェス動物の眼
  カンブリア紀のほかの動物の眼
三葉虫の眼

第8章 殺戮本能と眼
「生命の法則――あらゆる場所で生き延びるために」
眼と「生命の法則」
食べる側の眼、食べられる側の眼
剣と盾と刀傷
  カンブリア紀後の直接証拠
  再びカンブリア紀へ
最初の捕食者を求めて

第9章 生命史の大疑問への解答
世界を一変させた大進化
捕食も爆発の原因だったのか
進化の原動力としての視覚
「光スイッチ」説
カンブリア紀の爆発は適応までの混乱だった
なぜ視覚だけがスイッチになったのか
  ほかの感覚の小進化
  借用できた神経ネットワーク
  進化史からの証拠
  避けようのない光
  眼がもたらす新たな挑戦
五億四三〇〇万年前という意味

第10章 では、なぜ眼は生まれたのか
ひとつだけ答に窮した質問
再びシドニーの海岸で

訳者あとがき

■抜粋

 今を去ること5億4300万年前、今日見られる主要な動物グループのすべてが、いっせいに硬い殻を進化させ、それぞれ特有の形態をもつにいたった。 しかもそれは、地史的に見れば一瞬に等しい期間で起こった。これこそ、動物進化におけるビッグバン、史上もっとも劇的な出来事といってよいかもしれない。 では、この「カンブリア紀の爆発」と呼ばれる出来事を招来した起爆剤は、いったい何だったのか。
 この尋常ならざる爆発的進化を起こした原因については、これまでにさまざまな説が提唱されてきたが、納得のゆくものはなかった。いずれにも強力な反証が存在するのだ。 有力とされる説もくわしく検討してみると、どれもみな、進化史上の異なる出来事を説明する説ではありえても、カンブリア紀の爆発そのものの説明とはなっていないことがわかる。 早い話、進化のビッグバンで起きたことに関しては多くのことが書かれ、広く知れ渡っている一方で、それが起きた原因については皆目わかっていないというのが実情なのだ。 本書の目的は、カンブリア紀の爆発が起こった原因を解き明かすことにある。
 その原因を解き明かすにいたった物語を語るにあたっては、「謎」とか「手がかりを捜す」といった表現がぴったりである。 そう、この物語は、科学的犯罪捜査として語るにふさわしい話題なのだ。したがって本書はおのずと探偵小説の構成をとることになった。
 これまではぼくは、関心が赴くまま、また目前に立ちはだかる謎を解く必要上から、さまざまな研究分野に首を突っ込んできた。 歩んだ道は決して平坦な者ではなかったが、長い捜査の果てに姿を現したのが、カンブリア紀の謎だった。 謎をひとつひとつ解き明かす過程でおのずと証拠が集積され、最後に手にした答については、今もって反証の現れる兆しがない。 つまり、最後に残ったこの答こそが「真実」であると、ぼくは確信している。

■引用

■書評・紹介

■言及

◆郷原 信郎(ごうはら・のぶお) 20070120 『「法令遵守」が日本を滅ぼす』,新潮社(新潮新書),190p.  ISBN-10: 4106101971 ISBN-13: 978-4106101977 680+税  [amazon][kinokuniya]


*作成:北村 健太郎
UP:20150830 REV:
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