『国家・コーポラティズム・社会運動――制度と集合行動の比較政治学』
桐谷 仁 20021130 東信堂，446p.
last update:20111027
■桐谷 仁 20021130 『国家・コーポラティズム・社会運動――制度と集合行動の比較政治学』，東信堂，446p. ISBN-10:4887134649 ISBN-13:978-4887134645 \5670 [amazon]／[kinokuniya] ※ s03 e05 w01 wp l03
■内容
内容（「MARC」データベースより）
各種の組織間関係のあり方が、政治領域のある側面において、人々の政治行動にどのような形で影響を及ぼしているかを解明する。静岡大学の紀要に発表した論文の一部を大幅に加除・修正して再構成。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
桐谷 仁
1958年千葉県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業、同大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得。尚美学園短期大学、静岡大学法経短期大学部勤務を経て、現在、静岡大学人文学部法学科教授。専攻、政治学、比較政治学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき
序章
第一節 本書の課題
第二節 本書の分析視角
①制度概念
②国家――社会関係とコーポラティズム概念の再解釈
③集合行動――ストライキ行動と新社会運動
第三節 主要な論点
①国家‐政治社会‐市民社会――コーポラティズムと国家‐社会関係
②相対集権化と絶対集権化
③相対脱制度化・変易率と絶対脱制度化・変易率――制度変動
④促進・抑制・U字型・ハンプ型（逆U字型）――制度配置・制度変動と社会運動
第四節 本書の構成
①第一部 ネオ・コーポラティズムと国家‐社会関係
②第二部 ネオ・コーポラティズムとストライキ行動
③第三部 ネオ・コーポラティズムと新社会運動
注
第一部 ネオ・コーポラティズムと国家‐社会関係
第一章 国家‐社会関係とネオ・コーポラティズム
はじめに
第一節 国家対社会の二元論を越えて
①国家‐社会関係をめぐる論争
②ネオ・コーポラティズム論の問題提起
③社会の二重性――政治社会と市民社会
第二節 国家‐社会関係とネオ・コーポラティズム
①国家‐政治社会‐市民社会：A・ステパンの図式
②政治経済体制ないし社会経済レジーム
③アソシエーション（結社）の論理
第三節 組織間関係の配置としてのネオ・コーポラティズム
①影響力の論理
②組織間ネットワークへの埋め込み
③公的地位の問題と「アソシエーション」の論理
④調整型自主規制
第四節 ネオ・コーポラティズム体制下の緊張関係――アソシエーティブ・デモクラシー論の諸問題
①各種の民主主義形態との関係
②拒否権ポイント――否定的論理
第五節 ネオ・コーポラティズムと新旧社会運動
①利益媒介の制度的論理
②コンフリクトの形態――シュミッターの図式
③国家‐社会関係と新旧社会運動――本書の構図
おわりに
注
第二章 ネオ・コーポラティズム論の展開と比較コーポラティズム分析の新たな指標――相対・絶対集権化ならびに脱制度化・変易性
はじめに
第一節 ネオ・コーポラティズム指標をめぐる論争
第一項 政策形成への参加の制度化の度合
①社会民主主義政権の問題
②政権構成の問題
③所得政策への労組の参加度
④広範な経済策過程への労働の参加度
第二項 集権化と集中化をめぐる議論
①集権化と集中化の概念をめぐる問題提起
②論争点
③アイヴェルセン指標
④M・ゴールデン、M・ワレンシュタイン、P・ラングのGWL指標：ハーフィンダール指標の援用
⑤問題点
第三節 修正指標――相対的集権化と絶対的集権化：政治社会と市民社会との乖離
①相対集権化と絶対集権化
②意義
③各国の「多様性」
④デュアリズム――理論的含意（その一）
⑤インサイダー対アウトサイダー――理論的含意（その二）
⑥マクロ＝ミクロ・リンケージ――理論的含意（その三）
第四節 ネオ・コーポラティズム体制の制度変動：変易性と脱制度化の概念を中心に
①制度変動――制度配置の揺らぎ
②脱制度化と変易率
③軌道の「多様性」
④ストライキ行動と制度の不安定性
おわりに
注
第二部 ネオ・コーポラティズムとストライキ行動
第三章 制度問題とストライキ行動――行動論から新制度論へ
はじめに
第一節 行動論的視座
第一項 政治意識：心理中心的アプローチ
①制度的コンテクストとの関係
②イベント偏向――方法の問題
第二項 多元主義論――集団論あるいは圧力団体的アプローチ
①多元主義論への批判
第二節 各種の制度論的アプローチ
①制度概念の諸相
第一項 権力資源の動員――組織化・社会民主主義政権・選挙動員の問題
①資源動員・組織能力モデル――ティリー＝ショーター・モデルとブリット＝ゲール・モデル
②制度設定の問題――組織能力と政党の問題：D・スナイダー・モデル
③権力資源モデル：選挙動員と社会民主主義政党の存在――コルピー＆シャリフ・モデル
④問題点
第二項 ランク・アンド・ファイルの反乱と社会民主主義政党・エリートのジレンマ
①ランク・アンド・ファイルと反社会民主主義政党の問題――D・ヒッブス・モデル
②政治的要因の重要性
③ランク・アンド・ファイルの叛乱と反社会民主主義政党の存在
④問題点――反・社会民主主義型の労働者政党
第三節 ネオ・コーポラティズム論による解釈
①促進説から抑制説へ
②問題点
おわりに
注
第四章 ネオ・コーポラティズムとストライキ行動――修正モデルによる比較分析
はじめに
第一節 ストライキ行動の諸類型
第二節 相対・絶対集権化とストライキ行動――修正モデル（一）
①モデルの概要
②推定結果
第三節 制度変動とストライキ行動――修正モデル（二）
①脱制度化・変易率とスト行動との関係
②推定結果
おわりに
注
第三部 ネオ・コーポラティズムと新社会運動
第五章 政治的機会構造論と新社会運動論
はじめに
第一節 政治的機械構造論の展開
第一項 多元主義的アプローチへの批判
①多元主義とインプットの問題
②ハンプ型説の提起
③挑戦者の問題
④小括
第二項 政府能力の問題
①入力から出力へ
②政策アリーナの問題
③入力と出力との関連――H・キッチェルトの図式
④小括
第三項 プロテスト・サイクルと統治連合の問題
①プロテスト・サイクルの問題
②統治連合の問題
③政治体制との関係
④機会構造論と資源動員論の関係
第二節 新しい社会運動の「新しさ」
第一項 「新しさ」の根拠
①政治意識対構造変動――主観主義と客観主義の二元論
②制度的論理の必要性
第二項 国家‐社会関係の変容と争点の変化
①福祉国家――コーポラティズムの危機 H・キッチェルトの議論
②争点の変容：「ライフ・チャンス」
③生産対消費
④構造から制度へ
⑤国家‐社会関係と政治領域の再編：C・オッフェの議論
⑥新旧社会運動の区別
⑦階級連合論
おわりに
注
第六章 ネオ・コーポラティズムと新しい社会運動――自由民主主義体制と集合行動
はじめに
第一節 リベラル・デモクラシーと新しい社会運動
①運動の周期性と政治体制の時期区分
第二節 多元主義体制と新しい社会運動
①多元主義の制度的論理
②弁護論的多元主義とその批判
③多元主義のパラドックス：修正多元主義論
④小括
第三節 ネオ・コーポラティズム体制と新社会運動
①促進説
②抑制説
③帰無節（無関係説）
④ハンプ型
⑤U字型
おわりに
注
第七章 ネオ・コーポラティズム体制における政治的機会構造と新社会運動――代替的な修正モデルによる比較分析
はじめに
第一節 比較分析に向けて
①機会構造の再解釈
②政治‐制度的変数
③新社会運動の諸指標
第二節 コーポラティズム型制度編成の機会構造と新社会運動
第一項 説明モデルの概要――集権化と新社会運動
第二項 推定結果と解釈
①社会運動頻度
②新社会運動への相対参加度
第三節 制度変動の度合と新社会運動――コーポラティズム型制度編成の機会構造の変化
第一項 説明モデルの概要――制度変動：脱制度化と変易率と新社会運動
第二項 推定結果と解釈
①新社会運動の頻度
②新社会運動への相対参加度
おわりに
注
終章
はじめに
第一節 議論の総括
①制度配置と新旧社会運動――集権化との関係を中心に
②制度変動と新旧社会運動――脱制度化・変易率を中心に
③政治社会と市民社会の両アリーナの差異――制度の相対性と絶対性
第二節 既存のアプローチとの関連
第一項 旧来のコーポラティズム論との関係
第二項 各種のアプローチとの関係
①アクター対構造
②国家対社会：政治アリーナの問題
第三項 「社会」中心的アプローチ
①修正多元論
②階級闘争論
③権力資源論
④交叉階級連合論――階級同盟論との関係
第四項 国家中心的アプローチ
①国家の相対的自律性の問題
②国家論（ステイティスト）――国家介入の問題
第五項 体制変容と制度変動の問題
①コーポラティズム変容論との関係――分権化とマクロ＝ミクロ・リンケージの問題
②制度変動の問題
第六項 社会運動論――政治的機会構造論の再解釈とU字型説
①ミクロ的基礎づけについて
②多元主義論および連合論
③構造主義的アプローチ
④資源動員論
⑤政治的機会構造論の再解釈
第三節 今後の課題と展望――比較の問題を中心に
おわりに
注
あとがき
付録図表
主要文献リスト
索引
■引用
■書評・紹介
■言及
＊作成：樋口 也寸志