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『入門 公共経済学』

土居 丈朗 20021115 日本評論社,395p. 


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■土居 丈朗 20021115 『入門 公共経済学』,日本評論社,395p. ISBN-10: 4535552916 ISBN-13: 978-4535552913 2940 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

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内容(「BOOK」データベースより)
税金はどのように課税するのがよいか?公共投資はどう行えばよいか?実際の政策を直視しながら、公共経済学の理論が体系的に学べるテキスト。

内容(「MARC」データベースより)
税金はどのように課税するのがよいか? 公共投資はどう行えばよいか? 実際の政策を直視しながら、公共経済学の理論が体系的に学べるテキスト。『経済セミナー』連載をまとめる。

■著者紹介

土居丈朗[ドイタケロウ]
1970年奈良県生まれ。大阪大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。慶応義塾大学経済学部専任講師、助教授などを経て、現在、財務省財務総合政策研究所主任研究官、慶応義塾大学経済学部客員助教授。これまでに、内閣府経済社会総合研究所客員研究員、カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員、日本・東京商工会議所政策委員会委員などを務める

■目次

公共経済学とは何か
公共財の供給量を決める
税の望ましい徴収方法
 消費課税
 所得課税
法人税の意義
補助金の経済効果
公共料金の決め方
望ましい地方財政の姿
地方財政の分権化
公債の有効活用
年金制度の課題
効率的な公共投資のために
国際課税をどう行うか
地球環境問題
政策決定の政治的影響を考える

■引用

 「企業の利潤を蓄えて社宅という名目で家を企業が購入し、それを無料でその個人が借りるという形で、事実上の「自宅」に住んだとする。もし法人税がなければ、企業の利潤には課税されない。このとき、同じ自宅の購入資金でありながら、労働所得が元手ならば課税され、企業の利潤が元手ならば課税されないことになる。こうした状況に対して、法人税を課税することに意義を見いだせよう。」(土居[2002:148-149])
 「所得税では株式の値上がり益(キャピタル・ゲイン)に対して完全には課税できない場合も、法人税の意義を見いだせるかもしれない。[…]/未実現の値上り益を含んだ株式を担保にお金を借りて、消費することが可能だから、未実現といえども購買力を持っている。もし未実現の値上り益に所得税を課税できないならば、株式を担保にお金を借りて遺産を残さずすべて消費したが、未実現のまま(株式を売却しないで)生涯を終えた個人と、生涯を終える直前に値上りした株式を売却して実現した値上がり益に対する所得税を納税した個人とでは、生涯の消費量に差が出てしまう。値上り益を未実現にして税負担を将来に延期することができるなら、未実現の値上がり益を課税する代わりに、留保されている企業の利潤に対して法人税を課税する方法が考えられる。[…]
 個人には寿命があるが、企業は通常永続するものとされている差異を利用して、所得税の負担を繰り延べたり逃れたりする[…]。所得税だけでは同じ経済状態の個人に対して同じように課税ができないならば、法人税にもそれなりの意義が見だせよう。法人税の意義は、公共経済学の観点からは、必ずしも明確に見いだせるわけではないが、ここで述べた論点では、適切に課税すれば、限定的だがしかるべき意義があるといえる。」(土居[2002:149-150])

■言及

◆立岩 真也 2008-2009 「税制について」,『現代思想』 資料

◆立岩 真也 編 200908 『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社


UP:200906285 REV:
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