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『日本人という自画像――イデオロギーとしての「日本」再考』

ましこ ひでのり 20021010 三元社,200p.

last update:20110913

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ましこ ひでのり 20021010 『日本人という自画像――イデオロギーとしての「日本」再考』,三元社,200p. ISBN-10:4883031004 ISBN-13: 978-4883031009 \2415 [amazon][kinokuniya] ※ er

■内容

内容(「BOOK」データベースより)

「日本“文化/史”」のもつイデオロギーをあばきだし、死角にかくされた「想像の共同体」としての日本および多数派知識人の「整形された自画像」を、ラジカルかつ痛快に活写し、かつ脱構築する。

内容(「MARC」データベースより)

有史以来の連続性が自明視されてきた「日本〈文化・史〉」という枠組みを、マイノリティの視点から徹底的に解体し、「想像の共同体」としての日本社会および多数派知識人の「みにくい自画像」をラジカルに剔抉するエッセイ。

■目次

はじめに  007

序章 日本人という自画像 015
 1. 「なんじ自身をしれ」  015 
 2. 「日本人の自画像」? 019
 3. 「日本人の境界」? 021

1章 想像の共同体「日本」再考 027
 1. はじめに 027
 2. 国家論への熱意 028
 3. 「レコンキスタ」としてのナショナリズム  030 
   3.1. 「南方領土」問題としての沖縄返還  031
   3.2. 「北方領土問題」の本質  034
 4. 「〈日本人〉の境界」再考  036
 5. 〈日本人〉の「なかみ」 038
 6. 「日本列島=特殊空間」論の破綻  041
 7. 「国民史」「国語」教育のありかた再考  042

2章 帝国の幻影 047
       ――同化主義・排外主義・被害妄想
 1. 冷戦後アジアのふたつの帝国  047 
 2. 抑圧された帝国意識  048
 3. 国内少数派への帝国支配  052  
 4. のこされた議論  056

3章 日本人構築のための学術的研究  063
       ――戦後日本のオリエンタリスト点描 
 1. はじめに  063
 2. 「普通の日本人」イメージの構築のための蔑視/ノスタルジア と「多様性」
の統合  64
   2.1. 「民族国家日本」イメージの構築装置としての人文社会系諸学 064
   2.2. 「縄文人=原日本人」イメージの浮上や稲作文化論の洗練化 067
   2.3. 第一線官僚による「普通の日本人」の構築  069
 3. 「日本語」の構築と同化吸収圧力  071
   3.1. 「素材」としてのアイヌ文化  071
      3.1.1.アイヌ語の「フォーマット化」  072
      3.1.2.「アイヌ民族」の否定  076
   3.2. 「沖縄/先島諸方言」衰亡論という同化イデオロギー  078
   3.3. 同化装置としての、ろう児への口話教育  082
 4. 「洗練された自画像」と少数派抑圧のための「知的自爆テロ」  087
   4.1. アイヌ民族/沖縄人という「本質化」批判のケース  088
   4.2. 「沖縄人も加害者だ」という「知的自爆テロ」  092
 5. おわりに  094
 6. 日本人の構築のための学術研究【補論】  096
   6.1. 松本和良/江川直子編『アイヌ民族とエスニシティの社会学』  096
   6.2. 岡本智周『国民史の変貌』  101
   6.3. 三浦朱門編著『「歴史・公民」全教科書を検証する―教科書改善白書』
      勝岡寛次『韓国・中国「歴史教科書」を徹底批判する―歪曲された 対日関係史』 104
   6.4. 丸山隆司『〈アイヌ〉学の誕生』  105
   6.5. バートン,B.『日本の「境界」――前近代の国家・民族・文化』
      バートン,B.『国境の誕生――大宰府から見た日本の原形』  106
   6.6. スチュアート、 ヘンリほか『他者像としてのアイヌ民族イメージを  検証する』  110

4章 オリエンタリズムと観光立県オキナワ・序説 121
 1. はじめに:ツーリズム=観光業という「身分秩序」  121
   1.1. ノスタルジー=みがってな投影としての非日常の消費  121
   1.2. 貴族/ブルジョアのコピーとしての擬制的身分秩序の大衆化=普遍化  121
   1.3. オリエンタリスティックな「みおろした視線」による「観光」 122
   1.4. 「身分秩序」としてのオキナワ観光 122
 2. 大衆的知識のなかの「オキナワ」:構造的誤解という基盤上の 観光立県   123
   2.1. かたより、かぎられる大衆的イメージ(マクロ的産業構造/ミクロ 的 風景)  123
   2.2. 「ポスト・コロニアル」な空間としての、「楽園オキナワ」  124
   2.3. パンフレットのコピーの記号学的分析  125
 3. 観光植民地としての普遍性  127
   3.1. 「無国籍」化  127
   3.2. 「現地の生活」の消失  128
   3.3. オリエンタリズムとしての現地女性の「性的対象(femme objet)化」  129
 4. 観光商品としての「創られた伝統」と「てつかずの自然」  131
   4.1. 国民国家の装置としての「創られた伝統」  131
   4.2. アイデンティティ形成装置としての「創られた伝統」  134
   4.3. 観光商品としての「てつかずの自然」:エコ・ツーリズム再考  136
 5. おわりに  139
 補論:ヤギ食文化の危機をめぐって  140

5章 イデオロギーとしての「日本」再考 151
       ――歴史=記憶/結果責任/国民文化:2001年という画期をふりかえ る
 1. 権力の責任と「免罪史観」  151
 2. 「日本通史」「日本文化」という構築物  153
 3. 歴史教科書業界というレジーム(体制)  156
 4. 公教育と国民国家  159
 5. 「非暴力主義」という知的抑圧装置  162
 6. 琉球列島の地政学1  165
 7. 琉球列島の地政学2  168
 8. 「知のグレシャムの法則」に無策な知識人  171
 9. 「のろい」としての大和魂  174


参考文献  180
索引  189
あとがき  194

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:永橋 徳馬
UP: 20110913 REV:
民族・エスニシティ・人種(race)… 身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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