『民族という虚構』
小坂井 敏晶 20021010 東京大学出版会,205p.
■小坂井 敏晶 20021010 『民族という虚構』,慶應義塾大学出版会,315p. ISBN-10: 4130100890 ISBN-13: 4130100890 \3360 [amazon] er
■内容(「BOOK」データベースより)
民族という虚構から開かれた共同体へ。異邦人や少数者の存在こそが人間の同一性を生み出す源泉をなす―パリ在住社会心理学者の考察。
■内容(「MARC」データベースより)
民族は虚構に支えられた現象である、という視点にたち、民族の同一性という考えを生み出す社会的・心理的なしくみを分析。虚構と現実を結び付けているシステムを考察したうえで、開かれた共同体概念の構築を試みる。
■著者紹介
小坂井 敏晶(こざかい・としあき)
1956年 愛知県生まれ
1994年 フランス国立社会科学高等研究院修了
現在 パリ第八大学心理学部助教授
■目次
はじめに
第1章 民族の虚構性
民族と人種
人種概念を支える詭弁
民族とは何か
民族対立の原因
差別の正体
第2章 民族同一性のからくり
民族は実体か
血縁神話
血縁の意味
常に変化する文化
心理現象としての同一性
第3章 虚構と現実
捏造される現実
無根拠からの出発
社会の自律運動
疎外が可能にする自由
第4章 物語としての記憶
自己同一性と記憶
自律幻想
個人主義の陥穽
脳という虚構作成装置
意識という物語
集団的記憶の在処
歴史解釈の相対性
歪曲の心理過程
事実とは何か
真理と確信
第5章 共同体の絆
集団的責任の心理
契約としての集団的責任
契約とは何か
社会契約論の敗北
個人主義と全体主義の共犯関係
個人と社会の関係をどう捉えるか
第6章 開かれた共同体概念を求めて
多民族・多文化主義の陥穽
国民形成を妨げる要因
日本文化の免疫システム
集団同一性の変化
影響の新しい見方
影響と創造
何が問題なのか
あとがき
■引用
■書評
■言及
*作成:石田 智恵