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『映像コンテンツ産業論』

菅谷 実・中村 清編 磯本 典章・内山 隆・各務 洋子・越川 洋・鷹野 宏行・只野 哲・西岡 洋子・松岡 宏康・山田 徳彦・湧口 清隆共著 20020930 丸善 298p ISBN-10: 4621070983


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■目次
第1章 映画産業の基本構造
1.1  ハリウッド映画
1.1.1 ハリウッド映画とは
1.1.2 ハリウッド映画と市場構造
1.2  映画産業の基本構造
1.2.1 プレ・プロダクション
    (1) アイデアの発掘
    (2) 脚本開発
    (3) キャスティング
    (4) 映像化の為の準備作業
    (5) 制作費予算化と資金調達
1.2.2 プロダクション
    (1) スタジオのエグゼクティブ
    (2) プロデューサー
    (3) 監督
1.2.3 ポスト・プロダクション
1.2.4 ウィンドウ戦略
    (1) 劇場公開:劇場上映権
    (2) ビデオ権
    (3) 放送権
    (4) 北米と北米以外
1.3  映画制作と政府
1.3.1 制作レベル
   (1) プレプロダクション
   (2) プロダクション
   (3) ポストプロダクション
1.3.2 流通レベル
1.3.3 上映レベル
参考文献

第2章 映画産業の発達
2.1  ハリウッド前史
2.1.1 映画の誕生
2.1.2 配給業の形成とトラストの結成
2.2  ハリウッドの勃興と全盛
2.2.1 映画の新天地ハリウッド
2.2.2 大手映画会社の形成
2.2.3 スター・システムとスタジオの時代
2.2.4 寡占システム
2.3  スタジオシステムの崩壊
2.3.1 パラマウント同意判決
2.3.2 ハリウッド映画を取り巻く社会的な変化
2.3.3 スタジオシステムの崩壊
2.3.4 テレビの登場とその影響
2.4  ハリウッドの復権
2.4.1 模索
2.4.2 復活
2.4.3 劇場運営の変化と公開の多様化
2.5  グローバルメディアとハリウッド
参考文献
参考URL

第3章 アメリカのメディア産業における競争と統合
3.1  アメリカのメディア産業の特性
3.1.1 メディアの特性における3つの側面
3.1.2 メディア産業におけるコンテンツの経済的本質
3.2  メディア産業を統合に向かわせるプレーヤー
3.2.1 所有形態のタイプ
   (1) 水平的統合
   (2) 垂直的統合
3.3  メディア産業における競争と統合の関係
3.3.1 地域的競争の決定要因
3.3.2 新技術、消費者行動、メディア市場
3.3.3 多元的価値の枠組
   (1) 経済的側面―シカゴ学派
   (2) 社会的・政治的枠組
3.4  アメリカのメディア産業の集中度
3.5  新世代の統合メディアとビジネス
参考文献

第4章 欧州政府と映画振興制作
4.1  ハリウッドの競争優位・欧州の劣競争優位の歴史
4.1.1 第一の転機―第一次世界大戦― 4.1.2 欧州における政治介入の始まり
4.1.3 アメリカ経営近代化の流れ
4.1.4 第二次世界大戦後
4.1.5 テレビという新しいメディアの出現
4.1.6 テレビと協調したハリウッド、しなかった欧州
4.1.7 米欧間の政治対立―GATTウルグアイ・ラウンド―
4.1.8 より商業的成功を目指して
4.2  政府介入の根拠
4.2.1 文化・芸術財の特性と映画産業の米欧競争力格差
   (1) 【売れるかどうか誰にもわからない】財(Nobody Know特性)
   (2) 【劇作家は創作に生きる】(Art for Art'Sake特性)
   (3) 【多様な技能の寄せ集め】が必要な財(Motley Crew特性)
   (4)  水平的差別化された財の【無限多様性】(Infinite Variety特性)
   (5) 【ランク付けされた技能】(A list/B list特性)
   (6)  お金以上に【時間の制約】が作用する財(Time flies特性)
   (7) 耐久性(ars longa特性)
4.2.2 政府介入の経済的根拠―一般的な指摘―
4.2.3 欧州の行動の考察
   (1) 前提
   (2) 欧州のジレンマ
   (3) アメリカとの競争格差
4.3  政府による産業振興政策の手法
4.3.1 政策組織
4.3.2 振興政策手法
   (1) 映画投資に対する優遇税制(投資促進)
   (2) 自動補助金
   (3) 選択補助金
   (4) テレビ局の映画投資義務
   (5) 映画融資を行う金融機関、債務保証を行う金融機関
   (6) 映画祭の開催
   (7) 国家教育機関
4.4  まとめ
参考文献

第5章 フランスの映画産業
5.1  「フランス映画」の虚像と実像
5.1.1 「フランス映画」のイメージ
5.1.2 芸術性と商業性の葛藤
5.1.3 政府の役割
5.2  映画・視聴覚産業支援のための特別会計制度
5.2.1 制度的枠組み
5.2.2 制度的特徴
5.2.3 市場の変化と今度の方向
5.3  映画産業の構造
5.3.1 制作
5.3.2 配給と興行
5.3.3 作品の二次利用
5.4  フランス型システム
5.4.1 フランス型システムの成果と限界
5.4.2 日本への示唆
謝辞
参考文献

第6章 イギリスの映画振興政策
6.1  ブリティッシュ映画の市場ポジション、政策スタンス
6.2  政策概史
6.2.1 70年代
6.2.2 サッチャー/メージャー保守政権の政策
   (1) 直接補助金の廃止
   (2) 政府補助金に代わりテレビ局が提供する映画制作資金
   (3) 映画投資による優遇税制の見直し
   (4) 政策関連組織
6.3  ブレア労働党政権の振興政策
6.3.1 政策組織の整備
6.3.2 フィルム・カウンシルの政策
   (1) 統合戦略「持続あるイギリスの映画産業(Sustainable UK film Industry)」
   (2) フィルム・カウンシルによる映像支援政策
6.3.3 BFIの活動
6.4  テレビ局の貢献
6.4.1 CHANNEL4
   (1) CHANNEL4の設立背景
   (2) CHANNEL4の組織使命とオペレーション
6.4.2 他の放送局による映画投資
6.4.3 映画をテレビで放送する場合の(自主)規制
6.5  まとめ
参考文献

第7章 フィルムファイナンスの新展開
7.1  はじめに
7.2  継続企業のファイナンスとプロジェクトのファイナンス
7.3  フィルムファイナンスの類型
   (1) 単独出資型
   (2) 共同出資型
   (3) 公募出資型
7.4  エンタテインメントファンドの構成
   (1) ときめきメモリアルのケース
   (2) ジャパンデジタルコンテンツのケース
7.5  ファンドの諸形態
   @ 民法上の任意組合
   A 商法上の匿名組合
   B 中小企業等投資事業組合法に基づく有限責任組合 7.6  過去の映像資産の流動化に伴うファイナンス
7.7  課題と展望
参考文献

第8章 映画産業と産業・地域政策
8.1  映画産業における政府・企業関係論
8.1.1 中央政府の映画産業支援
8.1.2 地方政府とフィルムコミッション 8.2  各国のフィルム・コミッション(事例研究)
8.2.1 アメリカ・カリフォルニア州
8.2.2 アメリカ・ハワイ州
8.2.3 アメリカのフィルム・コミッション活動
8.2.4 イギリス
8.2.5 日本
8.3  公共政策としての映画振興政策
参考文献

第9章 デジタルシネマの到来
9.1  映画における技術革新の歴史
9.1.1 制作段階
   ・映画表現に関する技術
9.1.2 上映における技術革新
   (1)上映に関する技術
   (2)視聴形態に関する技術
9.2  デジタルシネマによる映画の変容
9.2.1 映画ビジネスのプロセス
9.2.2 制作段階
   (1) 映画表現に関する技術
     デジタルカメラによる実写
     フィルムによる実写とCGによる補完
     フルCG映画
   (2) 作業手順に関する技術
9.2.3 配給段階
   ・ネットワークによる配信
9.2.4 上映段階
   (1) 上映に関する技術
   (2) 視聴形態に関する技術
9.3  デジタルシネマの到来がもたらすもの
   (1) デジタルシネマがもたらす影響
   (2) デジタルシネマ普及のための課題
参考文献

第10章 ハリウッドビジネスとアメリカの法律
10.1  はじめに
10.2  映画製作の過程
    (1) 企画段階
    (2) 制作準備段階
    (3) 制作段階
10.3  タレント契約
    (1) タレント
    (2) ギルドとユニオン
    (3) クレジット
    (4) オプション条項
    (5) ペイ・オア・プレイ条項
10.4  映画製作における契約
    (1) 契約の成立
    (2) 対価
    (3) 詐欺防止法
    (4) 口頭証拠法則
    (5) 明確性の要件
    (6) 契約解除
    (7) 後発的な実行不能
    (8) 損害賠償
    (9) 特定履行
    (10) 差止命令
10.5  ファイナンシング
10.6  映画の収益分配
    (1) 興行収入
    (2) 純利益
    (3) タレントの利益配分
    (4) バック・ワイルド事件
10.7  エージェンシーとマネージャーと弁護士
10.8  著作権
10.8.1 著作権法
10.8.2 アイディアの保護
10.9  ビデオ化契約
10.10  映画のテレビ放映契約
10.11  まとめ
参考文献

第11章 ハリウッド映画と日本の映像市場
11.1  はじめに
11.2  日本の映画興行市場とハリウッド映画
11.2.1 邦画の衰退とハリウッド映画の興隆
11.2.2 国内の流通構造
11.3  日本のテレビ市場とハリウッド映画
11.3.1 放送番組ソフトとしての映画
11.3.2 ペイテレビの系譜
11.3.3 衛星/デジタル放送の登場とPPV
11.4  日本のビデオ市場とハリウッド映画
11.4.1 巨大な二次市場の誕生
11.4.2 ビデオ市場形成の軌跡
11.5  まとめ
参考文献

第12章 映画コンテンツの供給とその経済的接近
12.1  映画コンテンツの経済的特性
12.2  映画の需要構造
12.2.1 映画の収益構造とヒット作品の構造
12.2.2 映画の供給とその戦略経営
12.2.3 映画の需要と滝型情報伝達
12.3  映画に対する選好と不確実性
12.4  映像コンテンツの供給と”費用病”
12.5  映画とウィンドウ戦略
12.5.1 映画コンテンツのウィンドウ戦略
12.5.2 ウィンドウ戦略と映画制作への影響
12.6  ウィンドウ戦略と異時点間差別価格
12.6.1 ウィンドウ戦略とその経済的意義
12.6.2 異時点間差別価格の理論的枠組み
参考文献

本書先般に関する基本文献
索引


■コメント
文化・芸術財の特性、映画コンテンツの経済的特性の議論の導入部
 上述の歴史的変遷で明確なことのひとつに、欧州は、「映画サービスは文化・芸術財の部分集合である」という前提をおいていることがある。実際、欧州政府 の映画に対する接し方は、肺・カルチャー(絵画、彫刻、文学、クラシック、オペラなど)と分類されるものと同じといわれる。(4-2-1, pp.94-95)

 芸術的なセンスを求められる映画制作はまさに「創造的活動」(creative activities)と呼ぶに相応しい。それだけに映画は大量生産される一般的な消費財とは非常に異なった経済特性を持ち、またそうした経済特性が映画 産業の市場構造や市場行動に多大な影響をあたえている。(12.1, pp.261-262)

ともに以下の書籍を参照
Richard E. Caves, Creative Industries: Contracts between Art and Commerce, Harvard University Press, 2000, 464p, ISBN 10: 0674001648
Harvard University PressのHP
http://www.hup.harvard.edu/catalog/CAVCRE.html


UP:20080313 作成:篠木 涼 
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