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『操作される生命――科学的言説の政治学』

林 真理 20020915 NTT出版,329p.


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■林 真理 20020915 『操作される生命――科学的言説の政治学』,NTT出版,329p. ISBN-10:4757160089 ISBN-13: 978-4757160088 \2940 [amazon][kinokuniya] ※ r01

■内容(「BOOK」データベースより)
生命倫理と法的規制は歯止めとなるのか?脳死移植技術、補助生殖技術、ヒトクローン技術…「社会的合意」のもとにテクノロジーが受容される解釈の歴史をたどる。

■内容(「MARC」データベースより)
脳死移植技術、補助生殖技術、ヒトクローン技術…。生命倫理と法的規制は歯止めとなるのか? 「社会的合意」のもとにテクノロジーが受容される解釈の歴史をたどる。

■目次

序章 問題の構造とは何か
第1章 読み替えられる問題―脳死移植技術
脳死移植はなぜ「問題」となったか
科学的「事実」による「客観的」解決
「社会的合意」問題の解決
自己決定概念の拡張と尊重

第2章 変わりゆく解釈―補助生殖技術
補助生殖技術への道程―不妊の医療化
拡張された治療パラダイム
生殖権パラダイムの登場

第3章 禁止は歯止めになるのか―ヒトクローン技術
「いつかは可能になる」技術
「可能性」論議と問題の「発見」
歯止めの倫理、進む研究

第4章 生命科学・技術はどこへ行くのか―科学論の立場から
意思決定はいかに下されるのか
倫理学的言説はいかに機能するか
価値観の創造とテクノロジーの創造

■引用

■書評・紹介
◇評者・金森修(東京大学教授)/読売新聞 20021110

 タイトルが、若干誤解を与える可能性があると思う。一般に生命操作をめぐる危機感を奉じる文献なら、すでに山ほど存在する。確かに林さんが話題にのせているのは、臓器移植、生殖補助医療、クローンなどであり、それだけを見ると主題的にもその危機意識の伝統にのっているようにも思える。だが、この本の最大の特徴は、それらの個別的問題についての意見を述べることではなく、それらの重要な問題が論じられてきたその枠組み自体に目を向けて、その成り立ちを分析することである。
 そのとき、それら互いに若干異なる話題を通底する構図が見えてくる。それは、技術がもつある種の自己拡大的な存在様式のことだ。ある問題を解決できると、今度はその周辺の問題ではなかったものまでを問題に仕立て上げ、解決の対象にしようとする。技術にはそんな性質がある。現代科学論も、いよいよ外国産の紹介から抜け出て、自前の業績を積み上げる時期がきたようだ。

■言及



*作成:櫻井 浩子 
UP:20080819 REV:20080902
産・生  ◇臓器移植/脳死  ◇身体×世界:関連書籍 2000-2004  ◇BOOK
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