『管理職層の人的資源管理――労働市場論的アプローチ』
八代 充史 20020830 有斐閣,255p.
■八代 充史 20020830 『管理職層の人的資源管理――労働市場論的アプローチ』,有斐閣,255p. ISBN-10: 4641161593 ISBN-13: 978-4641161597 ¥3465 [amazon]/[kinokuniya] w0106
■内容(「MARC」データベースより)
ホワイトカラーの中でも特に管理職層を対象とし、丹念な一次調査や聴き取りにより、雇用と賃金などの決定の実態を労働市場論的アプローチによって解明。重層的キャリア形成の実態を明らかにする。
■ 目次
序 章 本書の目的と方法
第1部 管理職層の人的構成
第1章 管理職層と職能資格制度
第2章 「役職につかない管理職」の増大と企業の対応
第3章 管理職層の仕事とその専門性
第4章 中途採用者と出向・転籍者
第2部 ホワイトカラー・管理職層と「異動の力学」
第5章 ホワイトカラー・管理職層の異動と昇進
第6章 ホワイトカラー・管理職層の昇進選抜と人事部門の機能
第7章 ホワイトカラーの異動・昇進とライン管理職
第3部 ホワイトカラー・管理職層の国際比較
第8章 金融機関における人的資源管理の日英比較
第9章 製薬業界における賃金制度の日本企業,外資系企業比較
終 章 これからの管理職層の人的資源管理
――日本型ファスト・トラックと個人選択型人事制度
■引用
「こうした職能資格制度の長所は、従業員の能力伸張をきめ細かく処遇に反映できるので、企業内の人材育成に適していることである。また仕事と賃金とが切り離されているため,企業内労働力の柔軟性を確保できることもその長所である。反面,その短所は,以下の2点である。
第1は,職能資格制度はストックとしての能力で処遇が決められるため労働生産性に対して賃金の過剰支払いとなりやすく,管理職待遇で明確な仕事を持たない「役職につかない管理職」が増大すること(第2章参照)である。第2に,それは「企業内労働市場の値付け」であり,「外部労働市場の値付け」には必ずしも適合的ではない(第4章参照)。」(p.201)
*作成:橋口 昌治