『資源化する人体』
粥川 準二 20020720 現代書館,FOR BEGINNERS SCIENCE,174p.
■粥川 準二 20020720 『資源化する人体』,現代書館,FOR BEGINNERS SCIENCE,174p. ISBN-10: 4768412092 ISBN-13: 978-4768412091 [amazon]/[kinokuniya] ※ c.19
■広告
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
国家の強制や社会の向上のためではなく、個人の幸福追求や「自己決定」による選択だとする「新優生思想」でヒトの未来はどうなるのか。
内容(「MARC」データベースより)
バイオテクノロジーの三つの技術革新、体細胞クローン動物の誕生、身体のどんな細胞にもなるES細胞の樹立、ヒトゲノム塩基配列の決定について解説。商品化する人体とバイオビジネスを考える。
■目次
はじめに “バイオの世紀”がやってきた
第1章 ヒトゲノム解析
第2章 クローン技術
第3章 ES細胞
第4章 生殖技術
第5章 遺伝子治療
第6章 人体資源化と新優生学
■200207 粥川さんより書評・紹介・言及
粥川準二@フリーランスライターです。
たいへんごぶさたしています。
このMLは仕事等で知り合ったマスコミおよびアカデミズムの関係者の皆様にBCCでお
送りしています。
重複して受け取られる方はご容赦ください。転載歓迎です。
7月5日ぐらいから、僕の新刊『フォービギナーズ 資源化する人体』(現代書館)が書
店に並び始めました。ヒトゲノム解析、クローン技術、再生医療など、昨今注目されてい
るバイオテクノロジーの諸問題を短い項目ごとに、イラストを添えて解説した本です。イ
ラストレーターのあべゆきえさんとの共著なのですが、テキストはすべて僕が書いたので
、事実上、僕の2冊目の単著といってもいいでしょう。
2001年7月に刊行したデビュー作『人体バイオテクノロジー』(宝島社新書)は、『朝日
新聞』や『週刊読書人』など数多くの媒体で好意的に紹介されたのですが、同時に「難し
くてさっぱりわからない」という感想も数多くいただきました。確かにバイオテクノロジ
ーの問題を論じるさいには、どうしても多くの専門用語を使う必要があります。
しかしバイオテクノロジーはすべての人に関係する問題です。病気になれば、先端医療の
恩恵にあずかる可能性は高いし、そのさいに採取された血液が遺伝子解析研究にまわされ
ることもありえます。患者になるにせよ、人体材料の供給源になるにせよ、無関係の人な
どありえないのです。
であるとするならば、わかりやすい「入門書」や「図解本」が必要になります。実は僕は
、世の中に出回っている「入門書」の類のあり方に大きな疑問を持っています。わかりや
すい本を書くことは、実は簡単です。情報量を少なくすればいいのです。難しいことを書
かなければいいのです。そして重要なことはしばしば難しいことでもあるのです。バイオ
テクノロジーについても数多くの入門書が刊行されていますが、その多くは、バイオテク
ノロジーが抱える問題を伝えてはいません。
わかりやすく、かつ、重要なことをきちんと伝えること。これが本書を書くうえでの最も
大きな目標でした。幸いにも、イラストレーターのあべゆきえさんはすでに、この老舗入
門書シリーズ「FOR BEGINNERS」で、『遺伝子組み換え(食物編)』と『遺伝子組み換え動
物』、『遺伝子組み換え(イネ編)』を天笠啓祐氏(僕のインフォーマルな師の1人)と
組んで仕上げた経験があったので、絵の正確さに関しては何も問題がありませんでした。
僕の意図が伝わらないというストレスはゼロ。仕上がりは僕の予想を上回っていました。
内容は前作『人体バイオテクノロジー』と大きく重複していますが、同書では論じきれな
かった生殖技術や遺伝子治療についても触れることができました。また、クローン技術や
ES細胞についても、その後の情報をできる限り組み込みました。
ご興味を持っていただけたら、ぜひ、書店もしくはウェブ書店にてご購入いただけたら幸
いです。
bk1
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3d2649c29d1d601004aa?aid=p-tateiwa25066&bibid=02195666&volno=0000
なお筆者はホームページ(http://www.jca.apc.org/~kayukawa)でもこの問題を論じ続け
るつもりです。時間のあるときにお立ち寄り下さい。
また、7月8日(月)、メールマガジン「粥川準二の科学ニュース&レヴュー」を創刊し
ました。ホームページから登録していただければ幸いです。もちろん無料です。
それでは今後ともよろしくお願いします。
目次
はじめに バイオの世紀がやってきた
第1章 ヒトゲノム解析
第2章 クローン技術
第3章 ES細胞
第4章 生殖医療
第5章 遺伝子治療
第6章 新しい優生思想と人体の資源化
ブックガイド
あとがき
現代書館
http://www.gendaishokan.co.jp/index.htm
***************************************
HP : http://www.jca.apc.org/~kayukawa/
日誌 : http://www2.diary.ne.jp/user/91038/
***************************************
■書評・紹介・言及
◆立岩 真也 2013 『私的所有論 第2版』,生活書院・文庫版