HOME > BOOK >

『ベ平連』(鶴見良行著作集2)

鶴見 良行 20020610 みすず書房,426p.

Tweet
last update: 20180327

このHP経由で購入すると寄付されます


■鶴見 良行 20020610 『ベ平連』(鶴見良行著作集2),みすず書房,426p. ISBN-10: 4622038129 ISBN-13: 978-4622038122 [amazon][kinokuniya] sm02, i/1vie, beh


■内容

amazonより

「1965年春。著者はベトナム反戦運動「ベ平連」に参加する。国家を、知識人を、アメリカを、アジアをラディカルに問う、その実践=思考は、今こそ新しく、重要なのだ。匿名時評も併収する一冊。 」(「BOOK」データベースより)

kinokuniyaより

出版社内容情報

1960年代後半から70年代半ばにかけ、ベトナム反戦運動に力を尽くした著者は、この「闘争の時代」に行動し、思索を深めた。本巻は、今なお生々しい評論の精華である。

1965年、アメリカ・ハーバード大学でのセミナー参加と前後して、「ベ平連」(ベトナムに平和を! 市民連合)での精力的な活動が開始される。それは国家や政治、反戦運動をめぐるラディカルな問題提起だった。

当時の膨大な文章群から、第一評論集『反権力の思想と行動』に収録された諸論考に、「朝日ジャーナル」誌に毎週のように発表した世相を鋭利に観察する匿名時評「今週の社会観察」40数編を、編者が選び抜いて加えた貴重なドキュメント集。

〈9・11〉以後の状況のなかで、更に新鮮な意義を持つ所以を説得的に論じる吉川氏の力作解説と併せ、今こそ読まれるべき一冊である。


鶴見良行(つるみ・よしゆき)

1926年、米国カリフォルニア州ロスアンゼルスで生まれる。外交官の父の仕事にともない、ワシントン、東京、ポートランド、ハルビンを転々とする。水戸で高校時代を送る。23歳で「思想の科学」誌の編集に関わり、1965年39歳のとき「ベトナムに平和を! 市民連合」発足に関わる。台湾、香港、ヴェトナム、ヨーロッパを旅行。初めてのアジア行。以降、頻繁にアジアを旅行し、また継続的に著作を発表。85年60歳、周防大島、北海道、神戸、九州でエビ、ナマコの調査。94年、69歳の年にココス島を三度にわたって調査。『ココス島奇譚』執筆中に急逝。


■目次

T 日本国民としての断念 エッセイ1966-73
 国家権力と知識人の政治参加
 新しい世界と思想の要請 日米市民会議の意味
 ハワード・ジンの人と思想
 新しい連帯の思想 国家権力のかなたに
 「志」の女――ジョーン・バエズ 消費者型愛好者に抗して
 戦争とアメリカの若者たち
 戦争と女子供たち
 「8月15日」の復権のために
 日本国民としての断念 「国家」の克服をいかに平和運動へ結集するか
 失われた対話の行方
 信頼感の欠如を埋めるために
 米国ニュー・レフトとの対話
 アメリカの反戦運動と革命
 ある非日常的日常の視点 ひとつの運動のなかで女性はどのように変わっていくか
 私の創憲論 一試論としての少数意見
 市民運動と沖縄 70年闘争の中で位置づければ
 夜明けのために
 権力と学生の落差 「大学法」強行成立に思う
 1970年とベ平連 統一についての私的覚え書き
 日本のポピュラー界を推進する力 ヤング・パワーについて
 『反権力の思想と行動』(盛田書店版)あとがき
 解くことと開くこと 米軍事裁判に介入する日本人
 “右”からの状況先取り 三島由紀夫の死に
 根としての市民集団 ととのい終えた旅立ちのために
 「冬」のアメリカ人
 ベトナム秘密文書の意味するもの
 8月15日から消えたアジア
 米軍兵士による軍隊告発の書 マーク・レーン『人間の崩壊』解説
 ならず者の人間回復
 日本とアジアの8月15日
 ベトナム平和の不安
 教師としてのベトナム戦争
 アジアにみる軍国主義の周辺 歪んだ社会に苦しむ人間たち
 “知識”の心 ウォーターゲート事件の意味
 
U 今週の社会観察 匿名時評(眺)の時代 1966−71
 
V 本を読む 書評1970-72 
 竹内好『状況的 対談集』
 清水知久『アメリカ・インディアン 「発見」からレッド・パワーまで』
 小中陽太郎『私のなかのベトナム戦争』
 小田実との対話『世直しの倫理と論理』
 
解説 政治参加とアジア研究と (吉川 勇一)
 
解題
索引

■引用

「だが、その終末のなかから再生したニュー・レフトのイデオロギーは、かれらの縦のたたかいが横の連帯と連動していることを発見した。黒人の解放闘争は、決してベトナム人民の支援の闘争ではなく、ベトナム人民の闘争もまた黒人を支援するだけのものではない。両者のあいだには、潜在的な等質性がある。おそらく、日本におけるベトナム反戦運動や沖縄解放運動もまた、ベトナム人民のたたかいとの間に潜在的同質性をもっているにちがいない。なぜなら、現実の内戦として出発したベトナム戦争がさらに発展して米中戦争にいたるならば、われわれもまた大国の介入をふくむ内戦におちいることは明らかであって、かれらの現実の内戦とわれわれの潜在的な内戦とのあいだには等質性があるのだ。  こうした人民の闘争相互のあいだに潜在的な連帯の可能性があるということは、国家権力相互間の結合従属関係がすでに進行しているからにちがいない。おそらく、国家権力に先行し、しかも、われわれ自身の思考のなかの国境の壁があまりに厚いために、われわれはこの潜在的な可能性の発掘に十分に成功していないのだ。  21年前にわれわれ日本人は非武装の平和国家として、100年後の予言者となることを誓った。おそらくこうした理想は、すでに潜在的に存在する等質的連帯の可能性を注意深く発掘し、それを行動の起点とするのでなければ実現しないだろう。逆にユートピア的な平和をまじめに希求する心が、われわれをこの発掘作業にとりかからせるということもある」(61−62)

■書評・紹介

■言及



*作成:大野 光明
UP: 20110626 REV: 20180327
社会運動/社会運動史  ◇ベトナム  ◇ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)  ◇BOOK
TOP HOME (http://www.arsvi.com)