『医療財源論――ヨーロッパの選択』
Saltman, Richard B. ; Busse, Reinhard; Mossialos, Elias 20020401 Regulating Entrepreneurial Behaviour in European Health Care Systems, Open Univ Pr, 224p. ＝20041020 一圓 光彌 監訳, 光生館，331p.
■Saltman, Richard B. ; Busse, Reinhard; Mossialos, Elias 20020401 Regulating Entrepreneurial Behaviour in European Health Care Systems, Open Univ Pr, 224p. ＝20041020 一圓 光彌 監訳 『医療財源論――ヨーロッパの選択』，光生館，331p. ISBN-10: 4332600754 ISBN-13: 9784332600756 [amazon]／［kinokuniya］ ※ ms
■内容
医療財源調達の方法と、それぞれの調達方法やその組み合わせがもつ意味を検討する。「医療保障の財源政策」「医療保障の財源方式」等、9章で構成する。
■目次
第1章 医療保障の財源政策―序論
第1節 本書の特徴
医療保障の財源政策の書
本書の研究方法
第2節 医療保障の財源政策の分析方法
医療における三者の関係
財源調達に関する等式
財源の徴収、支払いのための基金の管理
および医療サービスの購入
第3節 収入と支出の均衡
ヨーロッパにおける医療支出の傾向
財源別支出
医療の支出と収入に影響を与える要因
第4節 異なる財源調達方法の長所と短所
租税
公的医療保険
民間医療保険
医療貯蓄勘定
患者の直接払い
借り入れ、援助金、および寄付金
第5節 本書の構成
第2章 医療保障の財源方式―税とその他の方式
はじめに
第1節 誰が、どれだけ、支払うのか
第2節 誰がいつ受給するのか
第3節 誰が、どれだけ、支払いを受けるのか
第4節 財政方式と費用抑制
第5節 隠された税による財源調達
租税支出補助金
規制と共生
第6節 結論
第3章 公的医療保険における財源調達
第1節 公的医療保険モデル
第2節 西ヨーロッパにおけるさまざまな公的医療保険の財源調達制度
誰を被保険者としているか（また、加入条件は等しいか）
疾病金庫はどのように組織されているか（また、それらは選択が可能か）
保険料の支払い：料率、上限、割増保険料
意思決定権
保険料およびその他の公的医療保険の収入の徴収
疾病金庫間におけるリスク調整と配分
公的医療保険の資金供給における税の役割
第3節 西ヨーロッパにおける公的医療保険制度の改革
オランダにおける公平な財源調達を確保するための改革
ドイツにおける疾病金庫の選択権とリスク調整の導入
フランスにおける給与ベースの保険料の医療目的税による代替
結論
第4節 西ヨーロッパにおける公的医療保険の財源調達の長所と短所
第5節 結論
第4章 民間医療保険と医療貯蓄勘定―理論と実際
はじめに
第1節 民間医療保険の市場
民間医療保険が持つ長所と短所
複雑な保険市場の規制
第2節 民間医療保険の成果
財源調達と受診機会に関する公平性
マクロ経済的効率性
資源配分上の効率性
技術上の効率性
管理上の効率性
第3節 民間医療保険の実態
アメリカ
スイス
オーストラリア
チリ
まとめ
第4節 急進的なもう一つの選択肢：医療貯蓄勘定
第5節 結論
第5章 欧州連合における任意健康保険
はじめに
第1節 EUにおける任意健康保険の特徴
任意健康保険のタイムの分類
任意健康保険の支出ならびに適用の諸段階
第2節 税制による誘因と市場の規制
EUにおける任意健康保険への加入を奨励する税制上の誘因
EU規則の枠組み
第3節 EUにおける任意健康保険の需要
第4節 任意健康保険の市場の構造
保険者の種類
参入に際しての障壁
情報の非対称性
第5節 任意健康保険業界の事業運営
保険料の設定
給付の設定
いいとこ取りの証拠はあるか？
任意健康保険者間の財政的均衡化
任意健康保険市場におけるモラルハザードに対する取り組み
第6節 任意健康保険のパフォーマンス
加入状況
費用
医療保障制度への影響
第7節 結論
第6章 医療における自己負担
はじめに
第1節 分析の枠組み
第2節 ヨーロッパにおける患者負担の概観
第3節 自己負担の影響
患者負担と効率性
患者負担と公平性
人々の需要可能性
第4節 結論
第7章 介護の財源政策―公的制度と民間制度の選択肢
はじめに
第1節 介護サービスの供給
医療と社会福祉
フォーマルな介護とインフォーマルな介護
施設介護と在宅介護
公営による供給と民間による供給
現金給付か現物給付か
第2節 将来の費用予測
将来の費用を押し上げる要因
アメリカの予測：ブルッキングズ研究所モデル
イギリスの予測
ドイツの予測
以上の予測のまとめ
第3節 介護の財源政策のモデル
福祉国家の目的
これからの方法の評価基準
第4節 私的貯蓄
第5節 民間保険
第6節 民間保険に対する公的支援
第7節 公的部門による財源制度
第8節 民間部門と公的部門の混合方式
第9節 人々の考え方と政策課題
第8章 戦略的財源配分と財源政策の決定
はじめに
第1節 医療保障の財政における戦略的財源配分とは何か
第2節 人頭配分とは何か
第3節 財源配分手段の目的は何か
第4節 財源はどのように前払いで配分されるのか
第5節 現状の概観
第6節 結論
第9章 ヨーロッパにおける医療保障の財源政策―異なる選択肢の評価
はじめに
第1節 財源政策は、累進的構造（垂直的公平性）をもつか
租税
公的医療保険
民間医療保険
医療貯蓄勘定
患者の直接払い
第2節 財源調達制度は、水平的に公平か
租税
公的医療保険
民間医療保険
患者の直接払い
第3節 財政政策は、再配分をもたらすか
租税
公的医療保険
第4節 財源政策は、医療保険の適用や医療の受けやすさに、どのような影響を与えるか
第5節 財源政策は、費用の抑制にどのような影響を与えるか
第6節 財源政策は、広く経済にどのような影響を与えるか
職業の変更と労働市場の弾力性
労務費に対する影響と国際競争力
第7節 財源政策は、資源配分上の効率性、技術的効率性にどのような影響を与えるか
配分上の効率性
技術的効率性
第8節 財源調達方法は、どの程度過去の経緯に拘束されるか
第9節 結論
■引用
■書評・紹介
■言及
＊作成：本岡 大和