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『ポスト・モダンの左旋回』

仲正 昌樹 20020422 情況出版,312p.


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仲正 昌樹  20020422 『ポスト・モダンの左旋回』,情況出版,312p. ISBN-10: 4915252620 ISBN-13: 978-4915252624 \2800 [amazon][kinokuniya] ※ mk17 dj01 rr01
→200811 『ポスト・モダンの左旋回』,世界書院,313p. ISBN-10: 4792720753 ISBN-13: 978-4792720759 [amazon][kinokuniya]

■内容
内容(「BOOK」データベースより)
新たなる「物語」は可能か?柄谷行人、浅田彰らを中心とする日本版「ポストモダニズム」の終焉を宣告し、デリダ、ローティ、コーネルの政治的言説を手がかりに現代思想の未来を探る。

内容(「MARC」データベースより)
新たなる「物語」は可能か? 柄谷行人、浅田彰らを中心とする日本版「ポストモダニズム」の終焉を宣告し、デリダ、ローティ、コーネルの政治的言説を手がかりに現代思想の未来を探る。

■目次
第一章 現代思想の閉塞状況(からの離脱に向けて)
 1 マルクスがいなくなった知の現場
 2 ポスト全共闘の情況
 3 ポスト・モダンの袋小路
 4 〈マルクス〉のリサイクル

第二章 マルクスと自然の「鏡」――現代思想から見た『経哲草稿』
 1 近代哲学と疎外
 2 マルクス的な「二項対立」
 3 国民経済学と「自然の鏡」
 4 「類的本質」における疎外
 5 自然=歴史
 6 「自然・史」のゴールとしての「共産主義」
 7 「貨幣」の中の自然
 8 ベンヤミンの「自然=史」的方法

第三章 マルクスの学位論文における「偶然」の問題――柄谷行人がやり残した課題
 1 マルクス受容史における学位論文の位置
 2 「差異」と「自由」:柄谷の「読み方」
 3 「偶然」の中にある「主体性」:柄谷が「言わなかった」こと
 4 現前化しない主体性

第四章 「世界を変革する」とは?――ブロッホ=デリダから見た「テーゼ」
 1 実践と論理
 2 「抽象的な感性」と「実践的な感性」
 3 「変革」とは?
 4 過去の「亡霊」から未来の「亡霊」へ

第五章 ミニマ・モラリアにおける脱・所有化と愛
 1 ミニマルな倫理
 2 最初の交換者としてのオデュッセウス
 3 等価的なものの暴力
 4 ミニマルな抵抗の戦略
 5 脱・所有化のエクリチュール
 6 愛の脱・所有化

第六章 ドゥルーズ=ガタリと「資本主義」の運動
 1 浅田彰から見たドゥルーズ=ガタリ
 2 ドゥルーズ=ガタリの(再)政治化
 3 「哲学」の役割

第七章 ポスト・モダンの「左」転回――デリダ、ローティ、そして柄谷行人(?)
 1 ポスト・モダンの(非)政治性
 2 「ポスト・モダン」派の政治的マニフェスト
 3 「マルクスの亡霊」たちと「文化左翼」批判
 4 「可能なるコミュニズム」の可能性

第八章 ポスト・マルクス主義としてのプラグマティズム――ローティの「文化左翼」批判をめぐって
 1 グローバル化するアメリカ哲学
 2 ロールズからローティへ:哲学とデモクラシー
 3 ポスト・モダニズムとローティ:「自然の鏡」からの離脱
 4 ポスト・モダニズムからプラグマティズムへ:「文化左翼」批判の行方
 5 日本の「左翼」とプラグマティズム

第九章 左翼にとっての開かれた「場」
 1 典型的な「左翼」の言説
 2 「やたらに大きな物語」と「やたらに小さな物語」
 3 いかにして「タコツボ」から出るか?

あとがき

■引用
「つまり唯物論であれ観念論であれ従来の認識論では、認識の主体が、「物」とかけ離れたところに位置づけられているので、「主体」は必然的に、受動的・思弁的・静的な性格のものにならざるをえない。結果として、唯物論の哲学も観念論と同様に、「上部構造=表面」に留まり、物の深層にまで到達できない。
 このような哲学上の「主/客」分離状態を克服すべく登場してきたのが、「感性的活動」としての「労働」という考え方である。」(2002:126)

「フロイト‐ラカンの精神分析理論では、「父を殺して母と交わろうとする欲望」と「父による象徴的去勢の受け入れ」が交互に絡み合った「エディプス・コンプレックス」を通過することが、理性的な「自我」形成の必要条件とされてきた。
 これに対して、ドゥルーズ=ガタリは「エディプス・コンプレックス」の自明性を括弧に入れ、“自然”現象としてではなく、社会的再生産のプロセスの帰結として捉えようとする。[父(パパ)―母(ママ)―私(ボク)]のエディプスの三角関係は、資本主義生産体制の原動力である「欲望する機械=無意識]〔まま:引用者注〕」を再生産する中心的な装置になっているのである。

■書評・紹介

■言及



*作成:野口 陽平 
UP:20081003 REV:
Marx, Karl カール・マルクス   ◇Derrida, Jacques ジャック・デリダ   ◇Rorty, Richard リチャード・ローティ   ◇身体×世界:関連書籍 2000-2004  ◇BOOK
 
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