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『オーラル・ヒストリー――現代史のための口述記録』

御厨 貴(みくりや たかし) 20020415 中公新書,207p.

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last update:20160804

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■御厨 貴(みくりや たかし) 20020415 『オーラル・ヒストリー――現代史のための口述記録』,中公新書,207p. ISBN-10:4-12-101636-x 760+ [amazon][kinokuniya]

■内容

[amazon]のページより
 個人や組織の経験をインタヴューし、記録を作成して後世に伝えるオーラル・ヒストリーは、歴史資料としてばかりではなく、意思決定のケース・スタディーとしても利用価値が高い。
 著者らは、政治家、官僚、実業家への聞き取り調査を蓄積し、政策決定プロセスの解明を目指している。
 本書は、オーラル・ヒストリーの準備、実施、速記の整理から、資料としての利用法までを具体的、実践的に手ほどきするものである。

■目次

第1章 オーラル・ヒストリーとは何か
T なぜオーラル・ヒストリーが必要か
 定義する 「言わず語らず」 歴史に対する証言
U 九〇年代に起こった変化
 自民党の一党優位体制 変容する官僚と企業人
 「沈黙は金」の伝統 戦後の環境 「内政史研究会」の成果
 組織分析・制度分析

V アカデミズムとジャーナリズム
 量から質へ パブリック・ヒストリアン 聞き書きと議論
 ミニ・オーラル・ヒストリー 聞くこと、語ること
 オーラル・ヒストリーの出自 息長く、幅広く

第2章 歴史資料としてのオーラル・ヒストリー
T アカデミズムと資料
 資料の切れ目が縁の切れ目 実証性と反証可能性
 オーラル・ヒストリーの歴史 心象の形成
U オーラル・ヒストリーの現在
 大量引用型――升味隼之輔の場合 直接的引用 中村隆英の場合
 時代の様子がわかる 歴史事実探求型――伊藤隆の場合 文書資料との食い違い
 研究方法の普遍化 社会史構成型――水谷三公の場合
 理論構築型――牧原出の場合 論文の作り方

第3章 オーラル・ヒストリーの現代史的意味
T 私のオーラル・ヒストリー事始め
 機械工業振興臨時措置法の研究会 証言の背景 オーラルの“詐術”
 NIRAの『戦後国土政策の検証』 「国土計画と開発政治」・「田中角栄」
U オーラル・ヒストリーの読み方
 鈴木俊一『官を生きる』 東京都副知事転出の真相
 竹下昇『政治とは何か』 後藤田正晴『情と理』 『渡邊恒雄回顧録』
 中曽根という軸 人間関係の機敏

第4章 オーラル・ヒストリー・メソッド
T 第一段階<合意を得る>
 言葉で戦う人々 真実と嘘 手強い拒絶理由
U 第二段階<質問表>
 記憶を呼び覚ます 年表と経歴
V 第三段階<オーラル・ヒストリーの実施>
 迂回飛行 情報の共有関係 インタヴュアーの人数 インタヴューの回数
W 実施の注意点
 黙って聞くこと 認識の構造が最優先 文書資料の提示について
 その他の注意点 速記者
X テープ起こしと速記
 オーラル・ヒストリーにおけるテープ起こしの意味
 メタ言語の処理 ないがしろにされてきた速記技術
 政策研究プロジェクトでの取り扱い

第5章 オーラル・ヒストリー万華鏡
T 聞き書き・インタビューの成果
 他分野との交流 『李香蘭 私の半生』――藤原作弥
 一人称スタイル 刑事事件の供述調書――原聡
 カウセリング・精神医療空間における語りと聞き取り――斎藤環
 コミュニケーションとしての社会学調査――佐藤健二
 地域雑誌『谷根千』の経験から――森まゆみ
 ベトナム戦争のオーラル・ヒストリー――生井英考
 多様な証言の流通
  U 欧米の状況
 コロンビア大学の場合――石原直紀の報告
 ロンドン大学および、ブリティッシュ・ライブラリーの場合――牧原出の報告
 欧米との格差

第6章 現代の意思決定に迫る
 石原信雄と『首相官邸の決断』 ボロボロになったコピー
 「阪神・淡路震災復興委員会」同時進行オーラル・ヒストリー
 七年で全面公開 語り手への影響 意思決定への貢献

あとがき
文献一覧

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:岩ア 弘泰
UP:20160805 REV:
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