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櫻井純理 20020305 学文社,p.212 ■櫻井純理[20020305]『何がサラリーマンを駆りたてるのか』学文社,212p. ISBN-10: 476201110X ISBN-13: 978-4762011108 [amazon]/[boople] ■内容(「BOOK」データベースより) 働きがいの過去、現在、将来をみわたし、ホワイトカラー労働者たちの労働観に焦点を当て、「何がサラリーマンを駆りたてるのか」の謎を探る。 内容(「MARC」データベースより) 人はどのような仕事に働きがいを見出すのか。働きすぎはなぜもたらされているのか。働きがいの過去、現在、将来をみわたし、ホワイトカラー労働者たちの労 働観に焦点を当て、「何がサラリーマンを駆りたてるのか」の謎を探る。 ■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 桜井純理[サクライジュンリ] 1963年、京都府生まれ。1985年京都大学経済学部卒業後、企業勤務を経て、1995年アメリカン大学国際関係大学院修士課程修了、1999年立命館 大学大学院国際関係研究科博士課程修了。専攻は労使関係論、国際コミュニケーション論。現在、立命館大学非常勤講師 ■もくじ 第1章 働かされる構造 1 長時間労働の問題化 (1)年間労働時間の推移 (2)過労死問題と海外からの非難 (3)強制と自発の二側面 2 強制:働かされすぎる要因 (1)不十分な法規制 (2)企業中心の福祉給付 3 自発:働きすぎる要因 (1)間人主義社会と人間関係の重視 (2)勤勉性とメリトクラシー (3)社会の男性性と男らしさ 4 職場で形成される「働く日本人」 第2章 働きがいのメカニズム 1 それ自体を目的とした労働 (1)労働の自己目的化 (2)労働に潜む「遊び」の側面 (3)自己目的的経験(フロー)の構造 (4)労働がフロー化する条件 2 日本企業の「フロー」労働モデル (1)フロー労働実現のモデル (2)職務難度の引き上げ (3)職業能力の三分類 (4)能力・技能の向上 3 日本的システムの特徴 (1)雇用保障の前提 (2)能力平等主義の前提 (3)日本的な「能力」主義 第3章 選抜と選択の時代 1 日本型雇用慣行の変容 (1)終身雇用神話の崩壊 (2)雇用の非正規化 (3)年功序列制の変化 2 働きがいのメカニズムの変容 (1)崩れる二つの前提 (2)社内公募制・社内ベンチャーの導入 (3)能力開発は自己啓発中心へ (4)自己責任のエンプロイアビリティ 3 選抜が強いるストレス (1)労働者側の反応 (2)ハッピー・ワーカーからフライトゥンド・ワーカーへ 第4章 金融業界の多様なキャリア 1 幅広い業務経験を積んだジェネラリスト的キャリア 2 広報部門に約三〇年、異色の戦略的スペシャリスト 3 ヘッドハント経験を持つデリバティブのスペシャリスト 第5章 企業における職業能力の形成 1 必要な職業能力と能力開発の実態 (1)アパレルメーカーA社の概要 (2)A社の教育・訓練制度 (3)コンセプチュアル・スキル (4)テクニカル・スキル (5)ヒューマン・スキル 2 二種類のエンプロイアビリティ (1)転職を可能にする職業能力 (2)雇用され続ける職業能力 3 職業能力としてのヒューマン・スキル (1)ヒューマン・スキルはなぜ重要か (2)ヒューマン・スキルの能力開発 第6章 キャリアデザインと能力開発 1 キャリアデザインの必要性 (1)転職の増大と再就職支援サービス (2)キャリアの棚卸し (3)職業能力の「市場価値」 (4)キャリアのリスク管理 2 自己啓発@――専門学校で学ぶ (1)専門的な資格の取得 (2)事例 3 自己啓発A――大学院で学ぶ (1)社会人大学院生の増大 (2)事例 第7章 職場社会の大切さ 1 職場社会が及ぼす影響 (1)職場の人間関係 (2)職場能力への影響 (3)働きがいそのものへの影響 2 働きがいをもたらす二つの条件 (1)自我境界のゆるみ (2)日本の企業組織と職場社会 3 これからの働きがい (1)働きがいの多様性 (2)働きがいのシェアリング 主な参考文献 ■引用 「さきに見たように、現在進行している日本型雇用慣行の変容はこの二つの前提を覆すものである。第一に、長期雇用はもはや正社員にとってもあてにできるも のではなくなった。企業が長期雇用を前提に人材育成に金と時間を費やすのは、日経連が言うところの「長期蓄積能力活用型」労働者という、正社員の一部でし かないことが明確にされた。そして企業は社員全体に占めるこの層の数を絞り込み、他の二タイプ(「高度専門能力活用型」と「雇用柔軟型」)に属する非正規 社員の比率をますます増加させている。第二に、同期入社の社員であっても企業は早い段階から格差をつけることで、労働者個々の能力に差がある(と企業が判 断している)ことを隠さずに明示するようになってきた。従来の働きがいのメカニズムのもとでは、会社が労働者全般に対して、個々のキャリア(より難しい仕 事への挑戦の機会)を年齢や勤務年数に応じて準備し、そのために必要な職業能力は企業内教育・訓練を通じて向上させてきた。それによって、広く浅く多くの 社員に対して働きがいのある仕事生活を提供してきたのである。しかし、企業はこの仕組みを放棄する方向へと大きく舵を切り始めた。新たな雇用システムの基 本は、企業が労働者を早い時期に選別し、逆に労働者の側にも自らキャリアを自分で選択し、設計するように求める仕組みである。働きがいを得ようと思えば、 自分にふさわしい仕事を自ら勝ち取り、またそのキャリア選択を可能にするような職業能力を自助努力で身につけなければならない、そんな変化が今起こってい る。(…)」(p.82-83) 「自分の能力がフルに発揮できて働きがいのある仕事を手に入れようと思えば、労働者は自ら職業能力の向上に励み、挑戦的な仕事の機会を見つけて積極的に手 を挙げなければならない。企業から選抜され、幹部候補として将来を期待される存在であり続けなければ、その企業で働きがいのある仕事を手に入れることは難 しくなった。つまり、企業が労働者に用意する「フロー労働のゾーン」は以前に比べてきわめて狭くなった。そして、その限られた一部の労働者として選ばれる ために、労働者たちはますます厳しい競争を強いられるようになったのである。」(p.91-92) 「「働きがいのメカニズム」が作用しているとは考えられない現状で、このように労働者たちを相変わらずサービス残業に向かわせ、過剰労働へと駆りたててい るものは何か。おそらくそれは、働きがいどころか、仕事そのものを失うことへの恐れではないだろうか。企業は今後ますます労働者をあからさまに選別してい くことだろう。正社員はいつ早期退職の対象者になるかもしれないし、パートタイマーや派遣労働者などの非正社員はいつ契約を打ち切られるかもしれない。し かも「自助努力」「自己責任」が強調される風潮のもとでは、職を失えば本人に能力がないからだとみなされてしまうだろう。そのような状況のなかで、企業か ら選ばれる存在であり続けなければならないプレッシャーや、自己責任の重みに押されるようにして、労働者たちは過重労働を引き受けているのではないだろう か。」(p.97) 「アドバイスをしてくれるキャリアカウンセラーの助けを借りるにせよ、「結局、何をやりたいかを自分で決めないといけない。本人が考えて気づくことです」 と吉川氏。これまでは入社した会社が自分のキャリアを決めてくれていた分、どんな仕事をしたいか、本当に自分にとって働きがいのある仕事は何か、それを手 に入れるためにはどうしたらいいかを、真剣に考えずに済んできたかもしれない。しかし、これからはそうはいかない。自分にとってふさわしいと感じられて手 応えのある仕事、心に張りをもたらしてくれる仕事を獲得するためには、より積極的に自分でキャリアデザインをしていくことが必要になってきた。「人間は自 由を獲得するための闘いだっていうけど、自由になったらこれほど苦しいことはない。自由ほどしんどいものはないですよ(笑)」(吉川氏)。」(p.170 -171) UP:20070722 ◇1990年代 ◇「若 年者雇用問題」文献表 |