1Doeringer-Pioreによる二重労働市場論
Doeringer, P. B. & Piore, M. J.
OJT〜企業内内部労働市場*/外部市場
*「行列の理論」 確率的に女性の方が勤続年数が短い
「女性は、男性よりも勤続年数が短いという統計データを根拠として行列の下位に置かれやすく、企業内内部労働市場へのアクセスを制限されている。結果、女性は第2次市場に多く集まることとなり、それが性別労働条件格差の一因になっているという。そして、女性の勤続年数が短い理由として、女性、わけても子をもつ既婚女性が、賃金取得よりも家族のケアを優先するためだと論じている。すなわち、彼女たちは「家族に緊急事態が生じた際は遅刻や欠勤が許されるような職を求めて」3)おり、また出産を計画したり、ある程度家計が潤ったら、仕事をやめることを希望しているというのだ。そしてそのような労働スタイルは、女性が自らの賃金を家計の主たる稼得者である夫の賃金の足しとして位置づけているからだと説明されている。」(新井[2002:99])
3):Doeringer & Piore[2002:170]
「次の2点を重視しておきたい」
1)家族のケア
2)自発的であるかのように捉えられている
※もっともな話(このように二重労働市場論は紹介されてきたのか?)
Doeringer, P. B. & Piore, M. J. 1971 Internal Labor Market and Manpower Analysis, D. C. Heath
1はじめに
「女性抑圧の物質的基礎の解明からスタートした家事労働論は、男女の実質的平等が実現される社会システムに向けて、家事労働の社会・経済的評価を通じてそのUWの社会的大きさを明らかにすると(p.122)とともに、ペイドワーク(Paid Work - PW)とUWを男女に公平に配分するための制度・政策課題を明らかにしつつある。」(pp.122-123)