『世の途中から隠されていること――近代日本の記憶』
木下 直之 20020225 晶文社,380p.
■木下 直之 20020225 『世の途中から隠されていること――近代日本の記憶』,晶文社,380p. ISBN-10: 4794965214 ISBN-13: 978-4794965219 \3990 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
「BOOK」データベースより
日清戦争の凱旋碑だった広島の平和塔。第二次大戦後、水族館やダンスホールに転用され、今は模造品の砲塔がのった戦艦三笠。ある時代には主役だった物も、忘れられ、書き換えられ、時に埋もれている。そんな隠された近代日本の記憶を、現場を歩き、資料をもとめ、探る歴史ルポルタージュ。
「MARC」データベースより
日清戦争のとき広島に建てられた凱旋碑は、そのまま平和塔となった。女装姿のヤマトタケルのイメージは、実は明治につくられたもの。記念碑、肖像写真や見世物など、歴史に埋もれた物を掘り起こし、日本人の美意識を辿る。
■目次
1 戦争が見える
ハリボテの時代
見世物趣味
海を超えて越えてゆこうよ
大仏でん
ぶん鳥のとぶ町
戦艦三笠
震災につき休載
ふたつの震災報道をめぐって――神戸と江戸
壊れた台座
2 動かぬもの
はしらかしら【上】
はしらかしら【下】
ヤマトタケルと兼六園
おーい龍馬、あんたはだれ
大船観音山中出現記
原爆十景への旅
3 人はなぜ肖像を求めるのか
御影雑考
皇室畜影
遺影のゆくさき
「家族の肖像」以前
人は何故肖像を求めるのか
政治家たちの肖像
肖像のある風景
肖像を語らないことについて
風景のある肖像
肖像を贈る
画家とモデル
肖像と似顔
岸田の首狩り
ヒゲと肖像
人の限界
肖像の限界
持ち物と持ち主
有名の人
大きな足の人
座る小さな人
ホコリ高き男
灯台下暗し(その1)
灯台下暗し(その2)
額縁の節度
肖像のない風景
系図
引っ越し
解剖台の上で
八十四の瞳
不在者
静かな生活
追われたふたり――肖像のある風景補遺
4 奇なるもの
遺体のゆくさき
本日休館・近日開館
奇をさぐる人【上】
奇をさぐる人【下】
物産店にて
正遷宮のかざり
百物館だより
革鯱
ホニホロ
パラパラ写真
捧げ銃
新聞穴探四十八癖
弁次郎の墓
コウモリ傘
曲持
展示ケース
地図
さし石
仮設住宅
偽物の偽物は本物である――別府浜脇温泉「風流見立細工」を歩く
5 日本美術最高、じゃなくて再考
日本の原始人
日本美術の始まり
画家が描かないもの
描くだけじゃ物足りぬ! 金山平三の“アトリエ芝居”
靖国神社の「未来」
天から降ってくるものと、地から出てくるもの
身体巡礼
横尾忠則「うろつき夜太(7)」
勝川春雄扇「下界頭会」
高橋由一「花魁図」
河鍋暁斎「浅田宗伯夫婦影絵」
島霞谷「扇子とかぼちゃを持つ男」
スティルフリード「刺青の男」
萬鉄五郎「裸体美人」
寺内信一「裸体像」
胡蝶園春升「汐汲」
撮影者不詳「骸骨との記念写真」
ヴェルニ―公園にて――あとがきにかえて
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治