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『棄民の文化人類学』

中村 茂樹 20020131 明石書店,明石ライブラリー36,277p.


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■中村 茂樹  20020131 『棄民の文化人類学』,明石ライブラリー36,明石書店,277p. ISBN-10: 4750315133 ISBN-13: 978-4750315133 \2800 [amazon][kinokuniya] ※ 2002 i

■内容
内容(「MARC」データベースより)
何が理由かわからないうちにさせられてしまう「棄民」。誰にとっても、棄民にならないという保障はなにもない。棄民が生まれた歴史的な経緯を要因別に紹介し、自己防衛の意識や世界の棄民に対する心配りを促すことを願う。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中村 茂樹
1943年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究所建設工学専攻修士課程修了。東海大学講師。株式会社漁村計画研究所取締役を経て現在、株式会社コミュニティ計画研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序章   あなたもいつ棄てられるかわからない (9)
第一章  棄民としての幼児・子ども (15)
 1 子どものステータス (15)
 2 幼児殺し、堕胎 (18)
 3 戦争に駆り出され死んでいく子どもたち (30)
 4 性愛対象として棄てられる子どもたち (33)
 5 ストリート・チルドレン (36)
 6 捨てられる子ども・売買される子どもたち (38)
 7 児童労働・児童虐待 (41)
第二章  棄民としての農山漁民・経済的棄民 (45)
 1 相対的過剰人口としての棄民 (45)
 2 格差がもたらす棄民現象 (49)
 3 環境破壊による棄民の創出 (56)
 4 貧困にもとづく疾病棄民 (58)
 5 大都会で増殖する棄民 (61)
第三章  棄民としての女性 (67)
 1 棄民としての売春婦の起源と歴史 (67)
 2 現代の棄民としての売春婦の供給源 (71)
 3 男尊女卑による棄民 (79)
第四章  棄民としての高齢者 (87)
 1 高齢化社会としての棄民政策 (87)
 2 老人遺棄 (89)
 3 隠居制度による棄民 (94)
第五章  棄民としてのハンディキャップ (97)
 1 作られたハンディキャップ (97)
 2 棄民過程で増殖するハンディキャップ (100)
 3 障害者に対する国の反応 (106)
第六章  棄民としての移民・出稼者 (117)
 1 移民と出稼ぎの発生形態 (117)
 2 華僑 (126)
 3 アイルランド移民 (128)
 4 移民受入れ国家のジレンマ (133)
 5 わが国の海外支配にもとづく移民 (138)
第七章  棄民としての戦士・戦争による棄民 (143)
 1 民族浄化がもたらす棄民 (143)
 2 棄民大量生産の戦争 (152)
第八章  棄民としての被差別者 (157)
 1 被差別者 (157)
第九章  棄民としての罪人 (171)
 1 使い捨て労働力としての罪人 (171)
 2 政治犯という名の棄民 (174)
 3 棄民の結果としての犯罪者 (178)
第一〇章 棄民としての先住民・少数民族 (183)
 1 人種差別・民族差別による棄民 (183)
 2 先住民の受難・棄民化 (188)
 3 指定居住区 (195)
 4 奴隷としての棄民 (197)
 5 棄民としての混血児 (198)
第一一章 各種中毒誘発物質による棄民 (205)
 1 社会的不安定と各種中毒誘発物質 (205)
 2 麻薬による棄民 (210)
第一二章 棄民としての異端者 (215)
 1 宗教的異端者 (215)
 2 異端とされた人びと (220)
第一三章 棄民としての流浪の民 (227)
 1 流浪の民の種類 (227)
 2 西欧の流浪の民 (232)
 3 日本における流浪の民 (236)
 4 浮浪者、ホームレス (238)
第一四章 棄民としての実験材料 (247)
 1 棄民としての実験材料 (247)
第一五章 棄民の思想 (259)
 1 棄民を正当化する選民思想 (259)
 2 棄民にならないようにする手立て (261)
 3 差別が棄民をつくりあげる (264)
 4 文明と棄民 (266)
 5 棄民づくりに加担しないために (270)
参考文献 (274)
あとがき (276)

■引用
「一度棄民の列に入ってしまえば、それは別世界で、なんらの既存の社会経済的な制度の恩恵をこうむることなく、ボトム・アップの埒外に置かれることは眼に見えている。たとえば、ホームレスの人びとに対し、多くの人びとは同情はするけれども、なにもしない。ホームレスもまた住所がないので、選挙に投票して、なんらかの意思表示をする機会も失われているし、厭世観からか、そもそも無意味なものと思って自ら放棄している。」(10p.)

■書評・紹介

■言及



*作成:野口 陽平 
UP:20080926 REV:
本・2002  ◇自立・自立生活(運動)  ◇身体×世界:関連書籍 2000-2004  ◇BOOK
  
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