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『神と悪魔の薬サリドマイド』

Stephens, Trent and Brynner, Rock 20011221 Dark Remedy: The impact of thalidomide and its revival as a vital medicine, Perseus Books Group
=20011224 本間 徳子訳『神と悪魔の薬サリドマイド』,日経BP社,318p.

last update:20150704

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■Stephens, Trent and Brynner, Rock 2001 Dark Remedy: The Impact of Thalidomide and its Revival as a Vital Medicine, Perseus Books Group=20011224 本間 徳子訳『神と悪魔の薬サリドマイド』,日経BP社,318p. ISBN:4822242625  ISBN-13: 9784822242626 1890 [amazon][kinokuniya] ※ 

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 出版社/著者からの内容紹介
 薬害の代名詞「サリドマイド」を巡って、医学的な事実の究明と、社会の正義とは何かを問う闘いに光を当てた迫真のノンフィクション!
 生まれてくる子どもたちから、多くの命や手足を奪った悪夢の薬サリドマイドは、実は治療法のない難病患者にとって最後の光明をもたらす奇跡の薬でもあった。この事実は、薬の本質である二面性をまざまざと見せてくれる。また、薬害患者への補償問題は、被害者の人権、裁判の公平性、報道の自由を賭けた民主主義が成熟するための試練でもあった。サリドマイドは20世紀が未来に残した教訓だった。

■目次

プロローグ
第1章 ユートピアの幻想
 なぜ睡眠薬が爆発的に売れたのか
 サリドマイドのゆりかごにナチスの影
 何の根拠もなかった「完全に安全な薬」

第2章 かくして被害は世界に広がった
 最初の犠牲者は社員だった
 隠された神経障害の報告
 先天異常の大発生が始まった

第3章 FDAのヒロイン、アメリカを救う
 癒着と腐敗にまみれていたFDA
 孤軍奮闘の女性審査官ケルシー
 消えた二〇〇万錠と中絶論争

第4章 敵は社会そのものか?
 患者家族を襲った悲痛と苦難
 法廷での闘いが始まった
 有罪にならなかったグリュネンタール

第5章 倫理対正義、メディア対裁判所
 イギリスに言論統制の壁
 サンデー・タイムズの挑戦
 ついに立ち上がった市民と株主
 英国法を裁け!エバンズ記者の欧州作戦

第6章 FDAの大改革
 医薬品の価格をめぐる戦い
 戦いは価格から安全性へ

第7章 子どもたちの声は強く
 サリドマイダー・ランディの青春
 想像もできない難関を乗り越えて

第8章 ハンセン病患者の夜明け
 悪夢が奇跡を起こした時
 サリドマイドはなぜ効くのか?
 悪夢の薬を作ってよいものか?

第9章 エイズコネクション
 連邦政府と密輸業者を協力させたエイズ
 新薬が生まれるまでの手順とは
 適応外使用をめぐる問題
 サリドマイドが腫瘍に効く理由
 ランディの願い「サリドマイドを過去の伝説に」

第10章 サリドマイド復活
 最後の手段を使うためのプログラム
 治すべき病気を探している奇妙な薬

第11章 ついに解明された薬害のメカニズム
 サリドマイドはDNAに入り込む
 鍵は遺伝子の「GCボックス」だった!

第12章 ある患者の独白
 傷口が治らない!
 見つかった病名と治療法
 効く薬がなくなった……
 サリドマイドを使う

第13章 サリドマイドとヒポクラテス
 更に進む研究と開発
 ヒーローとヒロインのその後

■言及・引用

◆立岩 真也 2015/07/01 「生の現代のために・4――連載 113」『現代思想』43-(2015-7):-

「★03 当初睡眠薬として販売・使用されたサリドマイドの被害がどのように広がったのかとともに、のちにその薬がハンセン病、エイズ、癌にまた使われるようになっていった経緯を記した本では次のように書かれる。
 「ベルギーでは、バン・ド・プットという夫婦が重度の奇形を持って生まれた自分たちの子供を、生後八日目に毒殺する事件が起こった。後に罪を認めた二人は、それが子供にとって一番よかったのだと主張し通した。死亡証明書に署名した医師は、五〇〇人の傍聴人でいっぱいになったリエージュの法廷で、自分にはその子の衣服を脱がせる勇気すらなかったと告白した。彼の声は低く抑えられ、嗄れていた。「もし私がその殺人を知る唯一の人間だったなら『自然死』と記入したでしょう。聴衆からは拍手が起こった。  「あの子がもし精神にも障害をもっていたなら」スザンヌ・バン・ド・プットは言った。自分の宿命を知らずにすんだでしょう。でも、あの人の脳は正常だった。彼女は死ぬ運命にあったんです。気づく運命にあったんです」。
 二人の無罪が宣告されと法廷には喝采が沸き起こった。」(Stephens & Brynner[2001=2001:112])

cf.
◇立岩 真也 2015/05/31 立岩真也 編 『与えられる生死:1960年代――『しののめ』安楽死特集/あざらしっ子/重度心身障害児/「拝啓池田総理大学殿」他』Kyoto Books 1000


*作成:山本 奈美 
UP:20080512 REV:20150704
サリドマイド  ◇薬/薬害  ◇身体×世界:関連書籍 2000-2004   ◇BOOK
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