『臨床的理性批判』
中岡 成文 20011010 岩波書店,203p.
last update:20111206
■中岡 成文 20011010 『臨床的理性批判』,岩波書店,双書現代の哲学,203p. ISBN-10:4000265865 ISBN-13: 978-4000265867 \2940 [amazon]/[kinokuniya] ※ p
■内容
出版社/著者からの内容紹介
ベッドサイドに立つ哲学へ.リアルなものから離れて自己完結しようとする体系をしりぞけ,荒々しい現場の手触りの中に働く「理性」を基礎づける.対決の構図を解きほぐし,共に生きるモラルを探る対話的理性の冒険.常に「臨床」の実践的な過程においてある,しなやかな合理性の立場の再建に向けて.
内容(「BOOK」データベースより)
人の訴えに耳を澄まし、心身のすべてをあげてその苦痛に寄り添おうとするとき、大文字の普遍的真理や根拠づけられた体系は助けにやってこない。予測できない現実の運動に応え、自らダイナミックに変形しつつ、ある秩序を構想する理性のあり方――超越論的に、対話的に、倫理的に、理性を位置づけようとしたもろもろの試みを参照し、ニーチェの系譜学や発達心理学に発生論的な着想を学びつつ、臨床的理性の哲学をデザインする。固定した外部の視点に拠るのではなく、また価値を問わない情報の相対的な流動に没するのでもない、共同的な哲学の試み。他者に気を配り、想像力を働かせて問題を「発明」し、他を代弁するという不可能な営みを支える「原理ではない原理」とは何か。論理的整合性や基礎づけを求めて自閉するのではなく、対話の網の目につねに自身を開きながら、シンプルにねばりづよく持続する理性の新しいモデルを提案する。
■目次
序章
第1章 まとめて考えるということ
第2章 語る相互行為
第3章 C先生の講義――理性、シンプルで息長く
第4章 理性の発明
終章 アテンション・プリーズ!
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:永橋 徳馬