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『子どもの生きづらさと親子関係――アダルト・チルドレンの視点から』

信田 さよ子 20010608 大月書店,子育てと健康シリーズ15,122p.


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■信田 さよ子  20010608 『子どもの生きづらさと親子関係――アダルト・チルドレンの視点から』,大月書店,子育てと健康シリーズ15,122p. ISBN-10: 427240315X ISBN-13: 978-4272403158 [amazon][kinokuniya] ※

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容(「BOOK」データベースより)
普通の家庭にひそむ愛情という名の支配―「子どもの問題ではなく、親の問題である」という立場から論考を展開する。

内容(「MARC」データベースより)
少年事件、家庭内暴力、ひきこもり、不登校…。子供の生きづらさの起因とは? 親子の関係性と世代間連鎖の視点から、普通の家庭にひそむ「愛情という名の支配」を照らし出し、「支配なき親子関係」とは何かを考える。
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■目次

1 少年事件と家庭内暴力
 動機不明の少年事件
 問題を関係としてとらえる視点
 「少年の心の闇」など存在しない
 ほか
2 愛情という名の支配
 親子観を変えたアダルト・チルドレン
 アダルト・チルドレンという言葉はどのようにして生まれたか
 「人間関係障害」としてのアルコール依存症
 ほか
3 支配しない親子関係を
 子どもに「貸し」をつくらない
 支配する関係からどれくらい自由か
 家庭が調教と訓練の場に
 ほか

■引用

 アダルト・チルドレンの定義の「第二のポイントは、「起因する」という点です。なぜ、「原因」といわないのでしょうか。「わたしが生きづらいのは、親の愛情が足りなかったのが原因である」と考えれば、とてもスッキリするでしょう。その結果としての自分の生きづらさを解消するには、原因である親を責め攻撃すればいいという、単純な因果論におちいってしまうからです。このようなうすっぺらな解釈は誤っています。このような原因→結果の因果論、誰が悪いのかという犯人捜しや攻撃からは何も生まれません。親を責めることでは何も解決しないのです。ただし、「すべて私が悪い」と考えてこれまで生きてきた人が、苦しみの反転で「すべて親が悪い」とある時期感じることは、変化のプロセスの一段階としては認めなくてはならないでしょう。
 これは、第一のポイントの「親との関係」と関連しています。現実の親が客観的<0069<にどうあったからではなく、自分のとらえた、自分との関係における親なのです。このように関係を問題にするのです。それが客観的にどうであったかを問うのではなく、私にとってそれが苦しかったという主観的な、心的事実が問題なのですだから、現実の親のを原因として責めることは意味がないのです。自分の生きづらさを形づくっている多くのファクターのうちの主要なファクターとして、親との関係を認めること、これが「起因」という表現にこめられているのです。」(信田[2001:69-70])

 「第三のポイントは「認めた人」という点です。[…]<0070<
 このようにACとは「自己認知」を基本とし、「自己申告」するものなのです。専門家に決めてもらうのではなく、ACかどうかは自分が決めるのです。もちろんACは病気の名前ではありません。したがって、これまでの医者が診断するいわゆる医療モデルとは正面からぶつかってしまいます。」(信田[2001:70-71])

■言及

◆立岩 真也 20140825 『自閉症連続体の時代』,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+ [amazon][kinokuniya] ※


UP:20091030 REV:20140824
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