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『看護のための精神医学』 中井 久夫・山口 直彦 20010315 医学書院,320p ■中井 久夫・山口 直彦 20010315 『看護のための精神医学』,医学書院,320p. ISBN4-260-33116-7 2940 [amazon] ※ b ○編集者白石正明による紹介 書名: 看護のための精神医学 著者: 中井久夫+山口直彦 (中井氏は神戸大学名誉教授・甲南大学教授、山口氏は兵庫県立光風病院院長) 仕様: B5版、並製、320ページ 定価: 2800円+税 発行日:2001年3月15日 ISBN4-260-33116-7 C3047 Y2800E [boople] 「私は決して教科書あるいは概説、総説、解説の書けない人間であることを自覚している(看護教科書という例外があるが、これは意気に感じての例外である)」。 『治療文化論』(岩波同時代ライブラリー)のあとがきで、中井久夫氏はこう記しています。その「例外」である看護教科書とはどんなものなのか一度見てみたいと思っていましたが、2年前ひょんなきっかけから、それが20年近く前の小社看護教科書「系統看護学講座」の数章分であること、しかしその本は既に絶版になって久しいことを知りました。地下の倉庫には、資料用に1冊だけ残っていました。 さらに中井氏によれば、当時書いたにもかかわらず紙幅の関係で削った分が半分以上あるとのこと。探しまわったあげく、その残りの原稿はけっきょく共著者の山口直彦氏が院長をつとめる兵庫県立光風病院の倉庫の奥深く、ビニール袋に包まれて眠っていました。 元の教科書に掲載されていた部分が3分の1、ビニール袋に眠っていた部分が3分の1、PTSDや多重人格等をふくめて神経症を中心に、今回のために中井氏がまったく新しく書き下ろした部分が3分の1、これらが組み合わさって本書が出来上がりました。 中井氏は『最終講義――分裂病私見』(みすず書房)で、こころ病める人の苦悩と回復の経過を描き、多くの読者の感動を呼びました。本書ではさらにそれを、より詳細かつ立体的な姿にして、私たちの前に差し出してくれたように思います。 精神分裂病患者には世界がどのように見えているのか、うつ病患者にとっての「空気」はどのくらい重いのか、アルコール依存症者はなぜ周囲から酒を「やめさせてもらえない」のか、「信なき理解」にさらされてきた境界性人格障害といわれる人たちは他者に何を求めているのか―― 本書のどこを開いても、その記述の《切実感》に胸が苦しくなってきます。それはおそらく、本書が診断・治療をおこなう医者に向けて書かれたものではなく、病気の種類がなんであれ、その人のそばに寄り添うことを職業とする「看護者」に向けて書かれたためなのです。 本書のあとがきで中井氏は「蒸留水のような教科書が人をアヘンよりも無気力にすることは、学生・生徒であった経験のある人はだれでも知っている」と述べ、「行間をも書く」決意をされたといいます。まさに「読んでおもしろい教科書」の誕生です。また、医療という相互行為の言語表現における一つの到達点でもあるでしょう。専門家以外の方々にもぜひ味わっていただきたい一冊です。 [編集担当]医学書院看護出版部:白石正明 TEL 03-3817-5785 FAX 03-5804-0485 m-shiraishi@igaku-shoin.co.jp [購入問合せ]医学書院販売部:TEL 03-3817-5657 UP:2001 REV:20071219(ファイル移動) ◇中井 久夫 ◇精神障害 ◇身体×世界:関連書籍 ◇BOOK |