『グローバル化の遠近法――新しい公共空間を求めて』
姜 尚中・吉見 俊哉 20010227 岩波書店,247p.
last update: 20101228
■姜 尚中・吉見 俊哉 20010227 『グローバル化の遠近法―新しい公共空間を求めて』,岩波書店,247p. ISBN-10:4000226029 ISBN-13:978-4000226028 \2625 [amazon]/[kinokuniya] ※ pp
■内容
脱政治の動きに胚胎する「政治」の危険性と可能性、グローバル都市東京に登場した石原慎太郎、ネットワーク型メディアの普及がもたらしたもの、消費社会に見え隠れするナショナリズムと新しい市民運動―グローバル化がつきつける、さまざまなレベルでの変化を読み解きつつ、今この国に起きている地殻変動の意味、そして「新しい公共空間」のありようを探る。気鋭の研究者二人が、綿密な議論を重ねて共同で打ち出す、斬新な現代日本社会論。
■目次
はじめに
1章 グローバル化の遠近法
一 二十世紀空間の地政学とアメリカニズム
1 「危機の二十年」と「二十世紀空間」
2 「破局の時代」に見えていたもの
3 ニューディールから冷戦体制へ
二 グローバル化を定義し直す
1 グローバル化の「政治経済」と「文化政治」
2 グローバル化の政治経済学
3 グローバル化の文化政治学
三 内破する公共空間の諸次元
1 グローバル・ガバナンスの空間
2 政治なるおのの位相転換
3 新しい公共空間に向けての展望
2章 国家の退場、国家の過剰
一 「一九七九年革命」と「一九九九年体制」
二 「改革」のレトリック
三 国際化されたナショナリズム
四 国家のパラドックス
3章 グローバル・シティの逆説
一 彼は、三たび勝利した
二 ふたつの航路
三 超東京化する東京
四 越境するネットワーク都市
4章 ナショナル・メディアのゆらぎ
一 ナショナルなメディア、ネーションの語り
二 ナショナル・メディアとしてのテレビ
三 解体するナショナル・メディア
四 ナショナルな語りの逆襲?
5章 ナショナリティの彼方へ
一 拡散するナショナリティ
二 「戦後」の現像の解体
三 ディアスポラ的な空間の可能性
6章 沖縄の問い
一 沖縄が問いかけるもの
二 日米をつなぐオキナワ
三 沖縄海洋博と開発主義
四 「ちゃんぷる文化」をめぐるまなざし
五 さざめく公共空間
〈対談〉 新しい公共空間を求めて
文献一覧
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:小辻 寿規