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『歴史/修正主義(思考のフロンティア)』

高橋 哲哉 20010126 岩波書店,121p.

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last update:201620160810

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高橋 哲哉 20010126 『歴史/修正主義』,岩波書店,121p.  ISBN-10:4000264346 ISBN-13: 978-4000264341 1400+税  [amazon][kinokuniya] ※

■内容

冷戦終結後に突出した「民族」とナショナリズム。1990年代後半に登場した日本版歴史修正主義。 「悔悛のグローバリゼーション」といわれるほど広がった歴史の負債を「清算」する動きに対して、修正主義の台頭もまたグローバルな現象である。 侵略戦争や植民地支配の記憶と証言が「忘却の政治」に曝されている。 激化する〈物語と記憶の抗争〉の現在に分け入って、いかに判断すべきか、何にコミットメントするのか、歴史への責任を果たすのか。 戦争責任/戦後責任、植民地支配責任をめぐる現代日本の論争という「出来事」のただなかで、歴史の再審にむけた法の脱構築がいま始まる。

■著者略歴

1956年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得。専攻は哲学。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教授。 著書に、『逆光のロゴス―現代哲学のコンテクスト』(未来社、1992年)、『記憶のエチカ―戦争・哲学・アウシュヴィッツ』(岩波書店、1995年)、 『デリダ――脱構築』(講談社、1998年)、『戦後責任論』(講談社、1999年)など。共著に、『断絶の世紀 証言の時代――戦争の記憶をめぐる対話』(岩波書店、2000年)、 『私たちはどのような時代に生きているのか』(角川書店、2000年)など。共編に『「ショアー」の衝撃』(未来社、1995年)、 『ナショナル・ヒストリーを超えて』(東京大学出版会、1998年)、『戦犯裁判と性暴力』(緑風出版、2000年)など。

■目次

はじめに

I 歴史と責任
「罪人の子孫扱いなどもうごめんだ」
「子々孫々まで……罪人の如く」
「本質主義的」民族観の罠
責任を認める側にも同じ罠が……
「戦後の責任」を果たすことはポジティヴな行為
「国民としての責任」の同一性と差異
「終わり」ある責任と「終わり」なき責任
「国民」を語ることが即「共同体主義」ではない
「ナショナリティという善」?
「悼み」や「恥じ」は「責任」の引き受けに通じてこそ
「連累」という考え方

II 歴史と物語
ネオナショナリズムと「国民の物語」
「歴史の物語論」はどう答えるのか
「国民の物語」も物語られる
物語りの「倫理性」とは?
「批判的多元主義」とは何か?
メタ物語としての「歴史の物語り論」
「倫理主義」批判の背後にあるもの
柳田國男の「物語」論の問題
「常民」の「民俗学」の「イデオロギー批判」が必要
「忘却の穴」と「忘却の海」と
「物語えぬことについては沈黙せねばならない」のか?
「語りえぬものを物語ることの力」

III 歴史と判断
「物語」の抗争
「法的責任」の問題
「多様な物語がある」ではすまない
「弱者」にとって「闘い」とは?
「法」と「正義」をめぐる闘い
「判断すること」の意味
「女性国際戦犯法廷」の試み
東京裁判の「再審」
「人道に対する罪」の可能性
国際人道法の「脱構築」
「普遍性」の反転
「アメリカ」という問題

IV 基本文献案内

あとがき

■関連書籍

高橋 哲哉 20050410 『戦後責任論』,講談社,288p.  ISBN-10:4061597043 ISBN-13:978-4061597044 \1008  [amazon][kinokuniya]

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:竹川 慎吾 *増補:樋口也寸志北村 健太郎
UP:20100726 REV:20100727,20160810
哲学/政治哲学/倫理学  ◇個別性/普遍性・親密圏/公共性  ◇ナラティヴ・物語  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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