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『HIV感染被害者の生存・生活・人生――当事者参加型リサーチから』

山崎 喜比古・瀬戸 信一郎 編 200012 有信堂,212p.

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last update:20140612

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山崎 喜比古・瀬戸 信一郎 編 200012 『HIV感染被害者の生存・生活・人生――当事者参加型リサーチから』,有信堂,212p.  ISBN-10:4842065591 \2415  [amazon][kinokuniya][bk1] ※

■内容

日本の薬害HIV感染被害者が、生存・生活・人生の各次元で直面した諸問題を当事者参加型リサーチで明らかにする。98年 「薬害HIV感染被害者の健康・医療・生活・福祉に関する総合基礎調査」をまとめる。〈ソフトカバー〉

■著者紹介

山崎 喜比古
東京大学大学院医学系研究科健康社会学教室助教授。
瀬戸 信一郎
はばたき福祉事業団調査研究事業担当理事。

■目次

1章 日本の薬害HIV感染被害の歴史と現状
1.薬害HIVはどのようにして起こったか
2.被害に対する訴訟活動、そして和解へ
3.被害補償の期待,そして薬害根絶への願い(関由起子)
はばたき福祉事業団の設立とその取り組み(大平勝美)

2章 新しいスタイルと視点からの調査研究
1.薬害HIV被害者=当事者との出会い
2.当事者参加型リサーチと十全な計画準備の提案
3.答申書『薬害HIV被害救済に関わる調査研究のあり方について』の作成
4.「薬害HIV感染被害者の健康・医療・生活・福祉に関する総合基礎調査」の実施
5.当事者参加型リサーチと研究者(山崎喜比古)
◇ 参加型アクションリサーチの理想と実相(瀬戸信一郎)

3章 薬害HIV感染者の属性と健康状態像
1.調査の対象者と調査方法
2.調査回答者の属性と位置づけ
3.HIV感染と疾患の重複(片山千栄)
4.心身の健康状態(木村千香子)
◇ 終わりなき「内なるたたかい」と「外なる取り組み」ぶれ(瀬戸信一郎)

4章 HIV医療体制のあり方
1.受診・受療する医療機関
2.診療と医療者の対応
◇ 先駆的医療大切づくりへの模索

5章 医療への参加とセルフケア
1.HIV感染症治療の特徴
2.医療への患者の参加
3.代替療法の利用
◇ お任せ医療からの脱却

6章 就労・就学・社会参加と生計
1.HIV感染者の就労を考える枠組み
2.日々なにをして過ごしているのか
3.社会活動への参加
4.就学期の経験と今後の支援環境
5.就労率と働いていない人の支援環境
6.働いている人の状況
7.働くうえでの問題と働くことの意味
8.生計と暮らし向き
◇ 生き延びられるというジレンマ

7章 差別および差別不安とその影
1.薬害HIV感染被害者の生活とスティグマ
2.差別とプライバシー漏えいの問題
3.差別不安と日常生活
4.差別不安由来の自主規制とQOL
◇ 差別・差別不安を乗り越えるために

8章 サポートネットワークと病気開示
1.サポートネットワークとは何か
2.だれから、どのようなサポートを得ているか
3.サポートネットワークの広がり
4.だれに感染を知らせるか
◇ 開くことと閉じること

9章 ストレス対処能力SOCと生きがい
1.ストレス対処・健康保持能力SOCへの着眼(山崎喜比古)
2.ストレス対処・健康保持能力SOCの現状
3.社会人口学的な要因とSOCとの関係
4.心身の健康とSOCとの関係
5.生活および行動とSOCとの関係(伊藤美樹子)
6.生きがいの状況(木村知香子)
◇ 手ごわいストレスに共感的サポートを

10章 HIV感染の告知と説明
1.薬害HIV感染被害者にとって告知とは
2.遅れたHIV陽性告知
3.薬害であることと告知
4.不十分な説明
5.なぜ告知当時の説明が不十分だったか
6.家族任せの告知
7.告知の遅れに対する患者の怒り
◇ 感染告知と患者の現在

11章 被害認識と感情
1.なぜ被害認識と感情に着眼したか
2.薬害HIV訴訟被告への有責認識と怒り
3.医師への有責認識と怒り
4.マスコミ報道に対する思い

12章 被害構造と救済・恒久対策――福祉施策の視点から
1.薬害HIV感染者の被害構造の特徴
2.障害者福祉施策と薬害被害者救済
3.経済保障制度および就労・雇用支援制度の課題
4.望ましい福祉施策への提言

13章 今回の調査研究の意義と今後の課題
1.対象論的意義
2.方法論的意義
3.今後に残された課題

■引用

事業団設立準備の担当者たちがわれわれの研究室(東京大学大学院医学系研究科健康社会学・山崎研究室)を96年末に訪れたのが、 彼らとわれわれとの最初の出会いであった。(p.14)

98年5月末現在の存命の非加熱血液製剤によるHIV感染者数は約1,000人とされている。本調査では約500の調査票を配付し、 そして284票の回答を得ることができた。(p.14)

それまでも私たちはいろいろな関係者から部分的テーマについて、ある限られた地域・集団のなかで散発的に行われるアンケート調査に協力してきた。 同じような質問項目が度重なる。調査結果について十分なフィードバックがあるとはかぎらない。ゆえに問題解決に生かせるものが少ない。 「調査のための調査」というべきものに対して、私たち自身懐疑的になっていた。(p.26)

 上司や同僚にHIV感染を知らせている人は、就労者の二割で、「公務員」で三割、事業主では一人しかいなかった(p.81)

■書評・紹介

高山博 2001/02/20
薬害の悲劇,HIV。被害者たちの健康状態,生活状況,人生観などを詳細に調査。問題の全容を解明する。

■言及

立岩 真也 200103 「薬害エイズについての本」(医療と社会ブックガイド・3), 『看護教育』42-3(2001-3):


*作成:北村 健太郎
UP: 20040819 REV: 20120924, 20140612
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