4それはなぜ女性なのか
女性が広義の流れ作業に対して適正であるという偏見は適正論「仕事の性タイプ分け=sex-typing of job」と稼得労働の位置づけによる男女の違いの指摘つまり主要な稼ぎ手を男性で女性は家事担当という論によって正当化されている(p125~128)。前者は男性がよく選ぶ仕事がたまたま女性がよく選ぶ仕事より条件がいいだけという経営者側の論理によって正当化されており、後者は家事を自ら担おうとする女性は男性より仕事に対して仕事に対する満足の基準が低いため経過的な仕事(パートタイム)が適しているとなっているのだ。これらの偏見は企業の経営合理性と重なって性別職務分離へとつながって、分けられた仕事の内容の評価で女性の労働は低賃金にされる。「女性の仕事だから賃金が低い」という認識はペイ・エクイティの運動へとつながる(p132)。