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『希望の子――夫は血友病患者でHIV感染者』

家西 知加子 20000905 ワニブックス,185p.

last update:20120928

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■家西 知加子 20000905 『希望の子――夫は血友病患者でHIV感染者』,ワニブックス,185p.  ISBN: 4847013514 ISBN-13:978-4847013515 \1470  [amazon][kinokuniya] ※ b d/p

■内容

「それでも赤ちゃんを産むことは私たちにとって自然なことでした。」血友病患者・HIV感染者の妻が、夫との出会いから結婚、 自然な形での妊娠・出産までを綴った感動の物語。

■著者略歴

昭和42年、京都府生まれ。国会議員・家西悟氏の第一秘書。YWCAのボランティア活動をとおし、血友病患者でHIV感染者の家西悟氏と出会い、 結婚。大阪HIV薬害訴訟原告団の代表や、国会議員をつとめる家西氏を心身ともにサポートする。2000年7月に待望の第一子を出産。

■目次

プロローグ 出産
第1章 妊娠――待ちこがれて授かった我が子
第2章 出会い――ボランティア活動を通して
第3章 結婚――この人とともに人生を歩みたい
第4章 未来――3人家族のスタート
エピローグ 母へ
あとがきにかえて

■引用

プロローグ 出産
 わたしはHIV感染者やAIDS患者に対するボランティアグループの活動を通して主人と知り合い、結婚。2年目には、 どちらからともなく子供がほしいと思うようになっていました。そして、子供は自然な形で妊娠しよう、産むときも自然分娩で産もう、と主人と話し合って決めました。
 わたしはHIVに感染していませんでしたが、性行為をして子供をつくるとなれば感染のリスクはあります。感染率は低いものですが、もし感染したら、 という場合のことも考えた上で毎月、最も受胎しやすい時期を選んで行うようにしてきました。
 ところが何年経っても妊娠の兆候がなく、あきらめかけていたときに授かったのがこの子です。わたしたちの喜びを、お察しいただけるでしょうか。 わたしたちも、やっと人の子の親になれる。子どものいる家庭らしい家庭を築くことができるのだ、といううれしさで胸がいっぱいでした。
 その喜びを少しでも早く親に伝えたくて、すぐにわたしと主人の郷里である京都の実家へ電話をしました。その電話で両方の親が示した反応は、 わたしたちが子どもをつくったことに対する驚きと、わたしが感染しなかったかという怖れでした。それが世間一般の常識的なとらえ方だったのだと思います。(中略)
 わたしが感染しても、子どもには感染させないで産む方法があることを知っていたことや、ちゃんと育てていけるという気持ちが不安を払拭したのだと思います。


第4章 未来―3人家族のスタート
HIV感染者の男性を愛してしまった女性たちへ
 相手がHIVに感染している場合、真っ先に考えるのは周囲の偏見と差別ではないかと思います。この人と結婚したら、身近な人たちからも偏った目で見られはしないか。 差別的な言葉を投げかけられるのではないか。それに耐えられるほど自分の神経は太くない、というのであれば、感染者であることを公表しなければいいと思います。 (中略)
 問題があるとすれば、夫婦で子どもを望んだ場合にどうするかということではないでしょうか。わたしたちの方法では、可能性は低いとはいえ、感染のリスクが伴います。 わたしには、なぜか感染していないという確信めいた思いがありましたし、感染したとしても産もうと思っていました。
 そのときは、この病気に対して理解のある病院で帝王切開の形をとるなど、子どもには感染させない方法で産むつもりでした。(中略)
★萱谷宏医師の話……なるべく安全にご主人のお子さんを授かりたいということでしたら、精子洗浄法という方法があります。(中略)家西さんは、 この方法も熟知した上で自然に妊娠する方法をとられましたが、もし次のお子さんのことを考えるのでしたら、こちらの人工授精をおすすめしたいです。また、 ご本人も子どものためには健康体でいることが大事だ、というふうに考え方も変わるのではないでしょうか。それは母親としての気持ちが強くなったということで、 恥ずべきことではありません。それが当たり前だと思います。


あとがきにかえて
 HIV感染者の夫との間に自然な形で子どもをみごもったことで、世間の人たちからは「なぜ」という反応がたくさんありました。 わたしたち夫婦にとっては普通の妊娠・出産でしたが、どうしても理解しにくいことなのだと思います。(中略)
 しかし、何度も繰り返してきたように、これがわたしたちにとってはベストの選択でした。もし、わたしが感染したとしてもこの日を迎えていたことに変わりありません。 (中略)
 わたしは、この選択を同じ立場の女性におすすめしようとは思いません。(中略)
 誰かを好きになるのに、理由が先に立つ人はそれほど多くないのではないでしょうか。わたしもそうです。気がついたら主人のことを好きになっていましたし、 結婚するのが当たり前だと思っていました。
 自然な方法で出産するに際しては、新しい命に責任をとること、また、わたしが感染した場合のことも十分に考えた上、後悔しない選択をしましたので、 途中で不安になることもありませんでした。(中略)
 そして、わたしたち夫婦は「幸せ」という答えをえました。たまたま感染しないでラッキーだったのかもしれませんが、感染したとしても同じ答えだったと思います。 この幸せを、これからの人生で何倍にも膨らませていきたいと思っています。普通の家族よりもハードルの数は多いと思いますが、 それを乗り越えていけるだけの自信もあるつもりです。

■書評・紹介

■言及



*作成:山本 奈美 *増補:北村 健太郎
UP: 20080618 REV: 20081204,20120928
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