『グローバル/ジェンダー・ポリティクス――国際関係論とフェミニズム』
土佐 弘之 20000710 世界思想社,233p.
last update:20100506
■土佐 弘之 20000710 『グローバル/ジェンダー・ポリティクス――国際関係論とフェミニズム』,世界思想社,233p. ISBN-10:4790708209 ISBN-13:978-4790705741 \2200 [amazon]/[kinokuniya] ※ s f03
■出版社からの内容紹介
内容(「BOOK」データベースより)
批判的社会構築主義の射程。グローバル化過程におけるジェンダー・ポリティクスについて、ウェストファリア・システムという制度とその揺らぎとの関連で考察する。
内容(「MARC」データベースより)
グローバル化過程におけるジェンダー・ポリティクスについて、ウェストファリア・システムという制度とその揺らぎとの関連で考察する。
■目次
第1章 ウェストファリア・システムと家父長制の相補性――「男の国際政治」の遅すぎた脱構築?
はじめに――「国際政治学がジェンダー・ブラインドであった」ことの意味
1 ウェストファリア・システムの「権力・知」としてのリアリズム――誰のための正典か
2 ウェストファリア・システム、近代家族と家父長制の三位一体
3 戦争における家父長制権力の欲望の眼差し――定型的イメージとフェミニズム
4 家父長制権力の非軍事化――「平和的な女性」から「両性具有の平和」へ?
第2章 新しい情報様式とウェストファリア・システムの変容―脱領域的アイデンティティとしてのグローバル・フェミニズム
はじめに――「ポスト」の時代と情報コミュニケーション技術
1 テクノ・シニシズム――静態的リアリズムと存在論敵矛盾を抱えた主権国家
2 テクノ・オプティミズム――新しい情報用様式とグローバル市民社会
3 テクノ・ペシミズム――分極化と周辺的トライバリズム>
結び――新しい情報様式の光と影
第3章 戦時における性暴力の廃絶と“声/沈黙”の政治学―国際人権レジームの再ジェンダー化過程との関連で
はじめに
1 権力、規範と国際人権レジーム
2 国際人権レジームのジェンダー性とその再ジェンダー化
3 従来の国際人道法等における「戦時における性暴力」の取り扱い
4 国際人権レジームの再ジェンダー化過程の文脈で
結び――フェミニスト・エシックスの可能性
第4章 セクシュアリティのグローバル化と国際人権レジーム―人身売買・買春観光問題をめぐる言説のゆらぎ
はじめに
1 「白人奴隷」問題とモラル・パニック
2 人身売買・買春刊行の政治経済的系譜――東南アジアの場合
3 モラル・パニック、再び?――冷戦後の世界資本主義の深化と人身売買
4 人身売買、買売春に関する議論――フェミニズムの亀裂
結び――「自由な主体」という虚構と「清浄の追求」というアポリア
第5章 生殖をめぐる構造的権力の重層的関係と言説の変容―人口政策からリプロダクティブ・ヘルス/ライツへ
はじめに――生殖をめぐる構造的権力の重層的関係とフェミニズム運動
1 先進諸国におけるバース・コントロール運動――ネオ・マルサス主義、優生学とフェミニズム
2 「第3世界における人口問題」の政治化
3 ネオ・マルサス主義に対する「第3世界」諸国の抵抗と受容
4 「南の女性」の声と支配的言説の受容
5 プロ・ライフ運動に対する大連合とカイロ・コンセンサス
結び――「重層的な構造的権力からの自由」と「生命線の後退」との間で
おわりに ポスト・ウェストファリア・システムの制度的基盤――ポストモダニズムの倫理的宙吊りから戦略的本質主義としてのヒューマニズムへ
*作成:櫻井 浩子