HOME > BOOK

『不平等社会日本――さよなら総中流』


佐藤 俊樹 200006 中公新書,208p.


last update:20101011

このHP経由で購入すると寄付されます

佐藤 俊樹 200006 『不平等社会日本――さよなら総中流』,中公新書,208p. ISBN-10: 4121015371 ISBN-13: 978-4121015372 \693 [amazon][kinokuniya] ※ p0206

■内容(「MARC」データベースより)

実績主義や自由競争の市場社会への転換が声高に叫ばれている。
だがその「実績」は本当に本人の力によるものか。
筆者は社会調査の解析から、専門職や企業の管理職につく知識エリートたちの階層相続が戦前以上に強まっていることを指摘。
この「階級社会」化こそが企業や学校の現場から責任感を失わせ、無力感を生んだ現在の閉塞のゆえんとする。
一億総中流の果てに日本が至った「階級社会」の実態を明かし、真の機会平等への途を示す。


■目次

序章 『お嬢さま』を探せ!
 究極の規準
 生まれと育ち
 階層から社会を測る
 誘惑の『お嬢さま』
 戦後型システムの破綻
 「総中流」社会の崩壊
 二重底を断ち割る
 未来への素描
第1章 平等のなかの疑惑―実績VS努力
 選抜社会の理想と現実
 四つの配分原理
 実績VS努力
 負け犬の遠吠え?
 職業によるちがい‐W雇上と自営の逆転現象‐
 実績主義者=年功序列!?
 「実績」の虚実
 相続される学歴
 選抜システムの深い翳
第2章 知識エリートは再生産される―階層社会の実態
 1 「階級なき社会」の神話
  開かれた社会と閉じた社会
  開放性の測り方‐オッズ比・ファイ係数・開放性係数
  従来の定説は「開かれた選抜」
  平等化が進む戦後
  溶ける「中流階級」
 2 閉じた選抜システム
 データの落とし穴
 新中間大衆論の錯覚
 40歳時職に注目する
 「団塊の世代」での反転
 開放性バブルの崩壊
 「上/中/下」のイメージ
 知識エリートの再生産
第3章 選抜社会の空洞化―粘土の足の巨人
 1 「階層の戦後」の終焉
  縮まらない格差
  世代を超えた不平等の拡大
  W雇上の再生産が見えなくなる
  ホワイト/ブルー境界の横断
  一国一城の主になる
  解除された保護回路
  「階層の戦後」とは
  「可能性としての中流」の終焉
 2 新たな階級の出現
  出身による格差の動向
  閉鎖化するW雇上
  「知識階級」の誕生
  開く力と閉じる力
  経済成長と格差の固定化
第4章 「総中流」の落日―自壊するシステム
 選抜の意味の変質
 「責任」の空無化
 選抜システムの日本的特殊性
 自己否定するエリートたち
 学歴批判は「お約束」
 転換点は「団塊の世代」
 システムへの信頼崩壊
 W雇上になっても追いつけない!
 「努力をする気になれない」社会へ
 新たな希望‐熟練ブルーカラーの行き先
 「階層の戦後」を組換える
第5章 機会の平等社会への途―効率と公平
 1 日本型産業社会を組換える
  市場主義の射程と限界
  四つの課題
  プロフェッショナルと会社の相乗効果
  「カリスマ美容師」のシステム
  市場の欲望・市場の倫理
  B系専門職からW系専門職へ
  会社人間を組換える
  選抜機会の多元化
  教育改革の神話
  世代を超えた不公平の問題
 2 女神の天秤
  「情報リテラシー」と親の職業
  「情報化」が拡げる不平等
  個人の臨界・市場の臨界
  「実力本位」だけでは無意味
  機会の平等は「後から」しかわからない
  見えてくるのは二〇年後
  不確定性を吸収するしくみ
  機会の平等とセイフティネット
  胸をはれる実績社会へ
終章 やや長いあとがき
 解説1 SSM調査について
 解説2 検定と信頼区間について
 資料 表2・1〜6、表3・2
 文献

■紹介・言及

橋本 健二 20010523 『階級社会 日本』,青木書店,281p. ASIN: 425020118X \2835 [amazon][kinokuniya] ※

◇橋口 昌治 200908 「格差・貧困に関する本の紹介」, 立岩 真也編『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社


*更新:竹川 慎吾・樋口 也寸志
UP:20090815 REV:20100726,1007,1011
平等/不平等/格差  ◇格差・貧困に関する本の紹介  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME(http://www.arsvi.com)