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『医療的ケアって大変なことなの?』

下川 和洋 編 20000610 ぶどう社,160p.

last update:20110418

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■下川 和洋 20000610 『医療的ケアって大変なことなの?』,ぶどう社,160p. ISBN-10: 4892401463 ISBN-13: 978-4892401466 \1680 [amazon][kinokuniya] ※ als

■内容

1996年に行ったアンケート調査の回答に、「医療技術の進歩で在宅も可能となったというが、家族の負担が重すぎると思うこともある。後々のケアが十分でないのなら救命などして欲しくない。生きて地獄を味わうような医療技術の進歩など少しも人間の幸福にはつながらないと思う。」という保護者の意見がありました。どんなに障害が重くても家族と一緒の生活は幸せなことだと信じていた私は、大きな衝撃を受けました。  本のタイトル「医療的ケアって、『大変なこと』なの?」は、医療的ケアの必要な子どもと保護者の切実な声です。医療的ケアは、子どもたちがより楽に、より豊かな生活を送るための介護ですから、本当は「大変なこと」であってはいけません。しかし現実の地域生活では、医療的ケアがあるために子どもたちは逆に苦しい思いをしたり、生活を狭めたり、身体的にもQOLの面でも「大変なこと」になっているのです。本書を通してそのことを知っていただけたかと思います。それと同時に、社会の理解を広げることで「大変さ」を分かち合い、軽減する必要があると共感していただけたら、本書のねらいは達成されたと言っても良いでしょう。


■目次

出版によせて………………………………石井めぐみ(女優)
 マンガ・まおちゃんの一日………………茂木めぐみ(群馬・夢すばる)
1章 子どもと家族の暮らし
 やっぱり大好き、たのしい学校!………松下真由美(富山・保護者)
 教育を受ける権利が守られる喜び………西京絵子 (東京・保護者)
 生命の輝きを多くの人と共有しながら…西原由美(広島・保護者)
2章 医療的ケアへの願い
 この子らの笑顔を絶やさないで…………鈴木美香子(茨城・リトル☆スター)
 「チューブの会」をつくって……………伊藤秀敏(東京・チューブの会)
 一人だけの声にしてたらあかん…………川口ユキ(滋賀・医療的ケアを考える会)
 親たちが声を上げていかなければ………高橋薫(埼玉・医療的ケアを考える親の会)
 教員と保護者の信頼関係を大切に………谷口篤(全国肢体不自由養護学校PTA連合会会長)
3章 受けとめて、受けとめられて
 ひとりの子どもとして……………………藤浪ゆかり/吉田麻衣(横浜・新治養護学校)
 子どもの内面形成を考えながら…………浦野明美/原田文孝(兵庫・加古川養護学校)
4章 東京における取り組み
 村山養護学校の実践の歩み………………白鳥芳子(東京・八王子東養護学校)
 指導医の仕事と願い………………………舟橋満寿子(東京・東京小児療育病院)
 医療的ケアを授業の中身に………………大石恒子 (東京・町田養護学校)
 先生への信頼から安心へ…………………遠藤京子 (東京・村山養護学校)
5章 全国の状況
 各地のとりくみと医療的ケアをめぐる動き…下川和洋(東京・府中養護学校)
6章 問題の解決にむけて
 基本的問題について共通認識を…………北住映二(心身障害児総合医療療育センター)
 教育上の位置づけと教員のかかわり……村田茂(国立特殊教育総合研究所名誉所員)
 医療的ケアの正当性………………………鹿内清三(国際医療福祉大学)
 北米・北欧の状況と日本の課題…………杉本健郎(関西医科大学男山病院)
7章 地域生活を支える
 家庭・学校・医療・福祉の輪……………三宅捷太(横浜・保土ヶ谷保健所)
 病院から在宅への移行を援助する………糀敏彦 (東京・武蔵野赤十字病院)
 在宅生活を支える訪問看護………………目黒つね子(東京・保健婦)
 ファミリーサポートの中で………………曽根直樹(埼玉・ファミリーサポートセンター昴)
8章 まとめ
 子どもと家族のQOLの向上を願って…下川和洋(東京・府中養護学校)

 資料「要望書」補足説明書
 親の会・研究会一覧


*作成:大野 藍梨
UP: 20110418
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