『なぜ公立高校はダメになったのか』
小川 洋 20000410 亜紀書房,231p.
■小川 洋 20000410 『なぜ公立高校はダメになったのか』,亜紀書房,231p. ISBN-10: 4750599034 ISBN-13: 978-4750599038 \2,310
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■内容
ドイツは高度成長期に1850万人の外国人労働者を受け入れ、いま様々な局面でその後遺症に悩まされている。日本では戦後復興から高度成長にかけて、3大都市圏に2500万人の人間が流れ込んだ。その人々がやがて“郊外”へと移り住む…。教育の荒れ、公立高校の凋落、偏差値追放、あらゆる問題の根はこの“人口大移動”に胚胎されていた。―鮮やかな切り口で高校教育迷走の正体を探る。
■目次
序章 公立高校の凋落
公立高校の凋落
高校の序列と社会階層
私立高校台頭の背景
文部省の改革・地方の改革
第1章 “二つの階層”の出現
1 若年人口の移動
農村から都市へ
新規中卒者たち
彼らはどこに迎えられたか
集団就職
「金の卵」たちの都会生活
移動の停滞と成長の終わり
2 都市出身者
3 郊外都市
4 共通性と差異
第2章 学校の“荒れ”と大学進学率の停滞
1 校内暴力の激発
舞台となった郊外
対教師暴力と二つの階層
二つの階層と学歴関心
「しつけ」をめぐって
二つの中学校像
「プロ教師の会」とは何か
2 大学進学率はなぜにとまったのか
大学進学率の停滞
誰が大学に向かったか
なぜ67年にピークが来たか
再生産された社会階層
第3章 公立高校、急増設の波紋
1 遅れてきた都市問題
第二次ベビーブームと高校
急増対策
公立普通高校の増加
2 普通高校の新設がもたらしたもの
中間層に敬遠された公立高校
「多様化校」・「底辺校」の出現
3 公私逆転の動き
浮かび上がった私立高校
低学力層の受け皿になった公立新設校
第4章 公私逆転の真相
1 八〇年代の進学事情
大学「総難化」の時代
首都圏高校生の私大志向
私大志向と公私逆転
2 私大受験向け学習の成立
普通科の弾力化
教育課程の弾力化
保守的な公立・柔軟な私立
高校の新たな序列
3 埼玉県の高校教育事情
第5章 的はずれの業者テスト廃止問題
1 繰り返された業者テスト批判
最初の業者テスト批判
92年の業者テスト批判
教育長の真意
2 文部省の登場
利用された新聞
常識的な結論と強引な通知
業者テストが追放されたのか
3 偏差値追放元年
新入生で溢れる私立高校
受験生はどう働いたか
入試の変更がもたらしたもの
中退者の激増――埼玉の94年度入学生
入試改革の帰結
第6章 突き進む市場主義的改革
1 臨教審以降
2 「新しいタイプの高校」構想と総合学科
総合選択制高校
さまざまな特例
選択制カリキュラム――私大受験への対応
総合学科は高校教育をどう変えるか
3 進学対策としての単位制高校
単位制高校の変質
単位制高校の挫折
もうひとつの限界
4 中高一貫教育をめぐる議論
導入へのためらい
中高一貫校は成功モデルか
私立一貫校に向かった人たち
公立一貫に誰が来るのか
公立一貫校の課題
5 学校教育の公共性
終章 「高校入試全廃」の提言
いま何が問題か
圧力釜
相対評価と空虚な競争
階層の固定化――ドロップアウトの増加
高校入試と学力低下
早期教育と学力低下
どう改革するか
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:影浦 順子