『「排除と包摂」の社会学的研究――差別問題における自我・アイデンティティ』
八木 晃介 20000320 批評社,430p.
■八木 晃介 20000320 『「排除と包摂」の社会学的研究――差別問題における自我・アイデンティティ』,批評社,430p. ISBN-10:4826502974 ISBN-13:978-4826502979 \3,200 [amazon]/[kinokuniya] ※ d04
■内容
出版社/著者からの内容紹介
部落差別論を土台に「ケガレ」を巡る排除と包摂、「聖なるもの」と「賤なるもの」の対構造を社会科学的分析方法で明らかにしつつ、部落差別の今日的現象の実態分析を通して、解放政策を具体的に提起する。おなじみ「文学部ただの八木教授」の最新論文集!
■目次
序
第1部 理論研究篇
第1章 解放・平等・同化のトリレンマ――部落問題の社会学
第1節 問題の所在
第2節 社会過程としての<部落民>
第3節 部落の構造変動と<部落民>アイデンティティ
第4節 <部落民>アイデンティティの管理と教育
第5節 「ハビトゥス変換」と運動の二重規範
第6節 「部落史」見直し作業の社会学的変容
第7節 結論
第2章 差別撤廃政策と被差別アイデンティティの変容――アファーマティヴアクションと「同和」対策特別措置
第1節 問題の所在
第2節 アファーマティヴアクションと「同和」対策特別措置
第3節 転換期の問題展開
第4節 結論=オルタナティヴ・アクション・プラン
第3章 「内」と「外」の弁証法――「アイデンティティのための他者」論
第1節 問題の所在
第2節 「異質な他者」としての両義的第三項
第3節 排除的コミュニケーション
第4節 ヴァルネラビリティの排斥
第5節 結論
第4章 「境界」論への自我論的再接近――アイデンティティ・ポリティクスの周辺
第1節 問題の所在
第2節 アイデンティティの運動論
第3節 自我論の運動論
第4節 結論
第5章 「排除」と「包括」の社会学――ジンメル社会学におけるストレンジャーと差別
第1節 問題の所在
第2節 strengerの社会学
第3節 inclusionとexclusionのせめぎあい
第4節 conflict-theoryと差別・排除
第5節 結論
第6章 排除と受容の二元論――<ケガレ>の関係論的意味
第1節 問題の所在
第2節 社会関係としての排除過程
第3節 ケガレの日常的意味形態
第4節 ケガレの積極性と差別
第5節 結論
第7章 自己・非自己・他者のトリアーデ――反差別の脱物象化
第1節 問題の所在
第2節 自我の社会性と主体性
第3節 自己決定と他者共鳴
第4節 自己免疫主体としての「私」
第5節 結論
第2部 調査研究篇
第8章 部落問題の社会調査論
第1節 実践的調査
第2節 心理学主義
第3節 倫理的要請
第4節 自由回答
第5節 実践的調査
第6節 結論
第9章 部落青年層のアイデンティティ状況
第1節 調査の概要
第2節 「私」にとっての部落差別
第3節 部落解放運動への位置
第4節 「意味ある他者」との関係
第5節 部落民衆への自他の視線
第6章 結論
第10章 自我論としての<部落民>
第1節 問題の所在
第2節 全体的な印象と問題点
第3節 被差別の状況と自我概念
第4節 「意味ある他者」と準拠集団
第5節 自他のまなざしと視界の相互性
第6節 結論
第11節 「差別意識」の推論構造
第1節 問題意識の所在
第2節 言説摘出の手続論――<寝た子を起こすな>を中心に――
第3節 <逆差別>意識の言説分析
第4節 結論
第12章 人権意識の変容とその方向性
第1節 問題の所在と方法
第2節 言説パターンの状況
第3節 消極的・否定的意見の推論構造
第4節 暫定的総括
結論
引用文献
事項牽引
人名牽引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:本岡 大和