『見世物稼業――安田里美一代記』
鵜飼 正樹 20000331 新宿書房，325p.
last update:20150219
■鵜飼 正樹 20000331 『見世物稼業――安田里美一代記』，新宿書房，325p.
ISBN-10:4880082627 ISBN-13:978-4880082622 \3000＋税
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■内容
ナイフを飲み込み、安全カミソリを飲み込み、金魚を飲み込む。そしてガソリンを飲んで火を吹く……。
最後の見世物小屋芸人「人間ポンプ」安田里美。出会って12年、亡くなって4年。最後の見世物小屋芸人「人間ポンプ」安田里美への膨大な聞き取りテープをもとに、
気鋭の社会学者がゲテモノ芸から昭和の見世物業界史を照らし出す。
■目次
プロローグ
一 四つのときにもらわれて
出生
本名・山本丑松、芸名・安田里美
見世物に出る
ケッカイ／抱かれて木戸から中へ／「浦島太郎が現れた」
千本家静・都家蝶々一座
ハコ打ち／蝶々の『私のラバさん』／羽織も着物も長襦袢も腰巻も竹に雀／漫才の相方ゴリヤン
漫才の中ネタ
『お半長衛門』／『宝蔵の出会い』／『江戸の纏振り』／『三曲漫才』
萩村雷山と気合術
「今晩夜中の三時に起きィ」／頭で瓦を割る／師匠と弟子／「学校は一年しか行ってないん」
二 芸を覚えた青年時代
十界
地獄極楽のタンカ／押し絵の人形
伊藤興行社
カニ男と鉄の胃袋／カニ男巡礼打ち／人間ポンプまがいのこつを覚える／樺太
安田のオヤジんとこに帰る
クモ娘／兵隊検査／ステージ東京
安田サーカス
サーカスの荷下ろし／一丁ブランコ・五丁椅子
場内サーカス
川筋回り／天井板をぶち抜く／町回り／空襲
三 戦中戦後の興行
戦時中の苦労
「盗んで食わざるをえないの」／電気の球と物々交換／「お兄さんお食事どうですか」／米子さんの衣装箱
芝居
剣劇芝居／ドロンして芝居に／芝居のせりふ／九州の劇団／「こんな、くさり犬が」
終戦
昭和二十年八月十五日／進駐軍慰問
浪曲マジックショー
ドロン／一人で田舎回り／「一人やけどうまいことやりよったわ」／食わんがために／松下サーカス
四 春子さんと出会う
桐口進興サーカス
「サーカスあり、踊りあり、唄あり、剣劇あり」／米興行・するめ興行／節劇・チンピラ劇団／当てもん／加治木劇場の実演
終戦後初めての見世物
渡辺さんのコモノ／千日前の見世物総合博覧会／長男誕生／サーカスに戻る／サーカス解散
五 安田興行に戻る
見世もんで今日まで
女ターザン／タコ娘・水中美人／「驚異の胃袋人間ポンプ」／ヒロポン
横舞台
演芸は二時間十分／学校回り／信夫家亀ちゃん／『嵐の中の三兄弟』
キャバレー回り
夫婦で月給一万円／「一晩のうちに四本かけもちやった」／キャバレーの舞台裏
六 二代目を継ぐ
自分の荷を組む
「ピンからキリまで全部変えた」／荷下ろしは大雪／北海道の初旅／テレビ出演／病院でやった人間ポンプ
お化け屋敷
お岩大明神へごあいさつ／大須大道町人祭と寺山修司
人間ポンプ・ライブ
七 因果もの・ネタもの
因果もの
ツノ男／コブ男／ツル男／提灯おばさん／ボチャ／クマ娘／山鳥男・山鳥娘・ブドウ男／ダルマ娘中村久子／カニ男・カニ娘／ウシ娘ナミちゃん
ネタもの
テッカリモン／水中美人・火中美人／ネタものいろいろ／人間変化／電気人間／佐夜の中山夜泣き石／七不思議
八 大荷・中荷
動物を使う見世物
マキツギ／ボーヤン芝居／猿犬サーカス／ナツカケ／チュウチュウ／猫の踊り／クダン
大荷
中荷と大荷／サーカス／サーカスの口上
中荷
オートバイサーカス／人形芝居／女相撲／やれ吹けそら吹け／ストリップ／衛生博覧会／古い興行師
九 興行と呼び込み
興行のいろいろ
ヒガブクロのサイカ打ち／ヒガブクロのチョウタ打ち／トウナワ打ち／バンセイ打ち／巡礼打ち
タンカ
アラタンカ・ナキタンカ・ダラタンカ／マキツギのアラタンカ／マキツギのナキタンカ／ダラタンカ／タコ娘のナキタンカ／タコ娘の巡礼打ち／タンカとネタ
／メクラ木戸／ゲソドメとダシオイ
十 マルチ芸人
マジック
「何でも芸ごとでやらんもんないな」／小ズマ・中ズマ・魔術／万国トリック術
鳴りもの
太鼓／チンドン／ドラム／ハモニカ／替え唄／心霊術釜鳴り／浪曲
ノゾキカラクリ
チュウヤモンとポンイチ／ノゾキカラクリ節
十一 人間ポンプ
人間ポンプには師匠がいない
黄花園で見た人間ポンプ／人間ポンプの練習／どこで止めるか
人間ポンプの秘密
碁石／五十円玉と鎖／安全カミソリの刃／ガソリン／金魚／「まだほかに飲むもんは何でもあるよ」
ライバル意識
園部志郎／にせもの／台湾で死んだ弟子／「何でもやろうと思やでける」
エピローグ
あとがき
■関連リンク
◇見世物学会公式ホームページ
■引用
■書評・紹介
■言及
＊作成：竹川 慎吾 ＊増補：北村 健太郎