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『患者支援の処方箋――疾患からみた福祉活用事例集』

淀川キリスト教病院医療社会事業部 20000201 プリメド社,286p.


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■淀川キリスト教病院医療社会事業部 20000201 『患者支援の処方箋――疾患からみた福祉活用事例集』,プリメド社,286p. ISBN:4938866137 ISBN-13:978-4938866136 \3045 [amazon][kinokuniya] ※ a02

■内容(「BOOK」データベースより)
社会的支援体制づくりが不十分な現時点では、生活習慣病に対して予防的な対応を行うことはむずかしく、対症療法的な自助努力によって問題解決を図っていくしか術はない。そのためには、既存の社会福祉・社会保障制度を十分に理解、活用して自らの力で道を切り開いていくしかない。本書では、それぞれの制度での活用頻度が高い部分にのみ絞り、豊富な事例を使ってピンポイントで解説を加えた。

■出版社/著者からの内容紹介
〈患者さんはこんなに悩んでいる〉病院をおとずれる患者さんのなかには,病気の苦痛以外にもさまざまな悩みを抱えている人がいる。たとえば,医療費の支払いが困難である,退院したもののどこに帰っていいかわからない,手術を受けるようにいわれたが不安だ,一家の大黒柱が倒れて急に困窮するようになった,また,未婚の母としての出産としての不安,奇形児を出産した親の不安など,人によってその悩みもさまざまで,また医療者が思いもかけない悩みをかかえている患者さんも実際には多い。
〈その悩みに対応してくれる専門相談員が少ない〉これらの悩みを解消するために不十分ながらさまざまな医療制度,福祉制度があるが,これらの制度は困っている当事者自身が申告してはじめて利用できるものである。したがって,その制度の有無を知らないとまったく利用できないことになる。そのような相談に答える専門職にソーシャル・ワーカーがいるが,その専門家が少ないのが今日の医療でもある。 〈専門家以外でも医療・福祉制度を理解できる本〉そのため,福祉の専門家でない人が相談を受ける場合が多いのが実情である。しかし,医療制度や福祉制度を理解するための参考書では,どうしてもなじみのない用語が並んだ制度が解説されたものがほとんどである。本書は,制度面から理解する福祉ではなく,まず患者さんの病気や悩みの背景からどのような制度が利用できるかを考えるために用いられることを目的とした。また,適用できる制度をさがすだけでなく,たとえば60歳未満での脳卒中で寝たきりの患者さんの例など,どうしても通常の制度から漏れるようなケースの患者さんや家族を支援するためにあらゆる手段をさがし,そのための方策を紹介する本でもある。

■目次
1. 歩行困難にもかかわらずヘルパーの介入を拒否する独居の72歳肺癌患者のケース
2.独居ながら他人の訪問を嫌いヘルパー派遣を望まない82歳のケース
4.家族の介護に限界があるものの気管切開により施設入所も困難な73歳患者のケース
6.在宅療養を希望するものの家族の介護力が低い脳梗塞患者のケース
8.二度の脳梗塞による障害で経済面に不安が生じた30代の自営業者のケース
9.肝炎によって廃業せざるをえなくなった独居の自営業者のケース
12.C型肝炎の入院加療中に解雇となり医療費と保険で不安を生じた患者のケース
13.糖尿病による入院の繰り返しで退職し,保険の切り替えを考慮した患者のケース
16.入社2ヵ月後の休暇中の事故で頸椎を骨折し重度障害になった若い社員のケース
17.退職後に離婚し無保険のうちに喘息発作を起こした母子家庭の母親のケース
19.交通事故により片麻痺と失語症が残り所持金もない住所不定者のケース
25.3級障害厚生年金受給中の患者が復職後の厚生年金加入に疑問を感じたケース
28.戸籍の有無が不明のため老人保険証が発行されなかった71歳患者のケース
29.健康保険に偽名で加入したため,婚外子の出生届を出せずにいた女性のケース
32.糖尿病性壊疽により両下肢切断となった大工のケース
33.下肢切断,長期入院で就労不能となり生活に困窮した季節労働者のケース
36.人工透析を導入することになり,仕事・家計の不安を訴える患者のケース
37.働き盛りで人工透析導入となり,常勤が可能であるか不安になった患者のケース
39.過去の仕事による塵肺に対して労災申請を躊躇する患者のケース
40.職場の事故で頭部外傷を負い,重度の障害が残った患者のケース
42.突然の難病発症で退職の不安と経済面の不安を抱える患者のケース
43.身体障害の障害認定日には障害等級に該当しなかった舞踏病患者のケース
44.極小未熟児の長期集中医療に対する医療費に不安を訴える夫婦のケース
46.先天奇形児の経過と手術費用を心配する両親のケース
47.未熟児のため長期間の育児休業が必要となり公的給付金を必要としたケース
50.将来にわたって生計の自立ができないと考えられる成人の知的障害者のケース
51.うつ病の自殺念慮で入院が必要になり退職勧告の不安がある患者のケース
53.健康保険や雇用保険未加入の日雇い労働の男性が入院したケース
55.失業後,雇用保険給付を申請しないままに胃潰瘍で入院が必要となった患者のケース
56.中国残留孤児の家族(中国籍)が結核に罹患し入院が必要になったケース
57.観光ビザで来日し,クモ膜下出血で入院手術が必要となった外国人のケース

■引用
 日常の生活習慣を変えることは自分一人にかかることでなく、自らがおかれている(意識しておいているとのいえる)社会環境、たとえば所属している職場のリズム、自らのQOL(生活の質)や専門性を高めるために積極的に行っている社会活動などとの絡みもあることから、なかなか生活習慣を改めるということはむずかしい。(p2)

 ごく一般の方向けに、ただでさえ難解な制度の解説をこれでもかと網羅するのではなく、それぞれの制度での活用頻度が高い部分にのみ絞り、豊富な事例を使ってピンポイントで知っていただけるような書物を出版してはどうだろうかと考え、つくりあげたものが本書である。(p3)

■書評・紹介

■言及



*作成:櫻井 浩子 
UP:20081030 REV:
介助・介護  ◇身体×世界:関連書籍 2000-2004  ◇BOOK
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