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『「なぜ」から学ぶ生命倫理学』

松川 俊夫 20000125 医学芸術社,246p.


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■松川 俊夫 20000125 『「なぜ」から学ぶ生命倫理学』,医学芸術社,246p. ISBN-10: 4870542102 ISBN-13: 978-4870542105 2730 [amazon] ※ b d01 t02

■出版社/著者からの内容紹介
医療倫理の中心が、医師の親心的決定(パターナリズム)から患者の自己決定へ、患者の自己決定から公共的な決定への移動し続けている。現在、臨床の現場で多く問題になることは、末期癌の患者さんに対してどういう選択の決定方式をしたらいいのかという問題である。つまり、患者の自己決定権は、どのようにして発揮されるのかという問題である。長期の治療期間を要する生活習慣病の治療方針の選択に際して、患者自身でなければ判断がつかないような生活の質にかかわる決定では、どうしても患者の自己決定権を重視せざるをえない。また、安楽死、宗教上の理由による輸血拒否、脳死状態からの臓器の摘出では、患者の医師を尊重しないと、医師の行為が刑事上の犯罪とみなされる可能性がある。だから、医師の親心的決定(パターナリズム)から患者の自己決定へという中心の移動が一見さりげなく、しかし医療の社会体制の根底を揺るがすようにして起こっている。『「なぜ」から学ぶ生命倫理学』という表題が切実さをもつのは、そのためである。1999年11月に読売新聞のスクープで明らかになった、ウシの卵子にヒト由来の細胞核を移植するという実験例が示しているように、クローン技術のヒトへの適用の限界はどこにあるのかという問題は、その技術開発が公共の利益にかなうかどうかとう点から議論される。そこに見えて来るのは、細胞工学の倫理基準をどう定めるかという問題である。こうした未来型の技術開発に直面した時にも、本書の表題が切実さをもってくる。本書では生命倫理の基本的な問題から最新の状況までを、非常に分かりやすく説明している。時代の大きな流れと、具体的な状況での判断の指針とを同時にこれほど印象的に理解できる書物はほかになと思う。
〔「推薦のことば」(加藤尚武(京都大学大学院文学研究科教授)より抜粋〕

■内容(「MARC」データベースより)
遺伝子診療をどこまで認めるべきか、尊厳死や脳死をどう考えるべきかなど具体的な問題から、臨床に役立つ「生命倫理」について考える。2000年刊の改訂版。

■出版社からのコメント
看護師が避けて通ることのできない「生命倫理」の問題を、ときに楽しく、ときに真剣に問う全25章。具体的なクエスチョンから臨床に直結する「生命倫理学」を学ぶ。

■目次
・chapter1 生命倫理学とは何か ・chapter2 生命倫理学の原則 ・chapter3 健康とは何か
・chapter4 ケアとQOL ・chapter5 生殖革命 ・chapter6 人工妊娠中絶 ・chapter7 人格
・chapter8 うそつき ・chapter9 パターナリズム ・chapter10 医療制度
・chapter11 インフォームド・コンセント ・chapter12 医療従事者の職業倫理(1)非常事態に対処する
・chapter13 医療従事者の職業倫理(2)医療を拒否するとき
・chapter14 医療従事者の職業倫理(3)医療従事者間の関係
・chapter15 医療従事者の職業倫理(4)患者にどう接するか ・chapter16 心霊医療
・chapter17 医学実験 ・chapter18 代理同意 ・chapter19 海外援助 ・chapter20 日常生活上の健康被害
・chapter21 ゲノム解析 ・chapter22 臓器移植(1) ・chapter23 臓器移植(2)ドナー不足
・chapter24 尊厳死・安楽死(1)医療従事者と死 ・chapter25 尊厳死・安楽死(2)


UP:20071117 REV:2007
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