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『自分らしく死ぬ――延命治療がゆがめるもの』



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Callahan, Daniel 2000 The Troubled Dream of Life: In Searh of a Peaceful Death, Gerogetown University Press.=20061001 岡村 二郎 翻訳,『自分らしく死ぬ――延命治療がゆがめるもの』,ぎょうせい,282p. ASIN: 4324080410 3000 [amazon][kinokuniya] ※ d01

内容(「MARC」データベースより)
医療と死と人間の関わり方はどうあるべきか。前半では「死」に対する現状の分析(良くない現状)と、どうしてそうなったのかを検証。後半では代案となる取り組み方を提示する。安らかに死を迎えるための書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
カラハン,ダニエル
1930年生まれ、1957年ハーバード大学で博士号取得。医療倫理について、アメリカで最も著名で著書・論文が引用されることの多い研究者である。1969年から1996年まで、ニューヨークにあるヘイスティングスセンターの共同設立者であり、代表者であった(同センターは、医学、生物学及び環境における倫理的な課題の研究と教育のために設立された機関である)。1996年には、アメリカ科学振興協会から「科学の自由と責任」賞を贈られた。その他受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次・引用

序章 死は、私たち自身の終焉に相応しいものに形作られるだろうか?
第1章 最初の幻想―自分で医療の選択を統御する
第2章 死の衣を剥ぐ―自然の回復
第3章 最後の幻想―安楽死の法制化
第4章 死を免れない自己と生きる
第5章 自然、死、とその意味―私たちの終焉を形作る
第6章 安らかな死を求めて
第7章 見守ることと待つこと


序章 死は、私たち自身の終焉に相応しいものに形作られるだろうか?
第1章 最初の幻想―自分で医療の選択を統御する
 飼いなされた死 18
  「アリエスは…先んじていた」24 たぶん誤訳
 失われた飼いなされた死 25
 選択の貧困 30
 死を統御できるとする幻想 32
  「広まっていた不満、エリザベス・キューブラー・ロスの作品、多くの倫理的また法的な団体に刺激されて、「尊厳死」運動は、1970年代の初めから生まれてきた。」33
 技術上の瀬戸際戦略
 消えていく生と死の境界線 38
 前後と実践、願望と行動 45
 なぜ過去は取り戻せないのか 49
  「飼いなされた死は、もう一度可能になるのだろうか?それは望ましいものなのだろうか?」49
 安らかな死の創造 51
  「飼いなされた死」に対して「安らかな死」52
  「さらにはっきり言うと、その死は、冷静さとその人が目覚めて、意識ははっきりしていて、身体は自立している状態で生涯を終えようとしているという特徴がないといけない。だから、生命維持の機械によって肉体が維持されていたり、既に心と自覚とがとっくに失われた状態になっているのではいけない。」52
  「この章では、私は一つの解決策としての権利と選択を重視する動きは、かけられた負荷に耐え切れないことを示そうと努めて来た。」55

第2章 死の衣を剥ぐ―自然の回復
 医学は、どのようにして自然の道を見失ったか? 59
 自然の消失 63
  「多くのリベラル派の哲学者と神学者は、患者に[ママ]罹っている病気で死ぬのを容認することと、その患者を直接に例えば注射などで殺すこととの間には、道徳的に差がないと主張する。[…]
   多くの保守派の哲学者と神学者は[…]」65
 自然と人間の行動:区切る線が消えていく
 死すべき定め:犠牲者のせいにする 69
 ……
第3章 最後の幻想―安楽死の法制化
第4章 死を免れない自己と生きる
第5章 自然、死、とその意味―私たちの終焉を形作る
第6章 安らかな死を求めて
第7章 見守ることと待つこと


◆ハードカバー: 255ページ
出版社: Simon & Schuster (1993/08)
言語 英語, 英語, 英語
ISBN-10: 0671708309
ISBN-13: 978-0671708306 [amazon]

From Publishers Weekly
Modern medicine, according to medical ethicist Callahan ( Setting Limits ), believes that the many advances in biological research and new technology should extend life indefinitely. In clear, unmoralizing terms, and calling on apt literary and philosophical allusions, the author stresses that except for a reasonable desire for a "tame" death--which has fueled intense debates about legalization of "living wills" and euthanasia--we must relinquish the modern desire for ultimate control over the body's fate in order to prepare for the natural end of the human lifespan. He concludes that despite fears, suffering and high medical costs, if death is "to make sense," we must develop a "shared communal meaning," based on the fact recognized by both science and religion that "death itself is necessary for life."
Copyright 1993 Reed Business Information, Inc.

◆ペーパーバック
出版社: Zzz Books (1996/09)
言語 英語, 英語
ISBN-10: 5556743177
ISBN-13: 978-5556743175  [amazon]


■訳者あとがき等

 「[…]私は、最初の仕事で国民健康保険の発足に関わり、最後の仕事で介護保険の発足に携わったので、医療保険の動向には関心を持ち続けきた。
 昭和46年の東京都知事選で美濃部氏が老人医療費の無料化を旗印に圧勝して以来、高齢化の進展とともに老人医療費に伴う財政負担は増大を続け、財政制度、健康保険制度を揺るがすまでになった。そこで、別のポケットとして介護保険の制度が創設されたが、赤字の雪だるまは止まらない。
 例の物議をかもした「年寄りは 死んでください 国のため」という川柳も、その下に、「とはいうものの お前ではなし」とついているものと解釈しているが、年寄りは人に言われなくても、病気になって死ぬように体内時計がセットされている。日本では病気や死を容認することはタブー視されてきた観もあるが、近年やっと延命医療の是非がマスコミにも取り上げられるようになった(既に30年位前から、現場には課題としてあったようであるが)。
 著者の意見は、医療の財政的な側面だけではなく、患者の自己の維持、生の質、という側面からも医療保障のあり方を取り上げて具体的な提案に至り、説得力があるが、一歩間違うとポリティカル・コレクトネスの観点からの批判を招く危険もあるので、最新の注意が払われている。また、死生観には宗教的あるいは哲学的な価値の認識が随伴するが、著者のその人の属するコミュニティの問題として普遍化している。本者のような共通認識がベースになって、尊厳死の立法化などの議論が展開されることを期待したい。
                                岡本 二郎」(p.263)

◆訳者が送った手紙(入手した本にはさまれていたので全文引用)

 平成18年12月
 尊厳死法制化を考える議員連盟所属議員各位様
 [住所略]
 岡本二郎

 訳書「自分らしく死ぬ」の送付について
 私はかなり以前からの日本尊厳死協会の一会員ですが、このたびアメリカの医療倫理研究の第一人者Daniel Callahan氏の著作「The Troubled Dream of Life」(初版1993年、改定[ママ]版2000年)を翻訳いたしました。Callahan氏は、1986年の論文「Healthcare in the Aging Society」では、高齢者の医療に当てられる社会資源にも限界を設けないと次世代への配慮に欠けることになるとの警告を発しており、本書では高度の医療によって死が引き延ばされてもその人の生活の質は劣化して、人としての「自己」は保たれていない場合の多いことを指摘しております。
 本書は、そのほかにも尊厳死の法制化に当たって検討すべき事項の多くを含んでいると愚考し、僭越ながらご参考までに謹呈いたす次第です。ご笑覧いただければ光栄に存じます。」

◆「コミュニティのあり方問う 岡村さん(1959年法卒)が監訳『失われたまち』」(2002.7.11)  http://www.kobe-u.com/contents/topics/2002/topics_0207.html
 「政治学者のアラン・エーレンハルト著、岡村二郎さん(1959年・法卒、元神戸市役所職員)監訳の『失われたまち』が今年4月1日、ぎょうせい関西支社から出版された。
 コミュニティの生成と崩壊のプロセスを米国の事例に基づいて具体的に検証し、日本でのコミュニティのあり方を問う。岡村さんは「戦時中の隣組への反発が強く、また「自由へのこだわり」の強い世代が出てきて、地域への奉仕や義務づけを伴うコミュニティ活動は、あまり正面からは取り上げられてこなかった。視点を整理する必要がある」と監訳者あとがきで述べている。
 定価は2600円。購入は同社の担当・花田さん(電話06−6352−2271、メールSyuppan_Kansai@gyosei.co.jp)まで。「kobe-u.comのHPで見た」と言えば、2000円の割引価格で購入できる。」

http://randomkobe.cocolog-nifty.com/center/2006/10/index.html

http://hamatidori.cocolog-nifty.com/namihei/2006/10/index.html(2006.10.19)

■言及

◆立岩 真也 2015 『死生の語り・2』(仮) 文献表


UP:20070321 REV:
安楽死・尊厳死  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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