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武川 正吾 19991126 東京大学出版会,338p. ■武川 正吾 19991126 『社会政策のなかの現代――福祉国家と福祉社会』,東京大学出版会,338p. ISBN-10: 4130501445 ISBN-13: 978-4130501446 4800 [amazon]/[boople] ※ b ■目次 1章 労働経済から社会政策へ ――社会政策研究の再生のために 1 社会政策学の栄光と挫折 2 社会政策概念の日本的特殊性 3 問題設定の転換とその純化 4 社会政策学的問題設定の射程と限界 5 触媒としてのイギリス社会政策論 6 社会政策学の再生のために 2章 福祉国家の危機と繁栄の80年代 ――新保守主義的再編とネオ・コーポラティズム的再編 1 福祉国家の危機とは何か? 2 福祉国家の危機症候群 3 福祉国家の危機をめぐる理論 4 福祉国家の危機をめぐる現実 5 危機管理システムとしての福祉国家 6 ネオ・コーポラティズム的再編 7 新保守主義的再編 8 福祉国家の危機とは何だったのか? 3章 福祉国家の未来 ――成長問題とフレキシビリティ問題 1 まえがき、あるいは、あとがき 2 90年代の福祉国家 3 福祉国家における資本制と家父長制 4 福祉国家の成長問題 5 福祉国家のフレキシビリティ問題 6 出口なし? 4章 労働の未来と福祉国家 ――雇用労働・家事労働・ボランタリー労働のポートフォリオ 1 福祉国家の危機と未来 2 雇用労働の未来 3 非雇用労働の未来 4 雇用労働の未来と福祉国家 5 非雇用労働の未来と福祉国家 6 フレキシブルな福祉国家の展望 5章 転換期の社会政策研究 ――福祉国家形成と福祉国家危機の同時進行 1 社会政策学100年 2 1973年の意味 3 1980年代の変化 4 1990年代の混迷 5 社会政策学の再編? 6 日本型福祉国家と社会政策学 7 福祉国家と福祉社会 ■3章 福祉国家の未来 ――成長問題とフレキシビリティ問題 4 福祉国家の成長問題 (1)成長問題の起源 成長マシーン 成長への依存 (2)成長問題の諸相 高齢化と成長問題 地球環境と成長問題 (3)成長問題の解法 高齢化と「持続可能な発展」 多様な適合行動 製造業のゼロエミッション サービス化によるゼロエミッション 情報化によるゼロエミッション (4)もうひとつの成長問題 グローバル化による雇用の流出 雇用なき成長 雇用創出のジレンマ (5)成長問題IIの解法 労働力の供給制限 公共部門による雇用創出 低賃金サービス部門の放任 その他の可能性 「今日では、一般に、福祉国家は成長に依存すると考えられている。しかし当初の福祉国家は成長マシーンとして考案されたのであり、そのいみでは、成長の方が福祉国家に依存していたという点にも注意を払う必(p.160)要がある。」(武川[1999:160-161]) 「古典的な資本制システムの矛盾――需要の有限性と供給能力の無限拡大する運動との矛盾、これが「恐慌」という形で顕在化することによって、「資本主義の矛盾」の典型的な証明として語られてきた――ことの基本矛盾を、資本のシステム自体による需要の無限の自己創出という仕方で解決し、のりこえてしまう形式が、<情報化/消費化社会>にほかならなかった。」(見田[1996:30],武川[1999:160-161]に引用されている) (1)成長問題の起源 成長マシーン 「資本制システムはたえざる労働生産性の上昇を宿命づけられているが、生産性の伸びは、労働力人口が減少したり労働時間が短縮しないかぎり、労働力の余剰を生み出す。このため資本制システムは、完全雇用を実現するため、たえず成長を続けて新たな労働力需要を生み出していかなければなら(p.162)ない。成長こそが失業を回避する鍵である。この鍵を入手することができたからこそ、福祉国家はその安定的な存続を約束されたのであった。この意味で福祉国家は成長に依存していた。 このように、福祉国家の存在は、1.社会支出の財源調達と、2.完全雇用の達成という点で経済成長に依存していた。これら2つの点は、高成長が継続しているかぎり、問題として認識されることは少なかった。ところが、前章でみたように、70年代には、福祉国家が必要とする成長が止まる。そして、いわゆる「福祉国家」のなかで、それまで隠されたいた本質が露呈する。福祉国家は、1.財政危機と、2.高失業に陥った。」(p.163) (3)成長問題の解法 高齢化と「持続可能な発展」 「今日の先進諸国において、成長問題の解決をさらに困難にしている長期的かつ趨勢的な条件は、1.人口の高齢化と、2.地球環境問題である。前者は必要な成長の水準を引き上げ、後者は許容される成長の水準を引き下げる。」(p.163) (4)もうひとつの成長問題 「経済システムが……構造変動を遂げ、かりに高い水準の成長を実現することができたとしても、成長によって雇用の増加が見込めないならば、そもそも完全雇用にコミットする福祉国家は行き詰まってしまう。これはローマクラブが指摘したのとは別の意味で「成長の限界」の問題である。ローマクラブの「成長の限界」は自然資源の枯渇を背景としたものであったが、この新しい「成長の限界」は、経済システムによる雇用創出力の枯渇を背景とする。こうした形の成長問題が顕在しつつあるというのが、近年の状況である。」(p.177) UP:20070503(ファイル分離) REV: ◇BOOK |