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『異種移植――21世紀の驚異の医療』

山内 一也 19990924 河出書房新社,257p.

last update:20111011

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■山内 一也 19990924 『異種移植――21世紀の驚異の医療』,河出書房新社,257p. ISBN-10: 4309251196 ISBN-13: 978-4309251196 [amazon][kinokuniya] ot-0


■内容(「BOOK」データベースより)


脳死移植が実施されても、生命倫理の問題やドナー不足の現状は根本的な解決を見ていない。そこでこの数年、近未来の医療技術として脚光を浴びているのが、体細胞クローニング豚を使った臓器移植だ。―臨床医学、免疫学、ウイルス学、育種学、動物バイオテクノロジーといった諸学の成果を総合したこの学際的な先端医療の未来を、斯界の第一人者が、可能性とリスクの両面から掘り下げる。
内容(「MARC」データベースより)
体細胞クローニング豚を使った臓器移植が、近未来の医療技術として脚光を浴びている。この最先端医療の問題全般について、可能性とリスクの両面からまとめる。


■目次


まえがき 9
プロローグ ベビー・フェイの二〇日間 13
1 ヒヒの心臓を移植されたベビー・フェイ
2 異種移植が巻き起こした議論と波紋

第一章 移植の歴史 25
1 古くから存在した移植――神話の時代から近代まで
2 臓器移植への扉を開く――ウルマンとカレルの血管縫合
3 移植の基盤となった免疫学――メダワーとバーネットの貢献
4 拒絶反応を回避する手段――免疫抑制剤の研究と開発
5 一九五〇〜六〇年代の心臓移植――医療技術として確立するまで
6 動物臓器の人への移植――実験的治療の歴史と経緯
7 エイズ患者へのヒヒの骨髄移植――ウイルス感染をめぐる議論

第二章 臓器不足 67
1 移植医療が直面する課題――不足する臓器と増え続ける待機患者
2 臓器不足の解決策を求めて――臓器提供の促進と人工臓器の開発

第三章 異種移植の時代へ 81
1 ドナー動物として選ばれた豚――選択された理由と背景
2 超急性拒絶反応のメカニズム――抗体と補体の共同作用
3 超急性拒絶反応を回避する手段――補体反応のコントロール
4 遺伝子導入豚の研究開発――補体反応を阻止するアイデア

第四章 移植ドナーとしての豚 101
1 豚とはどんな動物か――起源と家畜化の歴史
2 生物医学研究での有用性――人によく似ている豚
3 微生物感染を排除した移植用豚――SPF豚の生産方式と応用
4 ドナー豚からの臓器移植――代替臓器としての可能性
5 豚胎児の脳細胞移植――パーキンソン病の治療
6 豚の膵臓・肝臓の細胞移植――糖尿病、肝臓病の治療

第五章 感染のリスクと対策 127
1 未知の危険なウイルス――エマージング感染症
2 動物臓器からのウイルス感染――異種移植に伴う感染の可能性
3 微生物学的安全性の確保――感染リスクの科学的評価
4 移植用豚から除去すべき病原体――細菌、ウイルスの確認と検出
5 豚内在性レトロウイルスの危険性――染色体に組み込まれたウイルス
6 ウイルスのレセプターとプリオン病――きわめて低い感染可能性

第六章 異種移植の倫理 157
1 生物医学と生命倫理――国際規範「ヘルシンキ宣言」
2 異種移植の倫理的問題――欧米での検討と報告書
3 科学的観点からの倫理性――ケネディ委員会の報告書
4 遺伝子導入豚から派生する問題――社会的影響に関する議論
5 臨床試験の実施に伴う問題――多岐にわたる検討課題
6 患者の視点からの発言――異種移植を体験した人々

第七章 動物福祉 179
1 動物実験と動物虐待防止運動――欧米の歴史と変遷
2 動物実験の国際的原則――「3R」と「人道的配慮」
3 西欧における動物観の歴史――宗教的、哲学的な背景
4 動物の解放と動物の権利――議論の時代を経て実践へ
5 異種移植と動物福祉――「豚の苦痛」対「人間への恩恵」
6 日本における動物福祉の現状――不明瞭な論理と倫理
7 日本の動物バイオテクノロジーと動物福祉――国際的規範とのギャップ

第八章 動物バイオテクノロジー 213
1 クローン羊の誕生と動物バイオテクノロジ――ー先端技術の背景
2 動物工場とクローニング技術の開発――医薬品製造の最先端領域
3 基盤技術としての発生工学――胚の人為的操作による動物の作出
4 体細胞クローニング技術――異種移植と動物工場の新たな展望
5 人のES細胞とEG細胞――医療と基礎研究における期待可能性

あとがき 238
参考文献 251
索引 257


*作成:植村 要
UP: 20111011 REV:
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