HOME > BOOK >

『「日の丸・君が代」が人を殺す!』

北村 小夜・天野 恵一 19990731 社会評論社,127p.


このHP経由で購入すると寄付されます

北村 小夜・天野 恵一 19990731 『「日の丸・君が代」が人を殺す!』 社会評論社,127p. ISBN: 4784505512 ISBN-13:9784784505517 1260 [amazon] ※ d/p

■内容(「MARC」データベースより)
戦争を具体的に担う国家へと戦後国家をつくりかえるガイドライン関連法案は成立してしまい、「日の丸・君が代」の法制化の動きも着々と進んでいる。「日の 丸・君が代」問題に率直な疑問を呈する対談。

■目次
1 暴力が強制する「日の丸・君が代」
沖縄「日の丸裁判」との関わり
「日の丸・君が代」と右翼テロ
学習指導要領による強制
処分される教師たち
象徴天皇制論の欠落
「緑の山河」と日教組
「沖縄祖国復帰」をめぐって
教育の戦争責任の問題

2 「日の丸・君が代」と戦争体験
人の心を駆り立てる「日の丸」
旗が競争をあおる
「国家」によりそう観念
「白地に赤く」という歌
戦争体験は届かないか
「断絶感」をどう越えるか
アメリカ製の「日の丸・君が代」?
「日の丸・君が代」法制化批判の視点

3 法制化にどう抵抗するのか
校長の自殺から始まった法制化論議
「君が代」の「君」は象徴天皇?
憲法論議の落とし穴
憲法論議の落とし穴
指導要綱の法的拘束力
抵抗の原理をどうたてるか
「少数者」の人権をどう保障するか

資料
あとがき(天野恵一)

■引用
[「まえがきにかえて(北村小夜)」より]
 私は(国旗及び国歌に関する法律案についての衆議院内閣委員会中央公聴会で)、日の丸・君が代にそそのかされて戦争をしてしまった体験から、再び繰り返 さないために廃案にして議論すべきであることを述べた。翌日の毎日新聞が「軍国少女を再びつくるな」と題してほぼ正確に要旨を伝えたが、私が「熱心に戦争 をした」といったところを「熱心に戦争を賛美した」と書いている。やはり伝わらないらしい。記者は武器を持って直接殺しあいをした人だけが戦争をしたと 思っているのだろうか。戦争は主として国家間の争いをいう。日本が戦争したのである。「国民」が挙って加担しなければ戦争はできない。そのために翼賛体制 がしかれ、異を唱える者が抹殺されるのではないか。私は戦争をしたのである。

[「あとがき(天野恵一)」より]
 時代はヒドイことになっている。戦争を具体的に担う国家へと戦後国家をつくりかえるガイドライン関連法案は成立してしまい、「日の丸・君が代」の法制化 への動きも、ぎりぎりまであきらめずに私たちは抵抗の運動をつくりだそうとしてはいるものの、国会での成立を阻止していく展望は、ほとんどないというとこ ろが現実である。
 この国会は、他の民衆の治安管理強化のための諸立法もめじろおしである。戦争をすることがあたりまえだという国家・社会へ向かって、日本は具 体的に踏みこみつつある。また、民衆の抵抗をむきだしの力づくで、あるいは情報管理・統制のパワーで抑え込んでいく、軍隊と警察の権力が飛躍的に増大する システムがうくられつつある。「愛国少女」世代の戦争体験、彼女や彼らから学んできた私(たち)戦後生まれの世代の運動体験。この「体験」の思想の肉体が ギリギリのところで問われる、そういう時代の入口に私たちは立っているようだ。


*作成:山本奈美
UP: 20080618 REV:20081204,20090811
北村 小夜  ◇平和公共哲学研究会  ◇国家  ◇身体×世界:関連書籍 1990'  ◇BOOK
TOP  HOME(http://www.arsvi.com)