『ホスピス――いのちと癒しの倫理学』
福本 博文 20020220 集英社新書,204p. ISBN: 4087201317 693
■小原 信 19990420 『ホスピス――いのちと癒しの倫理学』,筑摩書房,ちくま新書195,222p. ISBN-10: 4480057951 ISBN-13: 978-4480057952 693 [amazon] ※ d01.t02.
■筑摩書房のHP
・http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480057952/
ホスピスにおけるケアのあり方とは? 終末の日々をどう過ごすのか? アメリカやイギリスの現状を紹介しつつ、いのちと癒しの問題を生命倫理の視点から考える。
■著者 おばら・しん
・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%8E%9F%E4%BF%A1
■引用
「いまの日本の人口一億二〇〇〇万のうち、年間約一〇〇万人ほどが死亡し、そのうちの四分の一近くの二五万人が、がんで亡くなっています。そのうちホスピスで亡くなるひとは、二五〇〇人ぐらいだと言われています。後の大半のひとは、大病院で、本来ならいらない濃厚治療を受けて亡くなる人が多いのです。」([19])
第二章 ホスピスと生命倫理
「今後、末期医療の継続を資源の無駄づかいとみるなら、高額の移植医療にかかる莫大な費用の是非についてもじっくり検討すべきであろう。尊厳死や安楽死の論客には、ひとの<0117<いのちを安易にあつかう人がいる。例えばP・シンガーは、意識のある間だけ生命の価値を認め、意識のない生命には価値がないとして、中絶も障害新生児の殺戮も認めている。
ハイテク医療になれ平和ぼけした人間は、死の問題に「歴史」や「永遠」を結びつけない。皮肉なことに、医療が発達しても患者の数は減らない。むしろ人間の数が患者の数になる。その限りでは「医療は患者を製造する」(I・イリッチ)のだ。」([118])
■言及
◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表