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『無限充足――高田俊昭画文集』

高田 俊昭 19990210 ライブストーン,103p.

last update: 20101027

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高田 俊昭 19990210 『無限充足――高田俊昭画文集』,ライブストーン,103p. ISBN-10: 4795288720 ISBN-13: 978-4795288720 \2730 [amazon][kinokuniya] ※ 

■内容

・同書の帯より
原因も治療法も不明のALSは,全身が動かなくなり,話すことも呼吸することできなくなる過酷な難病.病魔に急かされるように絵筆をとり,いま,唯一わずかに動くあごで操作する光センサー・スイッチを駆使し,パソコンで文章をつづる.移ろいゆく季節の光と影を,心のぬくもりとともに――.

■目次

はじめに 2

木津川流れ橋 7
天神さんの石段 8
炭山の里 9
勧修寺の庭園 10
新緑の醍醐寺 11
松原橋から望む鴨川と比叡 12
早春の鴨川 13
朝焼けの鴨川 14
朝もやに霞む荒神橋 15
北山残雪 16
夕闇迫る大文字 17
医科大学の夕焼け 18
愛宕山遠望 19
随心院の梅園 20
ナホの夢 21
桜並木の名残雪 22
雪化粧醍醐山 23
宇治川 24
つぼみふくらむ桜並木 25
枝垂れ桜と五重塔 26
春の宇治川鉄橋 27
嵐山渡月橋の春 28
花の醍醐寺 29
若葉の仁王門 30
新緑の鴨川(賀茂大橋) 31
新緑の鴨川(荒神橋) 32
初夏の鴨川 34
理性院の藤棚 35
理性院の道 36
新緑の鐘楼 37
メリケン波止場にて 38
初夏の桜並木(仁王門) 39
初夏の桜並木(西総門) 40
雪の五重塔 41
旧奈良街道の松並木 42
白壁と桜並木 43
理性院の地蔵尊 44
長尾天満宮 45
夏日の桜並木(理性院への参道) 46
夏日の桜並木(仁王門への参道) 47
冬枯れの鴨川 48
「山がついてくる」 49
絶望の果てにあるもの 50
見えないものが見えてくる 52
幻想の湖 54
鴨川静夜 56
月夜の浜辺――イクチオステガの出現を待つ太古の湖 58
初冬の鴨川 60
栃の実茶屋 61
キリン草 62
山里の秋 64
杉木立 65
日吉の紅葉 66
青首だいこん 68
あかね雲 70
ひと気のない湖 71
気の真髄 72
ふるさとに続く道 74
鴨川の堤に立ちて 75
雑感 75
いつか,こんな絵を描きたい 77
これが障害者差別か 78
小さなグローブ 79
まだ生きられる 80
ある回答 81
童謡・唱歌の不思議 84
ただ存在するだけでいい 85
「お父さん,カッコイイ,カッコイイよ!」 86
おたべちゃんにナースの原点を見た! 88
「恋は遠い日の花火ではない」 89
こんな自分の人生が好きだ 90
父死す 91
ミントの香り 92
朝・光・希望 94
天使の足音&野獣の遠吠え 95
ALSと気と私 96

闘病の歩み 101
おわりに 102
制作年譜 103

■引用

・「ALSと気と私」より
気功は,発病まもない八九年から誤嚥で呼吸困難となり寝込む九三年までの四年間,自分にはこれしかないと,一日一回として千回以上は試みたであろうか(回数が多ければ良いというものではないが).
ついに気は宿ることなく,病状は悪化の一途をたどり,ALSに打ち勝つことはできなかった.
「このつかみどころのない気なるものを我がものとし,世界で一例目のALSからの生還者になって,世界中の同病患者に福音を説いて回ろう」なんて,夢のようなことを考えた一時期もあった.きっと今ごろは「何を,ちょこざいな」と,ALSにせせら笑われていることだろう.
他のALS患者さんのことは,私にはわからない.これは私個人の体験に基づく独善的なもので,理論的裏づけも何もない,多分に感覚的なALSの解釈である.
車にたとえると,もう寿命の来たバッテリーにいくら充電してもメインエンジンに点火することができないように,仮に点火しても少しは知ればすぐプッスンと止まってしまうような車である(98-99).

■書評・紹介


■言及

立岩 真也 20041115 『ALS――不動の身体と息する機械』医学書院.ISBN-10: 4260333771 ISBN-13: ISBN-13: 978-4260333771 \2940 [amazon][kinokuniya]


*作成:藤原 信行
UP: 20101027 REV:
ALS=筋萎縮性側索硬化症  ◇難病/神経難病/特定疾患  ◇異なる身体のもとでの交信――情報・コミュニケーションと障害者  ◇人工呼吸器(ベンチレーター)  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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