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『愛情という名の支配――家族を縛る共依存』

信田 さよ子 19980907 海竜社,222p.


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信田 さよ子 19980907 『愛情という名の支配――家族を縛る共依存』,海竜社,222p. ISBN-10: 4759305629 1500 [amazon] ※ m.

■広告

(「BOOK」データベースより)
摂食障害、不登校、暴力、アルコール依存症、ワーカホリック――アダルト・チルドレンコンセプトの第一人者がカウンセリングの現場からアドバイスする機能不全家族回復論。

(「MARC」データベースより)
「あなたのためを思って…」「私がいなければ」――共依存とは問題を起こす人と、それを支える人との不幸な人間関係のこと。アダルト・チルドレンコンセプトの第一人者がアドバイスする機能不全家族回復論。

■目次

はじめに
第1章 愛情という名の支配
第2章 アダルト・チルドレンと機能不全家族
第3章 アルコール依存症の父と共依存の母
第4章 アダルト・チルドレンからの回復、私の方法
第5章 さようなら家族を縛る共依存
第6章 常識おばけからの解放
おわりに

■引用

 「共依存は一代で終わらないで連鎖していきます。[…]暴力を見て育った子どもは殴る側か、殴られる側のいずれかに自分を重ね合わせて成長します。だから、男の子であれば同性の父(殴る側)に自分を重ねることが多くなり、女の子であれば同性の母(殴られる側)に自分を重ねることが多くなります。[…]親に殴られて育つと、自分も親になった時、子どもを殴るというようなことをしてしまいがちなのです。[…]しかし、「人はなぜされたようにしてしまうのか」という問いに対する明らかな理由はまだ分からない部分が多いのです」(信田[1998:32-33])

 「運命や遺伝といった言葉で考えてはいけません。親との関係で身につけたものであれば、それは変えることができるのです。」(信田[1998:73])
 「両親二人の間に繰り広げられる、支配する・支配されるという、それ以外の何ものでもないような関係を日常的に見ているという、この三つを受けて育ったのがACの人たちなのです。」(信田[1998:82-33])

 「トラウマとACという二つの言葉は共に「あなたが悪いわけではない」という「免責性」を与えてくれます。いつもすべての原因を自分に求め責め続けている人にとって、この免責性は救いと感じられ、楽になるきっかけを与えてくれるのです」(信田[1998:96])

 「人のせいにする人は悪い人、自分のせいにする人はいい人と思われていますが、自分が悪いと思うことが本当にいいことなのでしょうか。」(信田[1998:209])
 「一般常識では、自分を責めれば、自分は変わるのではないかと思われています。私はむしろ、自分をほめた方が自分は変わると思います。一見いいことのように思いますが、「私が悪いのだ」と理由づけするだけで、何の解決にもならないのです。」(信田[1998:212])

 「苦しいことに慣れるのは、代わりのものが手に入るからです。りんごが奪われたら代わりに姫りんごが与えられるようなものです。その代わりのものは「自分で引き受けなくていい」という安楽です。「自分の足で立たなくてもいい」という安逸です。これは自分で立ち、考えることを奪われることなのです。(…)どうせ一回しかない人生なのですから、少々こわくても自分の意見を言い「ヨッシャ!」と引き受けてみましょう。その結果について文句は言わないことです。[…]よく言われる「イキイキ」という言葉は、このような勇気の結果生まれるものなのです。人のせいにしてはイキイキできません。」(信田[1998:213-214])

■言及

◆立岩 真也 20140825 『自閉症連続体の時代』,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+ [amazon][kinokuniya] ※


*作成:山口 真紀
UP:20080704 REV:20140824
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