『図解 精神病診断マニュアル――摂食障害、心身症からアダルトチルドレン、ギャンブル依存症まで』
雀部 俊毅 19980110 同文書院,217p.
■雀部 俊毅 19980110 『図解 精神病診断マニュアル――摂食障害、心身症からアダルトチルドレン、ギャンブル依存症まで』,同文書院,217p. ISBN-10: 4810374572 ISBN-13: 978-4810374575 \1365 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
「BOOK」データベースより
人はどうして心を病むのか? ある日突然、あなたも…一見正常に見える人たちの、心に潜む「異常の正体」。「精神病」の危険サインと深層心理のメカニズムが見えてくる。
「MARC」データベースより
摂食障害、心身症、アダルトチルドレンなど、正常と異常のボーダーライン上にある「心の病」を中心に実例をあげながらわかりやすく解説。心の状態の自己診断ができるよう、チェックリストや心理テストを収録。
■目次
1 現代の「精神病」のメカニズムを知る
家族と教育の精神病理――父親の弱体化と不在化。規範なき時代の自由と束縛の二重構造が心の病を生む
アダルトチルドレンとは何か?
- 親から子供らしく環境を与えられなかった子は成人してから様々な心の障害を抱える
若い世代に急増中のアルコール依存症
- 飲酒機会の増大と低年齢化が原因。症状が進むとアルコール精神病に至る
ダメな男から離れられない「供依存」とは?
- 「そんな男とは別れなさいよ」と言っても、別れられない女の心に潜む不幸な病理
若者を蝕むアパシーシンドローム
- 生きる意欲やエネルギーが枯渇し、本人も理由がわからない無気力状態
社会と集団の精神病理――高度文明が生んだ「あやつられ現象」。現代人は分裂病の世界に近づいている
ある日突然不安発作が襲うパニック障害
- 嵐のような症状とともに激しい不安の発作が起こる若い男女に急増している病気
自己啓発ブームで増えるつんのめり症候群
- 「前向きで上昇志向」のポジティブ思考が強迫観念になって心の病を患う
日本人に多い妄想性パーソナリティ障害
- いつも猜疑心にとらわれ、不安がいっぱい。完全主義の親に育てられた人に多く発症する。
中年を襲う心の病「仮面うつ病」
- 親から子供らしく環境を与えられなかった子は成人してから様々な心の障害を抱える
愛と性の精神病理――メディアの発達が生んだ美しさへの強迫観念幼少期の愛情の注ぎ方にも影響がある
衝動を抑えられないボーダーライン人格障害
- ストーカーなどにも見られる反社会行動を起こす境界性人格障害
ダイエットに走る女性に急増する摂食障害
- 努力家の女性がちょっとした挫折をきっかけに発症する「心の病」
魅力的な女性に多い演技性パーソナリティ障害
- たえず自分が愛されているという保証を求め、かなえられないとヒステリーを起こす
自分の性別に違和感を抱く性同一性障害
- 箱庭の中に自分の世界を作ることで心が癒されていくユング心理学を応用した療法
犯罪と狂気の精神病理――歯止めのきかない衝動的な凶悪事件の急増現代人は理不尽な妄想にとりつかれている
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?
- 阪神大震災、地下鉄サリン事件で注目!生死に関わる出来事の後に生じる心の病
中高生の覚醒剤汚染で増える薬物依存症
- 安易に覚醒剤に手を出す若者が知らない恐ろしい症状!廃人になることもある
神戸の酒鬼薔薇事件で注目されたパーソナリティ障害
- 青少年犯罪の根っこに潜む人格の暴力性。行為障害の少年がその後にかかる心の病
◆精神:心理学者の知られざるエピソード〈フロイト〉
2 「精神病」の危険サインとなる深層心理を知る
人は心をどのように考えてきたか?
- 臨床心理学における二大巨頭、フロイトとユングはリビドーから人間の精神を読み解いた
人はなぜ不安を抱くのか?
- 健康名不安と病的な不安はどこが違うのか? 人間が抱く不安のメカニズムを知る
人はなぜストレスを感じるのか?
- ストレスはどのようにして起こり、人体にどんな影響を及ぼすのか?
現代社会と精神病はどんな関係があるか?
- 文明社会がもたらした人間性の喪失。回避と依存性の高い人格が出来上がる
人間はなぜ怒るのか?
- 自らの怒りの感情はどこから生じているのか? 怒りの意味を理解することが心の安定を保つ
人間はなぜ罪悪感を持つのか?
- 行為自体を不快に思うのではなく、行為のせいで自分に悪のレッテルを貼る
心の病はどうして発病するのか?
- 幼年期の人格形成の失敗が思春期に心の病として現われる
うつ病の原因は何か?
- 成人の一〇〇人に一人の割合でかかる! 脳内物質変化説と体質・環境変化説
心理テストで何がわかるのか?
- 科学的に解明することはどこまで可能なのか? その制度と問題点は?
精神病と人格障害の違いは何か?
- 文明社会がもたらした人間性の喪失、回避性と依存性の高い人格が出来上がる
心の病の良好サインと不良サインとは?
- いい子、規範児童は心の病の危険シグナル。親を困らせるぐらいの子のほうがよい
人はなぜぼけるのか?
- 老いとともに衰える記憶力‐痴呆の原因はさまざまな因子がある
◆精神:心理学者の知られざるエピソード〈ユング〉
3 自分でできる!「精神病」の診断テスト
カウンセリングとは何か?
- カウンセラー、セラピスト、心理療法家……心の専門家は種類も呼び名もさまざま
グループカウンセリングとは何か?
- ひたすら自分のことだけを語り、自らの生い立ちをストーリー化する
精神分析療法ほは何か?
- 人間の無意識の領域に働きかけることで「心の病」を治療するというのがもとの考え
家族療法とは何か?
- 患者と家族の関係を見直し改善を図る、犯人捜しをしないグループカウンセリング
行動療法とは何か?
- 症状がどのような経験の結果、生じるようになったかを考え、行動を修正する療法
脚光を浴びる森田療法
- 人間の「生へのエネルギーを高める」ことに注目したシンプルで効果的な精神療法
箱庭療法とは何か?
- 箱庭の中に自分の世界を作ることで心が癒されていく、ユング心理学を応用した療法
分析交流(エゴグラム)でわかる心の偏り
- 「未知なる自分」――人間の心の中に潜む「三つのわたし」を見分ける
サイコドラマとは何か?
- 自分が自分以外の役割を演じる心理劇。生きるエネルギーがわく精神療法
社会恐怖(社会不安障害)に関するテスト
- あなたの社会に対する恐怖や不安は健康内か、それとも病的か?
STC‐文章完成法テスト
- 親から子供らしく生きる環境を与えられなかった子は成人して様々な心の障害を抱える
多重人格 (DES) テストとは?
- 宮崎事件、『24人のビリーミリガン』などで注目されるようになった「自分の中の他人」
◆精神:心理学者の知られざるエピソード〈ロジャース〉
4 「精神病」とどうつき合っていけばいいか?
自分探しをしよう
- 生育歴の中で親から受ける影響は多大。自分史を書けば問題点が見えてくる
性格は変えることができる
- 人間の性格は他人の尺度で作られたもの。環境によって九割方作られる
考え方一つでこんなに変わる
- 心の病を患いやすい人は、「こうあるべき」という信念が人一倍強すぎる
不安はこうすれば解消できる
- 不安から注意をそらす、リラックスする受け取り方を変える、人と交流を深める
精神科で診察を受けとるときの心構え
- 早期治療が大切。おかしいと思ったら最寄りの精神保健センターで相談を
知っておきたい精神病治療薬の作用
- 親から子供らしく生きる環境を与えられなかった子は成人して様々な心の障害を抱える
自助グループに参加する
- 心の病からの回復患者や家族から直接体験談が聞けて、参加費用も安い
◆精神:心理学者の知られざるエピソード〈フロイト〉
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治