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『階級論の現在――イギリスと日本』

ジョン・スコット/渡辺 雅男 19980125 青木書店,203p.


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■ジョン・スコット/渡辺 雅男 19980125 『階級論の現在――イギリスと日本』,青木書店,203p. ISBN-10: 4250980006 ISBN-13: 978-4250980008 2200+税  [amazon]

■内容(「BOOK」データベースより)
「豊かな」社会にもかかわらず、人々の生活の格差は厳然と存在し、しかし、「階級」は消滅した…?本書は、日英間の学問的、人的協力関係のうえに築き上げ られた学術交流のひとつの成果である。

内容(「MARC」データベースより)
「豊かな」社会にもかかわらず、人々の生活の格差は厳然と存在し、しかし、「階級」は消滅した…? 階級論について、イギリスと日本のそれぞれの問題状況から考える。

■目次


【第1部】イギリスの問題状況
 ジョン・スコット(訳 渡辺景子)
第1章 階級,身分,命令権力――理論的枠組みに向けて
    階級・身分・命令関係 経済的分断と階級分析 文化的分断と身分分析 権威主義的分化とエリート 結論
第2章 労働者階級の問題
    古典的な労働者階級 労働者階級における変化 労働者階級は依然として存在するか?
 参考文献(第1・2章)
コメント:労働者階級の組織と意識についての時事的な一考察 ジョン・ウェスターガード(訳 渡辺景子)

【第2部】日本の問題状況
 渡辺雅男
[第1部の問題提起をうけて]
第3章 虚構のなかの「中」意識
    階層帰属調査の問題点 階層帰属意識調査の問題点 幻想としての「階級帰属意識」 幻想としての「中」意識 「実態」なき「中」意識
第4章 マルクスの階級概念
    マルクスの問題関心 階級概念の社会科学的性格 社会階級の概念 階級闘争 国家機構と階級支配 民族解放と植民地支配 マルクス階級概念の現代 的意義
コメント:階級と人間 宮崎犀一

あとがき

■引用

「本論の第二のテーマは労働者階級の現状をどのように考えるかという問題である。古典的な労働者の姿は現在の社会でますます影が薄くなりつつある。このこ とが,このことが,階級論から社会科学者たちの関心を遠ざけさせている一つの,しかしきわめて説得力のある理由であろう。この事実をどのように考えるの か。これが第二のテーマに取り組んだ二人の問題意識である。もちろん,両者の議論には微妙な違いがある。スコットは階級の死滅という主張には与しない姿勢 を堅持しつつも,労働者階級の死滅という主張に見られる労働者階級の現代的変化についてはこれを積極的に認めている。それにたいし,渡辺は,「中」意識を 持つことによって労働者階級はもちろん階級それ自体さえ死滅したとするような主張にたいしては一概に否定的であり,「中」意識とはなにか,という根本的な 問いを提起することによって,こうした主張の虚構性を暴こうとする。こうしたニュアンスの違いにもかかわらず,労働者階級を襲った変化の意味を捉えるため には,労働者階級という存在の本質面と現象面をきちんと区別し,両者の関係を正しく理解することが必要であると考える点では,二人の姿勢は一致していると 言ってよいだろう。」(p.4-5)

「この二元的なイメージは,まず最初に,階級「分派」の認識によって限定を加えられた。マルクスは,基本的な社会階級は純粋な姿では現れず,それを構成す る「分派」として現れるだろうと考えた。それらの分派は,自らが構成する基本的な階級的位置よりも狭い,より特殊な階級状況に基づいている。マルクスは, 階級分派の形成につながる経済的分化にさほど体系的な関心を寄せなかったが,資本の特殊な方と労働力の特殊な形態が,分派形成のありうべき基準を構成する ことは明らかである。こうして,資本の基本的な状況は,工業,銀行業,商業といった「分派」へと分かれ,プロレタリアの基本的な位置は,技能や労働市場へ の参加といったラインに沿って分かれる。こうした階級状況は,さまざまな「資金」や「市場能力」を含んでおり,人々はそれらを行使し,特定の「最適化戦 術」を駆使することによって,彼らに特有の階級利害を得ることができるのである(Elter 1985: Ch.6)。」(p.24)


UP:20071122
平等/不平等/格差 ◇
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