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『社会科学系大学院生のための研究の進め方――修士・博士論文を書くまえに』

Remenyi, D., Williams, B., Money, A. & Swartz, E. 1998 Doing Research in Business and Management: An Introduction to Process and Method, Tech Trans Limited.
=20020920 小樽商科大学ビジネス創造センター 訳,同文舘出版,154p.

last update:20131203

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■Remenyi, D., Williams, B., Money, A. & Swartz, E. 1998 Doing Research in Business and Management: An Introduction to Process and Method, Tech Trans Limited.
=20020920 小樽商科大学ビジネス創造センター 訳,『社会科学系大学院生のための研究の進め方――修士・博士論文を書くまえに』,同文舘出版,154p. ISBN-10:4495865218 ISBN-13:978-4495865214  \1995 [amazon][kinokuniya]


■内容

内容(「MARC」データベースより)
社会人大学院生の数が急増しているにもかかわらず、十分な教育体制が整っていない現実を踏まえた、「大学院における研究の進め方」の概略を理解できる研究法のテキスト。さらに学びたい人のための書籍紹介も収録。


■目次

第1章 研究のスタート
第2章 研究のプロセス
第3章 研究の戦略と戦術
第4章 経験的証拠を集める
第5章 質問票の作成と測定ツール
第6章 ケース・スタディの方法
第7章 標本(サンプル)
第8章 統計分析
第9章 学位論文を書く
さらに学びたい人のための書籍紹介
索引

■引用

◆研究をスタートさせる際に、少なくとも3つの問いについて考えなければなりません。それは、「なぜ研究をするのか?」、「何を研究するのか?」、「どのように研究するのか?」という点です。[2002:5]

◆研究者にとって大事なことは、自分の研究アプローチが適切であることを研究仲間に説明できるかどうか、という点です。そのためには、知識が生みだされるプロセスについて理解する必要があります。先人が積み上げてきた知識体系に何らかの意味のある貢献をしたという点について他人を説得するためには、研究者は「科学的方法(scientific method)」にそって研究を進めなければなりません。[2002:8]

◆研究プロセスは、通常、次の8段階からなります。
@文献レビュー
A研究方法の選択
Bリサーチ・クエスチョンの設定
C証拠の収集
D証拠の分析
E分析結果の解釈
F研究の問題点や限界
G実践へのアドバイス[2002:14]

◆文献をレビューするメリットは、それによって研究課題がみえてくることと、先行研究でよく使われている研究方法がわかるようになることです。文献を読む際には、矛盾点やパラドックスに注目し、批判的に読むことが重要になります。なぜなら、そうした観点から文献を読むことで、おもしろいリサーチ・クエスチョンがみつかることが多いからです。[2002:15]

◆研究プロセスで最も重要なことは、適切な証拠を収集・分析し、リサーチ・クエスチョンに答えることです。[2002:16]

◆研究戦略を決める手順は、次のとおりです。
@リサーチ・クエスチョンの決定
A研究資源の入手可能性による主な制約の検討
B研究戦略の決定
C決定した研究戦略の制約について検討
D研究戦術の選択[2002:22]

◆研究戦略は、次の4つの観点から決定します。
@リサーチ・クエスチョン
A研究者が利用可能な費用・予算
B研究にかけられる時間と終了期日
C研究者のスキル[2002:23]

◆一般に、質問紙調査の実施は、以下の流れにしたがいます。
@調査目的の明確化
Aデータ収集方法の決定
Bサンプルサイズとサンプルフレームの決定
C質問項目の作成
D質問票のレイアウト
E予備調査の実施
F質問票の修正
G質問票の送付
H質問票の回収
Iデータのコード化(コンピューターへの入力)
J分析と解釈[2002:62-63]

◆研究におけるケース・スタディには、2つの異なった特徴があります、第1に、ケース・スタディは、妥当性が高く信頼できる証拠を提示するために用いることができます。この証拠は、理論的推論ができるように総合されたり、さらには既存の理論を支持したり反駁するために用いられたりします。/第2に、ケース・スタディは、研究対象である状況の物語を作成するための手段として用いることができます。このようにケース・スタディを行うと、観察された現象を説明し、研究対象をその文脈と環境のなかで理解することができますし、またケース・スタディは、知識体系に新たな価値をつけ加える包括的な研究法となります。[2002:69]

◆ケース・スタディで用いられる重要な証拠源は、次の6つです。
@文書
A面接
B直接観察
C参与観察
D物的人工物
E公文書記録[2002:81]

◆ケース・スタディ・アプローチには、次の9つのステップがあります。
@理論の開発
Aケースの選択
B証拠収集のプロトコルの設計
Cケース・スタディの実施
Dケース・リポートの作成
Eケース間にわたる結論の導出
F理論の修正
G政策上のインプリケーションの開発
Hケース間リポートの作成[2002:91]

◆模範的なケース・スタディに必要とされる一般的特徴は、次の5つです。
@重要であること。
A完全であること。
B代替的な見方を考慮すること。
C十分な証拠を示すこと。
D人を惹きつける構成であること。[2002:93]

◆修士・博士論文作成にあたってのチェック・リスト
■一般的ポイント■
1 問題点が特定され、構造化され、明確になっているか?
2 研究は、これまでの知識体系に対して、価値のある貢献をしているか?
3 論文中の議論は、説得力があるか?
4 指導教官は、論文が審査できる状態にあることについて合意しているか?
5 文書の長さは適切か?
6 学位論文は、大学図書館等の公的機関に設置する用意ができているか?
7 学位論文のフォーマットに関する大学の規定にしたがっているか?
■詳細ポイント■
8 イントロダクション(はじめに)の部分で、研究テーマの重要性を説明しているか?
9 文献レビューを、適切に批判的な形で、しっかり行っているか?
10 文献レビューから、新しい概念モデルを構築しているか?
11 リサーチ・クエスチョンが明確で、それが個人的経験や文献レビューから引きだされているか?
12 リサーチ・クエスチョンは、実証的に一般化できる形になっているか?
13 研究方法について立場を明確にしているか?
14 研究方法について詳細を説明しているか?
15 サンプリングの手続きや証拠収集について、適切な方法がとられているか?
16 証拠分析の技法は(定性、定量にかかわらず)正当なものか?
17 概念モデル、証拠、分析、発見の間に、論理的な流れがあるか?
18 発見は一般化できるか?もしできない場合には、どのような意味があるのか?
19 妥当性、信頼性、信憑性、応用可能性、バイアスについての問題は適切に説明されているか?
20 最終的な結論は、十分に説得力があるか?
21 研究がかかえる問題点は、適切に説明されているか?
22 研究上の発見は、実践に役立つガイドラインを提供しているか?
23 要約や結論の章は、肯定的な形で締めくくっているか?[2002:140-142]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡 稔
UP:20101206 REV: 20131203
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