『テキストブック――エイジングの社会学』
岡村 清子・長谷川 倫子 編 19971015 日本評論社,226p.
■岡村 清子・長谷川 倫子 編 19971015 『テキストブック――エイジングの社会学』,日本評論社,226p. ISBN-10: 4535560536 ISBN-13: 978-4535560536 \2520 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
本書は、高齢化社会の諸問題を学生とともに授業を通して考えてゆくために書かれた、エイジングに関する社会学の入門書である。
社会学の領域における高齢化問題の基本的な課題やこれまでの研究成果をわかりやすく紹介している。
■目次
はじめに
第1章 エイジングの社会学
第1節 エイジングと社会
1 エイジングとは何か
2 エイジングの社会学的アプローチ
第2節 全体レベルへのアプローチ――人口の高齢化と高齢化社会
1 人口の高齢化とは
2 人口高齢化が生じる背景
3 少子・高齢化社会の到来
第3節 個人レベルへのアプローチ――長寿社会の到来と高齢者
1 人生50年時代から80年時代へ
2 こころと老化
第4節 集団レベルへのアプローチ――職業と家族から見た高齢者
1 高齢者と高齢期
2 ライフサイクルの変化
3 高齢期の社会的規定
第5節 高齢期ライフイベントと生活構造
1 高齢期齢フイベント
2 役割移行とライフコース
3 高齢期の発達課題
4 高齢期と生活構造
5 高齢期ライフサイクル
6 多様なライフスタイル
第6節 エイジング研究への社会学的アプローチ
1 わが国における高齢者問題の展開
2 問題論的アプローチと科学的アプローチ
3 調査研究のための理論と方法
第2章 職業からの引退と社会参加
第1節 定年退職と職業からの引退
1 定年制と定年後人生
2 定年後人生とは
第2節 高齢期の就労状況
1 高い労働力率
2 多様化する就業状況
3 就業・不就業をもたらす要因
第3節 定年と高齢者就労問題
1 雇用問題としての中高齢者問題
2 定年後生活への適応
3 シルバー人材センター
第4節 社会参加活動の実態
1 社会参加活動とは
2 高齢者の社会参加活動
第5節 高齢期ライフイベントと社会参加
1 定年と社会参加
2 配偶者喪失と社会参加
3 障害受容と社会参加
4 転居と社会参加
第6節 多様な社会参加
1 高齢期の時期により異なる社会参加
2 社会参加のための施策
3 期待される高齢者の役割――積極的の高齢期をめざして
4 「直線型人生」から「循環型人生」へ
第3章 高齢者と経済生活
第1節 高齢者の収入と資産
1 所得とその源泉
2 所得水準
3 貯蓄と高齢者
4 資産と世代間移転
第2節 高齢者の消費生活
1 高齢者の消費行動
2 老後生活の費用
3 消費者保護と財産管理
第3節 高齢期を支える社会保障制度
1 年金制度と所得補償
2 1994年の年金制度改正点
3 老人医療制度
4 社会保障費用と財源問題
第4章 高齢者と家族
第1節 高齢者の生活の場
1 高齢者の家族形態
2 諸外国との比較
第2節 高齢者の世代間関係
1 援助提供者としての高齢者
2 同居における高齢者の生活
3 別居子との交流
4 祖父母と孫の関係
第3節 高齢者の夫婦関係
1 役割関係
2 介護の現状
3 介護に伴うストレス
4 社会的サービスの活用と在宅介護
第4節 高齢者介護と家族
1 介護欲求
2 介護の現状
3 介護に伴うストレス
4 社会的サービスの活用と在宅介護
第5章 余暇生活と生きがい
第1節 生きがいと余暇
1 人間の基本的欲求
2 余暇の定義
第2節 余暇活動の実態
1 生活時間
2 余暇活動の参加率
3 テレビと高齢者
第3節 日本人と余暇――会社人間の老後から考える
第4節 これからの余暇
1 余暇行動を規定する要因
2 これからの余暇――高齢者のアイデンティティの確立
第6章 高齢者の社会的地位――エイジズムから見る
第1節 高齢者イメージの変遷
1 近代化と老人
2 日本における老人観の変遷
3 エイジズムとは
第2節 現代社会における高齢者像
1 年齢規範――「老人は何歳から?」
2 老人のイメージ
3 マスメディアと老人
第3節 社会的弱者としての老人
1 被害者として
2 自殺
3 老害
第4節 世代間の理解のために
1 サブカルテャーとしての老人文化の尊重
2 差別表現をなくす試み
3 高齢者を理解するためのプログラム
第7章 高齢期を支える資源
第1節 高齢者への支援の実態
1 支援とは
2 主たる介護者
第2節 高齢期を支える資源にはどのようなものがあるか?――全体像
第3節 資源1/インフォーマル部門(家族・親族、友人、近隣)
第4節 資源2/公的部門
1 老人福祉制度の流れ
2 在宅福祉サービスと施設福祉サービス
3 サービスの立案から提供まで――組織と携わる人々
第5節 資源3/民間部門
1 民間部門―シルバーサービス―の登場
2 民間営利団体の提供するサービス―公的部門との関連から
3 民間非営利団体の提供するサービス
4 新たな動き
第8章 高齢期のQOLを求めて
第1節 QOLの構成要素
1 QOLとは何か
2 医療分野のQOL
3 経済発展とQOL
4 わが国の生活分野のQOL
第2節 生活分野のQOLの構成要素
1 QOLの構成要素
2 4つの学問分野からの視点と学際的視点
3 QOLと類似した概念
第3節 高齢者のQOL
1 高齢者のQOLとは
2 高齢期の環境変化と支援
3 高齢期のQOLの構成要素
4 QOLの計量的研究
第4節 高齢者の生活とQOL
1 高齢期の生活とは
2 高齢期の生活の質を規定するもの
3 生活の質を向上させるための資源
4 世代内格差と世代間格差
5 時代の影響
第5節 QOLの保障――老人ホームの場合
1 最後の生活の場の選択
2 特別養護老人ホームの処遇の変化
3 老人ホームのQOLとは
4 癒しとしての処遇
第6節 QOLの向上のために
参考文献
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治