HOME > BOOK

『希望とともに生きて――難病ホスピス開設にいたる「ありのまま舎」のあゆみ』

日野原 重明・山田 富也・西脇 智子 編 19970720 中央法規出版,191p.


このHP経由で購入すると寄付されます

日野原 重明山田 富也・西脇 智子 編 19970720 『希望とともに生きて――難病ホスピス開設にいたる「ありのまま舎」のあゆみ』,中央法規出版,191p. ISBN-10:4805816198 ISBN-13:9784805816196 2000+ [amazon] ※ md. ms. n02. i05

■内容

(「MARC」データベースより)
重度障害者と同志により作られた、難病ホスピス「ありのまま舎」の20年の歴史を、分析・検討。難病ホスピスの原点と実践について探究した、患者によるホスピスの活動の記録。〈ソフトカバー〉

■目次

第1章 ドキュメント・ありまま舎のいま
 社会福祉法人ありのまま舎と自立ホーム
 重度障害者・難病ホスピス「太白ありのまま舎」

第2章 歴史・ありのまま舎20年のあゆみ――難病患者の自立と共生を目指して
 筋ジストロフィー症患者運動の発足(第1期)
 ありのまま舎の活動(第2期)
 社会福祉法人ありのまま舎設立準備と活動(第3期)
 身体障害者福祉ホーム「仙台ありのまま舎」の創設と運営(第4期)
 身体障害者療護施設「太白ありのまま舎」の創設と運営(第5期)

第3章 座談会・生きるとは、そしていのちとは
 出会い……、それぞれ難病患者の生活と福祉
 難病患者の生活と福祉
 “できる”という発想
 いのちを支える――難病ホスピスの意義
 希望とともに生きて――個別性から普遍性の時代へ

第4章 考察・難病ホスピスが持つ現代的意義
 難病患者とターミナルケア
  難病ホスピスの創設
  難病患者看護の実践
 難病患者運動の歴史的考察
  難病患者の歴史
  戦後の難病患者運動とありのまま運動の特色
 難病ホスピスの意義
  患者自身による発想とセルフ・ヘルプ・グループの理論
  「ライフ(Life)」の概念の重要性
  人生の完成への支援

■引用

第1章 ドキュメント・ありまま舎のいま
 社会福祉法人ありのまま舎と自立ホーム
 重度障害者・難病ホスピス「太白ありのまま舎」

第2章 歴史・ありのまま舎20年のあゆみ――難病患者の自立と共生を目指して
 筋ジストロフィー症患者運動の発足(第1期)

水原孝 1997 「押し黙っているばかりの最初の出会い」, 51

 「押し黙っているばかりの最初の出会い
 昭和50年に私が新聞社を定年になったとき、富也から連絡がありまして、ありのまま舎という団体をつくって世間にアピールしたい。ついては願問として協力してくれと言ってきたのです。それで、たびたび七ケ浜町の彼の家を訪ねて、雑誌づくりのアドバイスをしたり、お兄さんの寛之君の結婚式では仲人をしたり、映画を作ったときは関東での上映会を開いたりしました。
 昭和46年に『ぼくの中の夜と朝』という映画を観ました。国立療養所西多賀病院に入院している進行性筋萎縮症の子どもたちのドキュメンタリーです。筋ジスという病気自体を初めて知り、そういう病いの子どもがいると知ってショックを受け、仙台の西多賀病院を訪ねました。病院内に設けられた養護学校の教頭である半沢先生の案内で病院を見学してまわり、最後に通されたのが成人病棟です。それが最初の出会いでした。私と先生を中心に、筋ジスの車椅子の青年たちが扇型に囲みました。先生は話し合いをうながすけれど、彼らは押し黙っているばかりです。その中には、富也も二人の兄もいたのでしょうが、冷やかな目で私を見つめているだけでした。
 でも、それももっともなことだったのです。自分たちがこういう酷い状況にあっても、誰も手を差し延べない。マスコミも福祉事業団も口先だけだと、一般社会に批判的だったのですね。私も多少のことには驚かないのですが、彼らの沈黙には困りました。この人たちは、20歳前後で死んでいくと言われているのに、自分たちはなにもしていない。でも、申し訳ないと言っても反応がない。苦しまぎれにその直前に訪れた中国の話をしても、なにかできることがあればと言っても、一言も答えがない。結局、「行動を通して信頼関係をつくりたい」と言って、私は話を終えました。
 それからまもなく、富也から北海道の国立病院にいる筋ジスの仲間と交流したいので、援助をしてほしいという話がきました。成人患者で自治会をつくったので、その結果を分かち合いたいということでした。バイタリティにあふれた男ですが、この北海道の旅のあと、一時、病状が悪化して生死の境をさまよっていたそうです。こうして、彼らとの数年間の交流が始まりました。
    水原孝氏(元朝日新聞東京厚生文化事業団事務局長)」(水原[1997:51])(全文)

 ありのまま舎の活動(第2期)
 社会福祉法人ありのまま舎設立準備と活動(第3期)
 身体障害者福祉ホーム「仙台ありのまま舎」の創設と運営(第4期)
 身体障害者療護施設「太白ありのまま舎」の創設と運営(第5期)

第3章 座談会・生きるとは、そしていのちとは
 出会い……、それぞれ難病患者の生活と福祉
 難病患者の生活と福祉
 “できる”という発想
 いのちを支える――難病ホスピスの意義
 希望とともに生きて――個別性から普遍性の時代へ

第4章 考察・難病ホスピスが持つ現代的意義
 難病患者とターミナルケア
  難病ホスピスの創設
  難病患者看護の実践
 難病患者運動の歴史的考察
  難病患者の歴史
  戦後の難病患者運動とありのまま運動の特色
 難病ホスピスの意義
  患者自身による発想とセルフ・ヘルプ・グループの理論
  「ライフ(Life)」の概念の重要性
  人生の完成への支援

■言及

立岩 真也 2017 『(題名未定)』,青土社


*更新:安田 智博
UP:20080311 REV:20160116, 20170406
ありのまま舎  ◇筋ジストロフィー  ◇病・障害  ◇「難病」  ◇施設/脱施設  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME(http://www.arsvi.com)